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我が家の透析導入と海外透析

【第4話】「えがお」設立のきっかけ2

2014.4.24

文:ミヨシ

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新芽が次々と芽吹き、新たな季節の到来を告げています。
今回は前回に引き続き『海外透析予約代行《えがお》設立のきっかけ』のお話しします。

毎年冬になると、我が家はハワイの話が普段の3倍出てきます。
今はハワイ大好きな私ですが、実は行くまで「ハワイなんて、日本人ばかりで海外経験の少ない人が行く観光地だ」って思っていました(笑)。 その考えを180度変えたのは、「ハワイの懐の深さ」でしょうか…。

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ある日、仕事から帰ってきた主人が突然「ハワイに行こう!」と言ったので、最初は「ハワイかぁ〜」と少し消極的でした。
でも、せっかくの海外旅行♪早速ハワイの透析を探し始めました。

検索して、何カ所かの透析予約してくれる会社が見つかりました。
ユタ州では自力で病院を予約した大変さが身に染みていたので、今回は業者さんにお願いして予約をする事にしました。

2回の透析予約を入れて、5~6万円程度の予約代金を払ったと記憶しています。
「これで、安心してハワイで透析が受けられる!」と安心しきっていたのですが、10日経っても半月経っても、連絡がありません。
不安になって業者さんに電話を入れると、「今確認中です」と言うので、素直に待ち続け更に2週間ほど待ちました。
主人が「絶対オカシイ!騙されたに違いない!!」と言い始めたので、依頼した業者さんへ赴きました。
東京の山手線の駅から3分ほど歩いた雑居ビルの中にそのオフィスがありました。
アポなしの突然の訪問に社内の人がビビっていたのを尻目に見ながら、担当の30代後半とおぼしき120kgくらいある巨漢の男性は大汗をかきながら、説明してくれました。「えー、1回目の施設は決まっているのですが、2回目の施設が未定で…」と歯切れの悪い回答。
すかさず、主人が「その状況をなぜ報告してくれないのですか?!こちらは、どうなるか全く分からないんですよ」と。
担当者と今後は逐一連絡をくれると言う事で決着しました。
その後、渡航1カ月を切り、病院で検査をしてもらい、業者に送付しました。

「これで、明日からハワイ旅行が出来るぞ〜♪」とワクワクしながら、主人がフライト前日に最後の透析へ行きました。すると自宅にいる私に業者から電話が入りました。
内容を聞くと「提出するべき検査書類が1つ足りない」との事でした。
「これ、今日中に提出しないとハワイに行けない!!」
と思って、すぐに病院へ電話をして、担当看護師さんに検査書類を血液ラボから取り寄せてもらいました。

なぜ直前になったかと言うと、肝炎データ「抗原」と「抗体」の両方必要なのをどちらか1つと勘違いしていたようでした。
もし、病院側が片方しか検査していなかったらどうなっていたかと、今考えてもヒヤっとします。

書類をギリギリに提出して、無事にハワイへ到着しました。
大抵の便が早朝のハワイに到着するため、ホテルへのチェックインまで何時間かかかる事があります。
ホテルのロビーでボーっとしていると、いくらか早く客室に案内されました。
部屋に着いて、最初に予約業者のハワイ駐在員へ連絡を入れました。

翌日の早朝に駐在員さんがホテルまでお迎えに来てくれ、透析の施設へ向いました。
(予約金の中には、この送迎代金も含まれていました)

透析の処置室は、衛生面に非常に気を遣っていて患者以外の人は必要時以外、入室できないので、駐在員さんと待合室に居ました。30分ほどして、施設の日本人スタッフさんの「開始しましたよ」と言う声を聞くと、駐在員さんは「終了時にお迎えに来ます。」と言って帰って行きました。

駐在員さんが帰り、待合室で暇そうにしている私を見つけて、日本人スタッフさんが話しかけてくれました。
「ずっと待ってるの疲れるから、近くのスーパーを見に行ってみたら?」と教えてくれました。

見た事無い青いケーキとか、調理法が分からないアーティチョークとか売っていて、予想以上に面白かったです(笑)。
買ったものは、Ray'sのポテトチップスとクリスタルガイザー1ガロン、甘過ぎそうなチョコレート。

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こんなものも売っていました。

キッコーマンのお醤油!でも、残念ながら減塩醤油は見つけられませんでした。

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スーパーの中にあるスターバックスで温かいラテを買って戻りました(ハワイは建物全体で冷房が強いですが、透析施設も例外なく寒いです。主人は、いつもバスタオル2枚に靴下姿で受けています)。

戻ってくると、日本人スタッフさんが「いっぱい買ってきたね〜」と話しかけてくれたので、少しずつ仲良くなりました。
聞くと、頼んだ業者さんは透析日直前になって「予約が入れられるか」と言ってきたそうです。「あの業者さんはいつもそうなの」とスタッフさんが言い、業者さんのアバウトさに驚いてしまいました。
そして、次回から自分で予約を入れようと住所と電話番号を控えていきました。

無事に透析を終え、ハワイ島まで行って観光を楽しみました。

ハワイ島のホテルで夕暮れ時のひととき。

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ハワイ島でイルカと一緒に泳げるアクティビティに参加。

海の中からボートに触れるくらい近くまで沢山のイルカが来てくれて感激!

その他の写真は、透析予約代行《えがお》のページ外部サイトへに掲載中です♪

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2回目のハワイ旅行では、直接自分でクリニックに予約を入れて、ホテルからタクシーで透析に向かいました。

主人がホテルからビーチに日焼けに向かうまでの道で唐突に「透析の予約、何であんなに高いのかな??」と言いました。
私は「きっと、通信費と現地駐在員さんの人件費や送迎のガソリン代がかかるからじゃないかな?」と答えると、「それなら、自分で行って自分で帰るならもっと安く出来るんじゃない?」と言うので、調べてみました。
すると、旅行代理店が透析の予約代行を併用して受け付けているため、自社で旅行予約を入れてくれた方に限り、1回1万円というのが、当時の最安値でした。

「それなら、透析を受けている自分自身が、経験を基に安く予約してあげる事が出来るんじゃない?」と言ったのがきっかけで、海外透析《えがお》を開業しました。

もちろん、様々な調査をしたり、知識のある方から情報を頂いたりと準備期間はありました。
特に自分が使命感を強くしたのは、これからは格安航空券(LCC)の時代なのに、残念な事に透析のツアーは安くなる気配がないのです…。

「健康なら格安で旅行が出来るのに」とか「透析をしていなければスケジュールで悩む事がないのに」と考えてしまうのは、とても辛い事だと思います。
透析を受けていても健康な人と同じくらい活動的に、楽しく人生を楽しまなければならないと思っています。

自分たちも旅行の際の透析予約に非常に苦労したからこそ、スケジュール調整の大変さや金額的な負担、精神的な不安も分かります。
だからこそ、少しでも海外に行って透析をしようとしている人の負担が減らせればいいなぁーと考えています。
これからも、少しでもお役に立てるべく続けていきたいと思います。

次回は『海外透析予約代行《えがお》の特徴』についてお話しさせていただきます。

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ミヨシ

ミヨシ
埼玉県在住。1974年生まれの主人が2007年6月8日に血液透析を導入しました。快適な毎日が送れるように試行錯誤の日々です。
外国へ渡航する際に不安で苦労した実体験を基に透析が必要な方とご家族のお手伝いができればと《海外透析予約代行「えがお」》を2009年に立ち上げました。

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