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【第10話】私の震災体験 前編
2018.8.27
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前回までは国内と海外の旅行透析のお話をしました。 このところ大きな地震が頻発しており、かつ大地震の発生も予想されています。そこで今回は、被災した時の状況と対処法を、前・後編の2回にわたりお話しします。
被災時の様子
2011年3月11日に発生した東日本大震災。 私は茨城県の南部、つくば市で被災しました。世間的には茨城県=被災地という認識はあまり無いですよね。でも、つくば市も震度6強クラスの大地震に見舞われた被災地なんです。高速道路も無料になりました。
揺れたのは午後3時頃ですので、私はまだ職場にいました。数日前から地震が頻発していたこともあり、最初は「お、今日も揺れますね!」なんて後輩と冗談を言っていたぐらいです。それからちょっとすると、周りのものが飛び始め「こりゃあ一大事」と、慌てて退避しようということになりました。職場の緊急警報も鳴り始め、呆然と立ったままの方や、泣きじゃくりちょっとパニックになる方も居ました。
数分後、1回目の揺れが収まったところで、建物からの即時避難になりました。ガス漏れ、漏電などの2次災害の危険もあるので、まずは安全確保です。職場の裏にグラウンドがあったので、そこに一時的に避難しました。それから数時間、小雪舞う寒空のもと、帰宅可能になるまで待機することになりました。
揺れが来た時の対処法
揺れが来た時の対処法として、まず第1に身を守りながら逃げ道を確保しましょう。
じんラボの記事「災害時の心得」にもありますが、透析中なら、慌てず透析終了を待ちましょう。地震では物が飛んできたり、落ちてきたりします。これを避けることだけを考えてください。
家や職場でしたら、落下物等を避けながらドアを開けましょう。ドアが歪んで出られない、といったことが意外とあります。
揺れている最中に避難することは、まともに歩けないので結構危険です。それに揺れの力は恐ろしいです、1トンぐらいの物でも軽く浮きます(実体験です)。
どんな揺れでも、数分から10分ぐらいで一旦収まります。ここで一呼吸し、それから身支度しても遅くありません。靴、上着、家なら下着類、これらをまずは確保してください。夏場だったとしても、夜になるとそこそこ冷えます。ましてや冬場の外は寒いのなんの。いずれの時期でも、しばらくは屋外にいることを前提に身支度をしたほうがよいでしょう。
電気、ガスなどはこの段階で元を締めてもOKですが、今はほとんど自動停止なのであまり気にしなくても大丈夫です。また、この時点でやりがちな部屋の片付けは、よほどで無い限り後回しにしてください。余震が来た時に怪我をする危険性もありますので、必要なものだけを確保し行動しましょう。まずは安全第一です。
透析中だったら、終了後にスタッフさんの指示で避難しましょう。いたずらにパニックになる、これが1番怖いことです。
避難先、避難経路を想定する
自宅滞在せず避難する場合は、避難場所の環境は結構重要です。避難してからの時間が結構長いんです。夏場なら暑く冬場なら寒いでしょう。ある程度移動することを考えて、身につけられる荷物は身につけたほうがいいです。
また、できるだけ両手を塞がず、使える状態にしておくことも重要です。いつもの道ですら、未知と思ったほうがいいです。ガラスや家の破片や陶器の欠片など、怪我をする危険のあるさまざまなものが散乱していることがあります。
また、揺れは1回ではありません。その後も余震が多数やってきます。特に直下型の場合、地割れの音もプラスされ、足下から「ごーっ」という地面が割れる音がやってきてから揺れることもあります。この音が一層恐怖感を増します。
震災時の街の様子
震災時、街の様子はどうでしょう。
電気は止まり、そのため信号も街灯もつきません。街の明かりはほぼ皆無です。よく「漆黒の闇」と言いますが、まさにそれです。明かりは基本的に1つも無い、月明かりだけが頼りの世界です。吸い込まれるような闇に世界は覆い尽くされます。ですから、もし避難先が留まることができる安全な場所なら、落ち着くまでその場にいたほうがよいでしょう。
震災直後でも、頑張って営業する自家発電を備えたスーパーなどもあります。そこだけが明るく、救いのスポットになります。とはいえ冷凍庫や冷蔵庫までは動いていないので、生鮮品はもはや無いものと思ったほうがいいです。
そして開いている店の多くは大行列ができます。無い物は無いで諦めるしかないのですが、冷静でいられる方ばかりではありません。
でも考えてみてください、そのスーパーを営業されている方も同じ被災者なんです。そのことに思い至る余裕すら無い方も多数いらっしゃいました。
次回は、私の震災体験 後編をお話しします。
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