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慢性腎臓病(CKD)の検査ガイド ― 腎臓から全身のチェックポイントを整理
2026.6.29
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慢性腎臓病(CKD)は、腎臓だけでなく全身の血管や代謝、さまざまな臓器に影響を及ぼす病気です。そのため、腎臓そのものの数値だけでなく、心臓・血管・血糖・骨・栄養状態・足など、全身の状態を継続的に確認していくことが大切です。
なお、以下に挙げる検査は「全員がすべて行うもの」ではありません。一人ひとりの状態に合わせて、必要な検査を組み合わせて実施します。
- ※これらの検査の多くは、日本腎臓学会の「CKD診療ガイド2024」において、腎臓の機能の評価や合併症管理として推奨されています。眼科や歯科などのチェックは、他のガイドラインなどを踏まえて追加しました。
腎臓
腎臓の状態を知る
CKDの進行度や変化を確認する、基本となる検査です。
- eGFR・クレアチニン
- 尿検査(蛋白・アルブミン)
心臓・血管
命に関わる合併症を防ぐ
腎臓の病気は、血管の病気として考えることも大切です。CKDでは、動脈硬化や心筋梗塞・心不全・脳卒中など、心血管系のリスクにも注意が必要です。
- 血圧(家庭血圧を含む)
- 心電図・心エコー
- BNP / NT-proBNP(心不全の目安となる検査)
糖尿病・代謝
CKDの背景や進行に関わる
糖尿病や脂質異常症は、CKDの発症や進行、動脈硬化とも深く関わっています。血糖や脂質の状態を継続的に確認し、全身の血管を守ることが大切です。
- HbA1c(血糖状態の目安)
- 血糖値
- LDLコレステロール・中性脂肪などの脂質検査
貧血
だるさや息切れを防ぐ
腎臓の働きが低下すると、赤血球を作る働きも弱くなり、腎性貧血が起こることがあります。疲れやすさや息切れ、心臓への負担にも関わります。
- ヘモグロビン(Hb)
- フェリチン・TSAT(鉄の状態)
眼科
血管の変化は目にも現れる
糖尿病や高血圧がある場合は、目の細い血管の変化も見守る必要があります。
- 眼底検査
- 視力・網膜のチェック
口腔・歯科
炎症や感染源を減らす
CKDが進行するほど口の中のトラブルが増えやすく、歯周病などの慢性的な炎症は、全身状態にも関わります。
- 歯周病のチェック
- 定期的な歯科検診
骨
骨折や動脈硬化を防ぐ
腎臓は体全体のミネラルのバランスを保っています。CKDではカルシウムやリンのバランスが崩れやすくなります。
- リン、カルシウム、PTH(血液検査)
- 骨密度
- 必要に応じて、ALPなどの骨代謝に関わる検査
栄養・筋肉
体力とQOL(生活の質)を守る
低栄養や筋力低下にも注意が必要です。たんぱく質制限がある場合は、十分なエネルギーの摂取が必要になります。
- 体重の変化、BMI
- アルブミン(栄養状態の目安)
- 筋力、身体機能
- 便通(便秘の有無)
足・皮膚
傷や血流障害を見逃さないために
糖尿病や動脈硬化がある場合は、足の小さな傷にも注意が必要です。
- 足の定期観察
- ABIなどの血流チェック
感染症予防
感染や重症化を防ぐために
CKDがある場合、さまざまな感染症にかかりやすく、かつ重症化しやすいと言われています。
- インフルエンザワクチン
- 肺炎球菌ワクチン
- 新型コロナワクチン
- 必要に応じて、その他帯状疱疹ワクチンなど
あなたの状態に合わせて必要なものをきちんと確認し続けることは、CKDとうまく向き合うための大切な手がかりとなります。気になることは、主治医に相談してみましょう。
検査の数値は、食事や体調によって日々変動するものです。1回の結果に一喜一憂せず、長い目で傾向を見ていきましょう。数値はあくまであなたの状態を知るための手がかりです。大切なのは、その手がかりをもとに主治医をはじめとする医療者と一緒に考え、納得のいく選択肢を選ぶことです。

参考
- 一般社団法人 日本腎臓学会『CKD診療ガイド2024』(2026/5アクセス)
- KDIGO Clinical Practice Guideline for CKD (2026/5アクセス)
- 日本循環器学会 / 日本心不全学会合同ガイドライン『2025年改訂版 心不全診療ガイドライン』(2026/5アクセス)
- 一般社団法人日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン 2024』 (2026/5アクセス)
- 三上理沙子/荒川真一「慢性腎臓病と歯周病の関わり」日本歯周病学会会誌 64(4):136-141, 2022. DOI:10.2329/perio.64.136(2026/5アクセス)
- 一般社団法人 日本透析医学会『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン(2025年改訂版)』透析会誌 2026; 59 (5): 127-224(2026/5アクセス)
- 日本腎臓リハビリテーション学会 (編集)『腎臓リハビリテーション診療ガイドライン(改訂第2版)』南江堂 2026/4/15




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