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知っトク? こんな事〜患者・家族のお役立ち情報【第34回】
透析患者と家族の災害への備え
〜平成30年7月豪雨の経験から【前編】
2018.9.3
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今年7月の西日本を中心に降り続いた記録的な大雨「平成30年7月豪雨」で、中国・四国地方はたいへん大きな被害を受けました。全国の皆様や自衛隊等のさまざまな組織・団体の献身的なご支援に、被災地域に住むひとりとして助けられました。本当にありがとうございます。
今回の災害で、反省点や新しい対応策等さまざまな学びがありました。この教訓をもとに、前・後編で透析患者と家族の災害への備えをご紹介します。
私の事前準備と災害用備蓄品の置き場所
平常時の避難用品等のピックアップに関しては、ロープ、ラジオ、食料の備蓄等、たくさん思い浮かびますが、何を選択すれば良いでしょうか。
我が家の非常持出し物品は小さめのバックに入れ、枕元などに常時おいて持ち出せるようにしました。その一覧を挙げてみます。
- 財布(銀行のキャッシュカード、交通系ICカードもあると便利)
- 健康保険証(特定疾病医療費受給者証などの透析に関わる証明書等も)
- お薬手帳(最新の処方を必ず書き加えておきましょう)
- 預金通帳と身分証明ができる証明書
- 透析条件のメモ(透析時間、ダイアライザーの種類があると良い)
- 携帯電話の充電ケーブル(避難所などで充電できない、という体験談多し)
- 定期処方されている薬
- 着替え(下着類は特に必要不可欠との声あり)
- ビニール袋
- タオル(バスタオルも数枚入れておく)
これ以外にも、被災された方々から聞いた、あったら良かっただろうなという物は以下になります。
- 家族や病院などの電話番号のメモ(携帯電話が充電切れなどで使えないこともある)
- 避難時に怪我をしないための軍手(ゴムで覆われた厚手が望ましい)
- 厚底のブーツや長靴(家族分を用意して、避難袋と同じ場所に置いておくと良い)
これらを玄関に置いておいても、浸水で玄関からの脱出が困難な場合もあります。非常食等、災害対応に必要な物品は玄関と合わせて2階等建物の高い場所にも置いておくことが必要です。土砂災害の際にはせっかく玄関に用意していた避難袋が流入した土砂により取り出せなかったという話もありました。
「私だけは大丈夫」という思い込みが被害拡大に繋がります
透析患者にとって一番重要な災害対策は、発生時の正しい対応と、透析病院と連絡を取り合い透析が受けられる状態の確保です。常日頃から病院の方々と災害対応を確認しておくことは、最重要の対策と言えるでしょう。
被災された方が「私は大丈夫だと思っていた」とおっしゃるのをよく聞きました。このような、自分に都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう心理を「正常化バイアス」といいます。
その「私だけは大丈夫」という思い込みが被害を拡大させてしまいます。もしもの気持ちで準備と心構えをすることが、あなたやご家族を守る最大の準備なのかもしれませんよ。
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