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在宅血液透析についてのよくある質問(FAQ)
2013.4.1
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Q1:除水量を自分で決めてもいいですか?
ドライウェイトはかかりつけ医と相談して決めますが、その日の体調で調整は可能です。体に優しい透析(=少ない除水量)を回数多く行うことが大切です。
調子が悪けれは無理をせず、その日は透析をやめましょう。
Q2:自分で穿刺するのは難しくないですか?
自己穿刺が可能な血管かは最初に受診していただいた際にかかりつけ医が判断します。必要なトレーニングは十分・繰り返し行いますので、しっかり覚えてください。
自分に針をさす恐怖はありますが、必ず慣れます。
よりよい治療を受けたいという、ご本人・家族の気持ちが大切です。
また、「自分の体は自分で守る」という理念から、100%介助者に依存する穿刺もおすすめしません。
Q3:透析回数に制限はありますか?
ありません。
在宅透析は透析をする総時間を長くすることが目的でもあります。
在宅透析にするのに、施設よりも短い時間ではそのメリットを享受できません。また、中2日空きは絶対にしないようにしてください。月1回の通院の際にかかりつけ医と相談しながら調整していきます。
Q4:費用はどれくらいかかりますか?
透析やお薬の費用はこれまでどおりです。その他の費用は下記のとおりです。
- 初期設備費用
-
- 透析機器などを置くための自宅改修
- 専用電源、給水・排水設備工事・機械配送等
=ご自宅の状況によって変わりますが、5万〜15万円程度
- 月々かかる費用
-
- 電気・水道代
普段の支払い金額に加えて1万〜1万5千円程度増えます。
(地域、季節、透析条件によって異なります) - 医療廃棄物処理料
お住まいの地域によって違いますが、1ヶ月1万円程度かかります。
自宅で捨てずに病院に持参する場合はかかりません。 - 透析液宅配料
お住まいの地域などの事情によって変わってきます。
ご自身で病院に取りに来る場合はかかりません。
- 電気・水道代
Q5:飲水制限はありますか?
ほぼありません。
今までと逆にリンの値が低くなる傾向にあります。よく食べてくださいと指導されることもあります。
Q6:旅行などの際は、どうしたらいいですか?
機械は持っていけません。
今まで同様に、旅先で施設透析をお願いすることになります。
Q7:マンション(賃貸住宅)でもできますか?
集合住宅でも所有されている場合は、基本的に問題はありません。
壁に穴を開けるなどは基本行いません。階下に騒音が伝わる・水漏れが起こる可能性はありますので、遮蔽ボックス・板の備え、漏れへの備えなどを工夫する場合があります。
賃貸の場合、オーナーに許可を書面でいただいてください。
電気工事は問題ないですが、水道工事は、退室の際に原状回復が必要になると思われます。
必要な工事については、透析施設を通じて専門の業者さん等と相談しながら最適な方法を検討して行きます。
Q8:透析中の血圧低下にはどう対応しますか?
血圧が下がるような透析は在宅透析では行いません。
回数増、または長時間ゆっくり透析をすることで除水(体から水を引く)スピードはゆっくりになります。
このため、血圧が下がるようなことはほぼなくなります。
「調子が悪ければその日はやめる」が大原則です。
また、体の水分変化が少なくなるため、降圧薬(血圧の薬)はほとんどの方が不要になります。
心臓の機能にもいい影響があるとの報告もあります。
Q9:抜針事故はありますか?
複数の施設に聞いたところ、今まで1例も経験がないとのことでしたが、可能性は考えられ、意識と注意が大切です。
特に夜間透析では寝てしまうので注意が必要です。
介助者に側に寝てもらう、厳重なテーピング、シーネ(腕を保護する囲い)の使用、漏血シートの用意など、複数の予防をおすすめしています。
Q10:介助者の同意がなくてもできますか?
「自分の体は自分で守る」が基本ですが、なにかの緊急の際に手助けをしてくれる人は必須です。
よって、介助者が治療に理解を示していただくことが大切です。また、治療中は介助者が警報音の聞こえる同じ住居内にいることが必要になります。
Q11:熱、腹痛などで困った時、どうしたらいいのですか?
何より大切なのは、体調の悪いときに無理に透析をしないことです。
それ以外は今までの施設での透析と同じように、必要に応じて透析施設に相談・受診するなどしてください。
Q12:介助者を雇う形態は可能ですか?
原則おすすめしません。
透析施設によっては、安全な医療行為・透析施設との信頼関係の観点から、介助者が血縁関係にあること、および、介助者が患者さんと同居していることを示す書類等の提示を求められることもあります。
Q13:地震など災害時は安全ですか?
場合によりますが、施設透析のみより安全と考えます。
理由は以下の3つです。
(1)自宅と施設の2ヶ所で透析が可能。
(2)交通手段が寸断されても自宅で対応可能で長時間透析も可能。
(3)自分で透析が施行できるという知識と技術を持っている。
災害に対して、少なくとも施設透析のみよりは安全性が確保されていると考えられます。
Q14:月1回透析施設に通院するのはなぜですか?
普段在宅で透析されている方の全身の状況、シャントの状況、透析の手技の確認が必要です。
あわせて採血・レントゲンなどを行い、透析療法の評価やドライウェイト設定等を相談します。
かかりつけ医・技士・看護師などと話す中で、家での透析状況を再検討し、よりよい透析を模索してみてください。
Q15:自宅から、在宅透析を行っている施設が遠い場合はどうすればいいですか?
配送および技士の訪問の都合などは透析施設によって異なり、対応できるエリアもそれぞれです。一度、最寄りの透析施設に相談してみましょう。
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東京ネクスト内科・透析クリニック
「しっかり食べて」「適度な運動」「充分な透析」
当クリニックは、一人一人の健康状態、ライフスタイルに合わせた透析を提供することで、みなさまの生活をより元気で、より豊かにできると考えています。
透析に合わせる生活スタイルではなく、生活スタイルに合わせた透析(オーバーナイト透析、在宅透析)が安心してできるよう、スタッフ一同、お手伝いしたいと考えています。
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