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【第9話】透析ってなぁに? 私は、どうなるの? その2
2015.8.17
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【2014.08.12 掲載】
「貴方とずっと続けていく自信がないの」とオルカは、KEIさんに静かに言い放ちました。
でも心の中では支えを求めて、すがりつきたい気持ちだったんだと思います。KEIさんの方から「別れたくない」と言ってもらい安心感を得られればと自分に都合の良い答えを待っていましたが、KEIさんは、うつむいたまましばらく沈黙の後、大きな身体に合わない小さな声で「わかったよ」と言いました。
しばし重ぉ〜い空気が流れ帰ろうとした(この時は別居婚でした)KEIさんの後ろ姿が切なくて、胸が張り裂けそうになりました。
「今、この人を失ってはいけない!! 」という私の心の内側からの強いメッセージを感じて、後ろ姿にもたれて、「ごめんなさい。ごめんなさい。本当は別れたくない」と言いました。
今思うとブンブンKEIさんの気持ちを振り回して申し訳なかったなぁと思いますが、その時のオルカは、こんな子供の産めない女なんて…、その上これからどうなるのかもわからない病気の私と一緒にいてもらっていいのだろうかというお荷物になりたくない気持ちと、捨てられるんじゃないかという不安で惨めな気持ちが絡み合って、うつ状態だったんだと思います。
オルカはこの時決意しました。
今後私から別れを切り出す事はないけれどKEIさんが別れたいと言った時は、何があっても、KEIさんが浮気しても、ごねたりすがりつくのはやめてちゃんと送り出してあげようと。
すったもんだの末(私の心の中だけですが(笑))に夫婦の危機を脱し、2人は病気によって深い信頼関係が生まれたように思います。
このままKEIさんが「通い夫」でいるのも大変だし、いつまでも別居は不安定なので、どこかに引っ越そうとなりマンション探しに出かけ、借りるつもりが分譲マンションをほとんど衝動買いで買ってしまいました。
ようやく新婚生活だな〜と思ったのも束の間で病気はみるみる進行していました(^^:)
起き上がって何かしようと思うけれどフラフラして起き上がれず、寝ていても誰かに首を絞められているような息苦しさを感じていました。あの頃は毎晩「明日は目覚めないんじゃないかな〜」という不安感と「明日は少しは良くなって治るんじゃないか」という願望が交差しながら眠りにつくのでした。
一向に体調が良くなる気配を感じられず、寝たきりでなぁ〜んにもできないので、次の外来を待たずに病院へ行ったら40歳過ぎで透析になると聞いていたのに退院からわずか半年で透析導入となってしまいました。
一度透析になったら一生離脱できないと聞いていたので、体力が少しあるうちだったら抵抗したんだと思いますがこの時期は尿毒症で生きている実感もなく抵抗する気力すらなかったので、その日のうちにみなとみらいの病院から川崎の病院へ移動して、緊急で脚の付け根の動脈よりとうとう血液透析の始まり始まり〜…。
さぁ、どんな施術が私を待っているのでしょうか?
つづく…。
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