4つのステージ〜笑顔と涙と闘いと〜腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
【第1話】暗闇の下り階段
2013.5.7
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「次からは腎臓の専門の先生に診てもらったほうがいいと思います。この先、週3回もこちらまで通うのは大変でしょうからお近くの先生を紹介しますので。」
私の思いとは裏腹に、主治医はもう透析を視野に入れていました。
この言葉を聞いてからもう15年近く経つような気がします。蛋白尿を指摘され、食事指導を勧められたのに受け入れずに過ごしていたつけがとうとう来てしまった…私は見捨てられたんだ、という寂しさをひしひしと感じながら、通いなれた病院を後にしました。
腎機能が悪くなって透析になることはⅠ型糖尿病の私にとってダブルの衝撃でした。ひとつは透析になること、それ自体の強烈な絶望的なショック。もうひとつは糖尿病患者としてのこれ以上ない敗北感…コントロールが良好な人はたくさんいるのに「自分のせいで」こんなことになって「しまった」最大級の自己嫌悪。
「あの時、先生の言うとおりにしていたら…」「あの時、血糖値や食事にもっと気を使っていれば…」こうなってからでは遅すぎる、たらればの後悔ばかりが頭の中をぐるぐるしていました。
体調はどんどん悪くなっていき、朝起きて鏡の中にいるのは浮腫みきった別人の自分。夜になれば自分の脚は象のよう。起きていても横になっても息が苦しくてたまらない。どこまで地獄への階段は続くのか、夢も希望もない日々の繰り返し。
診察室で笑った記憶はなく、必ず涙で顔がくしゃくしゃ。
そんな日がどれくらい続いたのか、覚えていません。そしてある日の診察で先生はこう言いました。
「これまでよく頑張って来られましたね。」いたわりの言葉にただ涙、涙、涙…とうとう、透析を導入することになったのです。
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