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基礎知識

心と生活を支える
身体障害者手帳、(重度)障害者医療費助成制度、
自立支援医療(更生医療)制度

2013.4.1

文:じんラボスタッフ

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身体障害者手帳

身体障害者手帳とは、身体障害者であることを証明するもので、交付を受けると、障害の種別・等級に応じて国、都道府県、市町村によるさまざまな福祉サービスを利用できます。
腎臓機能障害は身体障害の一つとして認められており、腎臓機能が一定のレベルまで低下し回復が見込めない場合、透析治療の有無に限らず、交付申請が可能です。 透析治療を導入すればたいていの方は身体障害者手帳(1級)に該当します。 また、腎臓を移植したあとでも、免疫抑制薬などを飲んでいれば身体障害者手帳の対象になります。

しかし、透析を導入したら自動的に手帳が送られてくるわけではありません。本人の住民票がある市町村の福祉担当窓口に申請をし、手帳を発行してもらう必要があります。 申請の仕方については、医療ソーシャルワーカーや市町村の福祉担当窓口に相談しましょう。


手続き

指定医(※)の診断を受け、身体障害者診断書・意見書を作成してもらう。

本人の住民票がある市町村の福祉担当窓口に申請する。

申請に必要なもの

  • 身体障害者手帳申請書
  • 指定医の診断書・意見書(①)
  • 写真1枚(上半身、タテ4cm×ヨコ3cm)
  • 印鑑

申請後1〜2ヶ月で手帳が交付される。

※指定医とは・・・身体障害者福祉法第15条により、都道府県知事が障害ごとに定めた医師のこと。


交付により利用できるおもな福祉サービス

身体障害者手帳を提示することによって、次のような福祉サービスを利用することができます。

  • 特別障害者手当や特別児童扶養手当の受取り(ただし各手当に条件あり)
  • 交通機関(タクシー、鉄道、バス、飛行機、有料道路など)の料金割引
  • 駐車禁止区域での駐車許可証の発行
  • 携帯電話の基本料金や通話料金の割引
  • 日常生活用具の給付・貸与(車いす、腹膜透析用の透析液加温器等)
  • 都道府県立施設や美術館・動物園などの公共施設の入場料の割引
  • 福祉定期預貯金の利用、など

また次のような税の減免も利用できます。

  • 所得税の控除
  • 相続税の控除
  • 預貯金・国公債の非課税
  • 住民税の控除
  • 自動車(軽も含む)税や自動車取得税の免除・減免、など

※上記福祉サービスは、身体障害者等級・種別・所得・居住地の福祉制度により若干異なる部分があります。詳しくは市町村の福祉担当窓口へ問い合わせ・確認をしましょう。


(重度)障害者医療費助成制度

重度障害者(身体障害者手帳保持者)に対し、医療機関にかかることで発生する医療費の自己負担分が助成される福祉制度です。全国一律ではなく、都道府県が独自で実施しています。そのため都道府県によって名称が異なり、さまざまな条件があります。また、県外の医療機関を受診した場合は利用できません。しかし多くの都道府県では、支払った医療費の領収書をもって手続きをすると、後日還付されます。

東京都の場合、「心身障害者医療費助成制度(通称:マル障)」といい、身体障害者手帳1級取得者(透析患者さん等)には、「マル障受給者証」が交付され、これを医療機関に提示すると医療保険の対象となる医療費、薬剤費等が、自己負担分から一部負担(1割負担・入院時の食事負担等)を差し引いて助成されます。

助成内容は居住地の福祉制度により大きく異なります。詳しくは市町村の福祉担当窓口へ問い合わせ・確認をしましょう。


手続き

本人の住民票がある市町村の担当窓口へ申請する。

申請に必要なもの

  • 交付申請書
  • 身体障害者手帳等、障害の程度を証明できるもの
  • 健康保険被保険者証
  • 印鑑 など

受給資格を満たしていれば、受給者証が交付される。

「健康保険被保険者証」「特定疾病療養受療証」等と一緒に医療機関窓口へ提示すると、医療費が助成される。ただし、助成内容は居住地の福祉制度により大きく異なる。


自立支援医療(更生医療)制度

身体障害者の自立と社会経済活動への参加促進を図るため、その障害を治すために必要な医療にかかる医療費を助成する制度です。そのため、身体障害者福祉法に基づき障害があること(18歳以上は身体障害者手帳を所持していること)が前提となります。実施主体は市町村です。
またこの制度は、指定自立支援医療機関のみの利用となり、かつ対象疾患の適応範囲が狭いため「障害者医療費助成制度」と併用して利用することが多くなります。

腎臓機能障害により身体障害者手帳を所持している人の場合、腎臓移植とその後の免疫抑制療法などが該当します。

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参考

  • 黒木信之(編集・執筆)(2011)『患者さんにそのまま見せる!医療福祉相談の本 11年度版—診療科別』日総研出版

参考サイト

 
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