生活の“可能性”を広げよう腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
【第9話】海外旅行透析 その5 (台湾編)
2018.6.25
緑の文字の用語をクリックすると用語解説ページに移動するよ。
じんラボ をフォローして最新情報をチェック!
海外旅行透析の体験談の最後は、台湾(台北)のお話をしたいと思います。
台湾へは、成田や羽田からであれば3時間程度で台北の桃園空港か松山空港に着きます。九州が2時間、沖縄が2時間半ですからほぼ国内線感覚の海外となります。
台湾(台北)には仕事とプライベート、それぞれ1回ずつ訪れました。1回目は成田から桃園空港、次は羽田から松山空港の便を利用しました。
台湾はあまり英語が通じません
病院の手配と往復の航空券、ホテルなどは大阪旅行さんにお願いして手配してもらいました。というのも、台湾は日本と一緒であまり英語が通じません。地下鉄にも「英語を勉強しよう!」というスローガンがあるぐらいです。TOEIC(Test of English for International Communication:国際コミュニケーション英語能力テスト)では日本と共にアジア内でも低いレベルだそうです。
タクシー、病院なども英語ではダメで、中国語でないとコミュニケーションが取れないことがあります。
初回は1人で行ったのですが、まったく英語も日本語も通じず結構苦労しました。漢字は共通だったので、最後は筆談で何とか…。
下手をすると日本語のほうが通じる、とても親日的な方が多い国です。またビジネスでも交流が盛んで、それで日本語を覚えたという方が多数いらっしゃいます。
日本にいるかのような錯覚も
さらにテレビも日本で放送されていたものを吹き替えて放送しています。行った時にはちょうど情報番組「ZIP!」のMOCO'Sキッチンの放送開始が宣伝されていました。
本屋さんの店先には、近藤麻理恵(こんまり)さんの「人生がときめく片づけの魔法」が山積みになっていたり、街には吉野家、山崎パン、ファミリーマートなどおなじみのお店も多数あります。一瞬外国に来ていることを忘れるぐらいです。
国内移動や街歩きの情報としては、交通ICカード(Suicaのようなカード)を使うのがおすすめです。「悠遊カード(EasyCard)」がコンビニや空港でゲットできますので、まずは手に入れてください。日本同様これが1枚あればバス、地下鉄、コンビニ等で使えますので支払いが楽になります。
美食の国、台湾
台湾では食べ過ぎに注意ですね。美食の国というだけあり、胡椒餅などの夜市グルメ、鼎泰豊などの小龍包もあり、美味しいものだらけです。
と、脅してしまいましたが、多少食べ過ぎてもさすが南国。汗が出るので、無問題(もーまんたい)なんです。
5月でも、もはや日本の真夏です。痛いぐらいに強い日差しに蒸し暑さ。これぞ南国って感じです。
さらに観光名所。台北近郊には夕日の美しい淡水、九份などもあります。こちらはしっとりした趣のあるいい場所です。もちろん市内にも台湾101、猫空など楽しめる場所が結構あります。
パイナップルケーキは成分を見よ
買い物では、夜市もいいですが市内のスーパーやショッピングセンターも日本との違いを感じられて面白いですよ。お土産の定番パイナップルケーキも、スーパーで買うと選り取り見取りでお安いです。
さらに地元情報によると「裏の成分を見ろ!」だそうです。パイナップルといいながら、主成分に入っていない安物があるそうで「本物を買うと美味い!」と教えられました。
透析施設は日本とほとんど変わらない
さて、病院の様子はどうでしょう。
病院にもよりますが、2回目に行った病院はほぼ日本と同じでした。ベッド式(なぜかピンクのシーツ)で、透析機もダイアライザも日本製です。普通に血流250mL/min、5時間の夜間透析をしてきました。
各ベッドにはテレビが付いています。ベッドも電動なので、自分で好きな体勢をとることができます。室温も快適で、部屋も清潔で広々しています。
ちょっと日本と違うのは以下の2点といったところでしょうか。
(1)ベッドサイドにご家族がいてもOK。ベッドも大きいですし、隣との間もスペースがあります。
(2)透析中に起き上がってはダメ(リクライニングはOK)。
食事をとろうと起き上がったら、ビックリされました。血圧低下を防ぐため、起き上がるのは禁止だそうです。皆さん、横になりながら夕飯を食べていました。
また最初にもお話ししましたが、日本語の通じる方が結構いらっしゃいます。患者さんでも、看護師さんでも。ですから全く心配いりません。私も隣の方や看護師さんとお話ししていました。さらに台湾版のフリスクまでもらったりして。ペパーミントが効いていてとてもいい味でした。
台湾はおすすめです
海外旅行を経験されるなら、台湾はとてもおすすめの場所です。一般的に海外で障害になる、言葉、距離(飛行時間)、時差がほぼありません。
物価も安く、食べ物も美味しく、治安もよく、親日の国ですので何も問題ありません。中国語を話せなくても「漢字」は共通なので、最後は漢字の筆談でOKです。是非異文化体験をしてみてください。
次回は、私の震災体験についてご紹介したいと思います。
ご意見をお寄せください