基礎知識腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
腎臓病・透析に関わる書籍紹介(専門書等)
2019.9.2
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医学的な内容の本はもちろん、病気と向き合う心構えに関する本などもご紹介します。
日本腎臓学会 (編集)
- 単行本: 120ページ
- 出版社: 東京医学社 (2018/12/17)
- ISBN-10: 488563704X
- ISBN-13: 978-4885637049
本来は日本腎臓学会において医師向けに作成されている診療の指針を、患者さんとそのご家族のために文字も大きく、難しい言葉や表現は避け大変わかりやすくまとまった一冊です。
同学会に所属する医師が多く関与した本書の高い信頼性は言うまでもなく、腎臓病を治療することになったらまず本書で学ぶと良いでしょう。
シャントは透析患者にとってまさに「命綱」であり、長く共に歩む「相棒」です。
本書は東京のシャント専門のクリニック「飯田橋春口クリニック」院長であり、じんラボではシャントに関する記事を執筆いただいた春口洋昭先生の本です。
原疾患や透析導入に至る経緯などが異なる8人の透析患者(私もいます)のシャントにまつわるエピソードを紹介と併せて、先生の医学的な解説があります。
多くの医療者に読まれている本書は、シャントへの理解を深めるにあたり患者に向けても分かりやすく書かれています。
「おわりに」の「シャントをつくらなくていい世の中になってほしい」という先生の言葉に込められた、患者への愛情が伝わる一冊です。
政金 生人 (著)
- 単行本: 130ページ
- 出版社: 新興医学出版社 (2011/06)
- ISBN-10: 4880027243
- ISBN-13: 978-4880027241
じんラボゼミナールにご登壇いただくなど、じんラボではお馴染みの医療法人社団清永会 矢吹病院腎不全総合対策室 室長政金生人先生の本です。
医療者向けですが、患者さんとそのご家族にもたいへん勉強になる一冊です。
先生の医療に対する矜持や取り組みの姿勢のみならず、何より患者への愛情とお人柄が読み取れる一冊です。
透析のことを学べると同時に、先生の生き方から「人として」という視点でも多くを学ぶことができます。
山川 智之 (編集)
- 単行本: 122ページ
- 出版社: 医薬ジャーナル社 (2015/06)
- ISBN-10: 4753227324
- ISBN-13: 978-4753227327
阪神・淡路大震災、東日本大震災など、それぞれの地域で実際に対応に臨んだ医療者による、数多くの震災での経験とそれに基づく対策です。
基本的には医療者向けですが、患者さんとそのご家族にもたいへん為になります。
いつやってくるか分からないけれども、いつか必ずやってくるその日に備えて、経験からの学びは大変貴重です、ぜひご覧ください。
加藤 眞三 (著)
- 単行本: 229ページ
- 出版社: 春秋社 (2014/3/25)
- ISBN-10: 4393713982
- ISBN-13: 978-4393713983
「患者と医療の関わり方に関する学問」を「患者学」と定義し、「『患者の力』を活かさなければ日本の医療には未来がない」とさえ考えている医師、慶應義塾大学看護医療学部教授の加藤眞三先生の著書です。
私が各所で提唱している「患者協働の医療」のあり方を、本書では医療の現場での経験を通して詳しく解説しています。
「患者と医療者の関係」のみならず、病気を抱えた時に「どのように治療と向き合えばよいのか」も学ぶことができます。
鈴木信行 (著)
- 単行本(ソフトカバー): 192ページ
- 出版社: さくら舎 (2019/1/10)
- ISBN-10: 4865811818
- ISBN-13: 978-4865811810
色々な活動を共にしている「のぶさん」こと、患医ねっと代表鈴木信行さんの著書です。
病気になった時に、「生き方」や「人生の選択」とも言える「治療」「病気との向き合い方」について、医療者にすべてをおまかせせずに自分主体で行動できるようになるための指南書です。
患者を中心に据えその患者のためにさまざまな職種の医療者が連携して治療を施す、これまでのいわゆる「患者中心の医療」 から、医療を形作るのは、医療者だけではなく患者も含めたすべての人であるという「患者協働の医療」というあり方へのステップアップを提唱しています。
孫 大輔 (著)
- 単行本(ソフトカバー): 236ページ
- 出版社: さくら舎 (2018/2/9)
- ISBN-10: 4865811370
- ISBN-13: 978-4865811377
家庭医であり、東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授孫大輔先生による、医療者と患者のコミュニケーションについて深く考えさせられる一冊です。
キーワードはタイトルにもなっている「対話(ダイアローグ)」です。
本書では「『コミュニケーション』とは、発語した人が想定した意味をできるだけ正確に相手に伝えるやりとりであるのに対し、『対話』は、想定された意味を伝えるだけでなく、お互いのやりとりから新たな意味が生まれてくるような相互的かつ構成的な行為」と「対話」を定義しています。
国内外のさまざまなケースの紹介もあり、医療の現場においての「対話」の重要性と必要性がとてもよく理解できる一冊です。
真鶴会小倉第一病院 (著)
- 単行本:91ページ
- 出版社:メディカ出版 (2011/3/23)
- ISBN-10:4840436460
- ISBN-13:978-4840436465
血液検査の結果で、どの値がどれくらいだと大丈夫なのか、言葉・文字で理解するより、図も交えて提示されると、とても分かりやすいですよね。
そして、本自体がB5判と大きいのもいいです。本書の説明では、もともと「透析医療に携わる看護師さんが患者さんに検査値のことを説明するために使いやすい書籍をつくりたい。」という企画だったようですが、十分に患者さん・ご家族が読まれても理解できる平易な文章で書かれています。(所々にやはり専門的用語が入ってはいますが…)検査結果の値がそれぞれ高い(または低い)と体にどんな影響があるのか。また、その原因は。日常生活でどういったことに気を付ければ良いのか。など、分かりやすく解説してあります。
斎藤 明 (監修)
- 新書:179ページ
- 出版社:メディカ出版; 改訂3版 (2010/6/18)
- ISBN-10:4840433119
- ISBN-13:978-4840433112
副題に「患者指導に役立つ」とあるように、医療従事者向けの本なのですが、患者であっても十分理解でき、また役に立つ本です。病院の定期検査のデータについて、細かく病院で説明を受けることはなかなかできないので、購入しました。
「検査項目値の捉え方」、「異常値とその原因」や「検査値からわかることと治療方針」などが詳しく書いてあります。最初から通読するタイプのものではなく、検査の結果が出た時にちょっと気になる項目があった時など辞書的に引いて読むことをおすすめします。小さい本の割にちょっと高いのが難点ですが(医学書はだいたい高めですよね…)、とても勉強になる本ですよ。
佐藤 良和 (著)
- 単行本:198ページ
- 出版社:南山堂 (2006/8/15)
- ISBN-10:4525258519
- ISBN-13:978-4525258511
この本は、透析医が書いていますが、実はマンガで、そのマンガを透析医の先生自ら書かれているというユニークなものです。内容は腎臓の機能を知ることから透析の基本的な知識、また、合併症、自己管理に関してまで一通り書かれており、しかもマンガなので、文章だけのものより、すんなりと頭に入ってくる感じでした。ただその半面、絵的にリアルなタッチではないのですが、
それでもちょっと絵で改めてみるとなんかちょっとリアルで、ドキッとする場面もあったりしました。そんな風に感じるのは、極端に臆病な私くらいかも知れませんが…。そしてその絵は、もう十分「プロ」と言ってもいいくらいの完成度です。というかプロフィールを拝見したら「イラストレーターとしても活動中」と書かれてありました(笑)。あ、「プロ」だったんですね。うまいはずです。
マンガでも読み応え十分な一冊ですよ。
鈴木 一之 (著)
- 単行本:248ページ
- 出版社:メディカ出版 (2009/3/19)
- ISBN-10:4840428972
- ISBN-13:978-4840428972
本のタイトルを読んでお分かりのとおり、この本の著者は医師です。透析患者であり、透析医でもある医師なのです。医師としての視点、患者としての視点両面から書かれており、随所にそれが表れている素晴らしい本だと思います。この著書では基本的な透析の事はもちろんのこと、自己管理の工夫について等が書かれていますが、透析患者が元気で長生きするために大切なこととして、
・しっかり透析をすること
・体水分を適切にコントロールすること
・きちんと食べること
の3つを挙げられています。たとえば、「1回4時間×週3回」の血液透析が当たり前みたいになっている現状に警鐘を鳴らし、長時間透析を推奨しています。そして、「オーバーナイト透析」のことも触れられていました。ぜひご一読をお勧めします。
吉田 美香 (著)
- 単行本(ソフトカバー):160ページ
- 出版社:主婦の友社 (2010/3/29)
- 言語 日本語
- ISBN-10:4072716677
- ISBN-13:978-4072716670
本書の一番の特徴は、まず食品が豊富な写真で掲載されており、栄養成分が一目で分かるようになっている点です。どの書籍でも共通して言えることですが、個人差はもちろんありますが、パッと見た時の見やすさはとても大切です。内容に戻ると、腎臓病の基本的な知識について冒頭に書かれ、その後食品(食材)ごとに、日常よく使う、ひとまとまりの分量あたりが写真と成分毎に掲載されています。全体を通しての感想としては、腎臓病となり、「腎臓病の食事管理」について学びたいと思った方が最初に手に取る書籍としてはとても良いと思います。
ただ、外食のことは載っていませんので、外食をされる機会がある方は、本書で学んだあと外食メニューについて掲載されている書籍を読まれると良いのではないでしょうか。
赤塚 東司雄 (著)
- 単行本:239ページ
- 出版社:メディカ出版 (2011/2/23)
- ISBN-10:4840436568
- ISBN-13:978-4840436564
本書ですが、タイトルどおり透析を担当される看護師さん向けに書かれた本ではありますが、看護師さんのみならず透析患者さんでも十分に理解できる易しい文章、分かりやすい内容になっていると思います。「わかりやすいゼミナールシリーズ」とあるように授業のような形式になっており、7日目までの講義があって、それぞれに「小テスト」があります。皆さんも受講されてはいかがでしょうか。
春木 繁一 (著)
- 単行本:342ページ
- 出版社:メディカ出版 (2010/11/17)
- ISBN-10:4840433402
- ISBN-13:978-4840433402
皆さんは「サイコネフロロジー」という言葉をご存知でしょうか? 日本語で言うと「精神腎臓病学」といわれるもので、「腎臓病の医療者が、透析患者のストレスや気持ちを知って、治療やケアに役立てる学問」の事です。筆者である春木先生自身は精神科医であると同時に透析歴38年半(!)の今年で満70歳(2010.12当時)を迎えた透析患者でもあります。しっかり読んで勉強したいと思います。
バンザイ (著, イラスト)
- 単行本:102ページ
- 出版社:イーホープ; 初版 (2008/1/5)
- 言語 日本語
- ISBN-10:4901400207
- ISBN-13:978-4901400206
著者は透析患者です。実は私自身交流があり、とてもお世話になっています。
本書は元々ブログに掲載されていたものが製本されたもので、現在もブログ(透析バンザイ!!!)にマンガの掲載が継続されています。ちなみに私も載せていただきました(笑)。
透析について、透析患者の気持ち、腎臓病に関すること、医療者と患者のコミュニケーション等々、内容的にちょっと難しいこともマンガでとても分かり易く描かれています。
透析患者はもちろんのこと、ご家族、透析医療に携わる医療職の皆さんと幅広い方々にぜひお読みいただきたい一冊です。
佐藤 エキ子 (監修), 加曽利 良子
- 単行本:110ページ
- 出版社:インターメディカ (2008/05)
- ISBN-10:489996188X
- ISBN-13:978-4899961888
透析に携わる医療スタッフ向けの書籍ですが、タイトルどおり写真が満載で、透析を受けている患者が、自分が受けている透析のことをハード面から中心に知ることができる一冊です。
理屈として文章で学ぶことも必要ではありますが、透析をする際に使用され見慣れている機器とその仕組みについて知ることで、目から鱗的な観点で透析自体のその仕組みの理解がさらにスムースになります。
川村 哲也 (監修)
- 単行本(ソフトカバー):160ページ
- 出版社:主婦の友社 (2012/3/7)
- ISBN-10:4072806439
- ISBN-13:978-4072806432
タイトル通り「図解」が多く挿入されており、大変読みやすい構成になっている本です。また、広げて見やすいサイズなのも良いです。
後半にはかなりのボリュームを使って詳しく「食事療法」の特集がされています。ここでもやはり写真が多く用いられ、2週間分の献立とレシピが紹介されて、いわゆる「献立の立て方メソッド」を学べる工夫がされています。腎臓病のことをまず知りたいと思った時、いわゆる初心者向けの本は書店に行くと沢山あり、迷ってしまいますがその中でも本書はお薦めといえます。
杉澤 秀博 (編集), 山崎 親雄 (編集), 西 三郎 (編集)
- 単行本:219ページ
- 出版社:日本評論社 (2005/11)
- ISBN-10:4535982597
- ISBN-13:978-4535982598
透析患者にとって、慢性腎不全という病気と透析を知り、自ら納得した透析を受けることが大切なことは言うまでもありませんが、透析をすることによって、その人が生活をしていく中で受ける影響は様々なものがあります。
「就業の問題」
「結婚・出産の問題」
「福祉制度との関わり」
「透析患者自身の高齢化・孤立化の問題」
などなど。
これらの問題で悩んでいる方の力に少しでもなれるようにと自身の経験と重ねながら、自己研鑽を積んでいかなければと常に思っているわけですが、一般的な「医療・看護」に関する専門書そして、「癌」に関する書籍は多くあるのですが、いわゆる「透析」に絞ってソーシャルワーク的なアプローチで書かれた書籍は以外と少ないです。しかしこの本は、私が求めていた内容がかなり多く網羅されています。
ちなみに本書では「透析者」と「透析患者」を言い分けています。
この区別分かりますか?
恥ずかしながら、私も最初は分かりませんでした。本書によるとこの使い分けをこう定義付けています。
「透析者」とは、医療の枠内でのみ理解され、解決の方向性が見いだせるものではないもの。
医療以外の社会的条件との関連でとらえる必要があり、そこでは透析患者は「患者」ではなく、「生活者」として見る必要があるため。
「透析患者」は、直接的に医療の枠内で理解され、とらえられるもの。
としています。言われてみれば、なるほどと思います。
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