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マイナ保険証への対応Q&A(2024年8月現在)
2024.8.19
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現行の健康保険証は今年2024年12月2日に廃止予定です。つまり、新規に健康保険証(以下 紙の保険証)は発行されません。
発行済みの健康保険証は従来どおり使えるように経過措置はありますが、現在マイナンバーカードを健康保険証として利用登録(以下 マイナ保険証)していない方はどうすれば良いのかをQ&A形式でまとめました。
マイナンバーカードを持っていない方
Q1:有効期限がまだ切れていない紙の保険証は使えなくなるんですか?
既に発行された紙の保険証は2024年12月2日の時点で有効期限内であれば、有効期限まで(最長1年間)は引き続き使用できます。
75歳以上の後期高齢者向けの紙の保険証は、2024年8月〜12月1日までに交付されたものは住所などに変更がない限り、2025年7月31日までこれまで通り使えます。
Q2:マイナンバーカードを取得して利用登録をしないと医療を受けられなくなるんですか?
以下の3つが健康保険証としてしばらく使えます。いずれかで保険診療が受けられます。
- Q1の通り、発行済の紙の保険証は有効期限まで使えます。
- マイナ保険証
- マイナ保険証を持っていない人に交付される「資格確認書」
Q3:紙の保険証の有効期限が切れたらマイナ保険証を取得しないとダメですか?
マイナ保険証を持っていない人には、2024年12月2日以降に保険証として使える「資格確認書」が交付されます。
政府は「当分の間」は申請なしで資格確認書を自動的に交付するとしています。
資格確認書は、ほぼ現行の紙の保険証と同じです。
Q4:資格確認書の有効期限は?
最大で5年間とされています。2024年12月2日以降に交付する資格確認書の有効期限は、一律で2029年11月30日までです。
Q5:マイナンバーカードを取得して保険証として使うための手続きは?
順番は以下の通りです。
- まずはマイナンバーカードを取得します。基本的に市区町村窓口での申請・交付ですが、出向くのが困難な方に対応したしくみもあります。
- マイナンバーカードを受け取ったら、健康保険証としての利用登録を、医療施設で、スマートフォンで、セブン銀行ATMなどで申し込みます。
- 受診前に、マイナポータルで登録状況を確認します。
詳しくは、厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用方法」をご確認ください。
注1)マイナ保険証を医療施設で使うときは、暗証番号の入力が必要です。暗証番号を覚えられないなどの方向けに、暗証番号の設定が不要な「顔認証マイナンバーカード」というものがあります。顔認証マイナンバーカードに保険証以外の用途はありません。
▶マイナンバーカード総合サイト「顔認証マイナンバーカードについて」
注2)マイナンバーカードは申請に基づき交付されるものであり、取得は任意です。
マイナンバーカードを持っている方
マイナ保険証を利用するには
交付されたマイナンバーカードを健康保険証として使うための登録が必要です。
- 医療機関や薬局で、顔認証付きカードリーダーからの申請
- スマートフォンで、マイナポータルからの申請
- セブン銀行ATMからの申請
詳しくは、厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用方法」をご確認ください。
注)マイナ保険証を医療施設で使うときは、暗証番号の入力が必要です。暗証番号を覚えられないなどの方向けに、暗証番号の設定が不要な「顔認証マイナンバーカード」というものがあります。顔認証マイナンバーカードに保険証以外の用途はありません。
▶マイナンバーカード総合サイト「顔認証マイナンバーカードについて」
「資格確認書」を用いて医療機関等を受診することも可能です
マイナ保険証を使いたくない場合は、有効期限内の紙の保険証が期限まで使えます。紙の保険証の期限が切れたら、保険証として使える「資格確認書」が自動で交付されます。
最後に:マイナ保険証の問題点
現場の過大な負担増などから、全国の開業医からは健康保険証の存続を求める声が上がっています。
また、マイナンバーカードは任意取得のはずなのに事実上義務・強制となる点、セキュリティ面の脆弱性、プライバシー侵害の危険性など、さまざな理由から各都道府県の弁護士会などからも政府方針に反対する声明が出されています。
今年(2024年)の前半期の歯科医院の倒産は過去最多を記録しました。マイナ保険証を使う際のオンライン資格確認に対応するための、設備の更新経費の負担が倒産増大の一因とも言われています。
歯科医院に限らず、患者が少ない地方を中心に設備投資の負担増から閉院する医療機関が増えており、地域医療の弱体化が進んでいます。政府が掲げる医療DX※の「保健医療の向上」と矛盾する状況が生まれています。
※保健・医療・介護の各段階をデジタル技術で最適化することで、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えること。
「『保健医療の向上』の矛盾」に関してはこちらも御覧ください。
「透析医療を受ける権利」を守るために【1】東栄医療センターの人工透析室の継続問題
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参考
- 地方公共団体システム機構 マイナンバーカード総合サイト (2024/8 アクセス)
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」 (2024/8 アクセス)
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