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【第3話】旅に出よう
2017.6.29
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みなさんこんにちは。
今回から旅行透析、特に国内についてお話したいと思います。
みなさんはどのくらい旅行透析を経験されているでしょうか。
もともと旅行好きという方もいらっしゃれば、仕事で仕方なくという方もいらっしゃるかと思います。対して、一度も出たことが無い、行けるのか不安という方も多いことでしょう。
今回は、まだ一度も経験が無い方のために「旅行透析に行ってみませんか?」という想いで筆をとりました。もちろん、その前に主治医にOKをもらう必要はありますが…。
今はそれほどでもありませんが、以前私は出張が多く、北は北海道の札幌市から、南は沖縄の那覇市まで透析をしながら旅をしました。
透析をしながらの旅行というと、皆さんがよく目にするのは大手の旅行会社等が広告している旅行透析かと思います。いわゆるパック旅行ですね。
添乗員さんと看護師さんがついて、病院や旅行の手配をしてくれるタイプの旅行透析となります。全て旅行会社が手配してくれるので安心ですね。
でもどうでしょう? 決められた場所、決められたコース、決められた時間。
「ああ、あそこをもっと楽しみたかった…」などという声も聞こえてきそうですね。
そこで、私がぜひともお勧めしたいのは個人旅行透析です。
自分で旅行を計画し、施設を予約する旅です。そのためパック旅行のような制約がありません。自分の趣味、興味によって行きたいところに行け、見たいものを見ることができる楽しみがあります。
さらに、個人旅行のいいところは自分で予約して施設に行き、透析して帰ってくるので、行った先の方々とふれあい、文化、言葉を体験することができる点です。
それはもうプライスレスな体験ができます。
その代り、全部自分で手配するので不安がありますよね。
では、ハードルになることはなんでしょうか。
このあたりが不安要素かと思いますので、ひとつひとつ、私がやってきた方法をご説明します。
1. 透析施設の選択
行く場所も決まり、行きたい日も決まりました。さあ、透析施設を予約するためにまず施設探しです。
ここで普段通っている病院にお願いするという選択もありますが、あまりお勧めしません。スタッフの方も忙しいですし、行き先について詳しくない場合は行ってから大変な思いをすることもあります。その点自分で予約すれば、好みの場所、好みの時間で予約できます。
施設を探す方法は2つあります。
- 病院にある「透析施設リスト」を参考にする
- ネットで検索する
いきなりネット検索でもいいのですが、私がお勧めするのは併用タイプです。
まず今通っている施設に透析施設リストのコピーを依頼しましょう。各病院には全腎協が作った透析病院リストが置いてあることが多いです。行きたい場所、行きたい都市のところをコピーしてもらいます。
コピーをもらったら、そこに書いてあるベッド数、教育施設かどうかをチェックします。
まずはベッド数です。
透析はベッド数で受け入れ可能な人数が決まりますので、ベッド数が多いほうが空きある可能性が高くなります。
次に、教育施設であるほうが規模も大きく、受け入れてくれる可能性が高くなります(これはスタッフの方に確認済みです)。
やみくもにネットで調べるよりも、まずリストを見た方が希望の施設を見つけられる可能性が高くなるような気がします。
次に病院の住所を確認します。
もしスマートフォンやパソコンがあれば、住所を入れて地図を出しましょう。その場所は駅のそばですか? 大きな道のそばですか?
旅行透析では施設までのアクセス、特に帰りの交通手段が重要になります。この確認を怠ると往復タクシー通院となり、結構な金額がかかることもあります。タクシーを呼ぶにしても、アクセスがいい場所ならすぐ来てくれるでしょうが、悪い場所だとだいぶ待つことになります。
実際私は四国のM市で、行きはバスがあるものの、帰りは辺りが真っ暗で何も無い、という経験をしたことがあります。都市部(南九州の大都市)ですら、夜間透析終了後には電車やバスが動いていないということもありました。
逆に、病院の場所からホテルを選択することも個人旅行では可能です。
大阪や名古屋では施設から徒歩圏内で宿泊することもあります。徒歩は近すぎですが、病院から近いところに宿泊すると楽ですよね。さすがに終わってからの移動が長いと体にこたえるのでなるべく近くを選びたいものです。
2. 透析の予約の仕方
所在地の確認も終わり、行けそうな施設の候補が数か所に絞れたことかと思います。
では次に実際の予約に移ります。リストやホームページに電話番号が書いてありますね。この番号に電話して予約をすることになります。最近はメールもありますが、基本は電話予約がいいと思います。
行きたい日、時間帯(日中、昼間、夜)、透析時間を伝えます。大体どの施設も技士長さん、師長さんがOKしてくれれば予約完了です。
もし空きがなければ断られますので、日程や時間帯をずらすか、次の施設へ電話となります。皆さん忙しいのでぶっきらぼうだったり、愛想がなかったりする施設もあります。その態度で施設の判定ができるかもしれません。嫌だと感じた場合には他の病院を探せばいいのです。
無事、予約ができました。
その後は持ってくるものなどを伝えられ、施設から透析条件のFAXを最悪でも1週間前までに送ってもらうようにと言われます。
あとは、予約したことを通院している透析施設に伝えます。
条件のFAXのお願いや、旅行中の透析食のキャンセルをしてもらってください。
スタッフさんに言って終わりではなく「1週間前に確認する」、これも忘れずにやってください。スタッフさんの中には忙しさで連絡を忘れる方が意外といらっしゃいます。
私自身、出張に行く直前に「今日FAXしといたから」と言われたことや、旅行透析先の病院から「FAX来てないんですけど」と確認が来たことがあります。
最悪だったのは、施設に行ったら「FAX? まだ届いていないよ」と言われたことです。幸いその病院は何度か利用していたため、前の条件で用意していてくれたので助かりました。そんなこともありますので要注意ですね。
3.透析中に何かあったらどうするか?
最後に透析中に何か起こった場合の対処法です。
これは病院へのFAXないしは、前3回までの透析記録と一緒に施設から相手施設へ申し送りされることが多いかと思います。血圧降下時は何、足つりは何といった具合です。
ご自身でも普段から、どのような処置をされているか関心を持っておくとその場で役に立ちます。
さらに、針は何ゲージですか? ダイヤライザーの種類は? 血流は?
もちろん申し送りされていますが、基本的な透析条件については聞いておくなり関心を持っておくといいでしょう。
追加で、透析終了後の体調変化も心配ですね。旅先で何か起こったらどうしよう…。
この場合、行く前に予約時の電話番号を携帯やスマートフォンに登録していきましょう。何か起きた、どうにも対処できない場合はその透析病院に行くのが最善です。
これで施設の予約は完了です。 合わせて、飛行機や新幹線の予約、ホテルの予約などをなさってください。 これらも今ならネット予約で、クリックポンで完了です。 どうですか? 簡単ですよね。国内だったら、意外に簡単に行けちゃいます。
次回は、実際に行ったとき、透析費用はどうするか? 旅行先へ行ってからの手続きや、どんな施設があるかについてお話したいと思います。
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