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QOL向上と患者の本音 ―
その1:アンバランスは患者のせいか?

2014.6.12

文:とっぺい

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私の透析導入の時、その病院では透析開始時のチェック項目に不思議な言葉を使っていた。国立大学系の病院なので、当時はそうした言葉が現場では使用されていたのかもしれない。現在は「ドライウェイト」と呼んでいる言葉「乾燥体重」と書かれていた。直訳であるが、どうもミイラの体重をイメージしてしまう。

清少納言の「枕草子」に、「もの尽くし」の表現がなされている。平安時代に、優れた感性の女性が存在したことは驚きである。彼女のようには書けないが、形だけを借りて文章を書くのも一興であろう。「透析室に似合わぬもの」とかを。

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「乾燥体重」という言葉も先進医療としての透析には似合わず、滑稽さも感じるものであった。さて、言葉ではなく、ものを表現すると、

「透析室に似合わぬもの。ベッドのそばの段ボール箱。 ベッドの中の真夏の湯たんぽ。」

この文章で、ああそうかと理解する健常者はおそらくほとんど存在しないだろう。痛みの記憶とともに即理解できる透析患者は、「ありがたきもの」とはいえない。

知り合いの透析患者から聞いた話であると、アメリカで透析した時は段ボールではなく、分厚い電話帳だったそうな。医療器具が入っていた丈夫な段ボールとの違いは文化の違いがその基本にあるのだろうか。

季節は梅雨を前に真夏とへ向かっている。とはいえ透析患者の一部にはベッドの中の足の近くに今でも湯たんぽを置き、アツいと言って汗をかいたりなどしている。湯たんぽは真夏も含めて、年間の必需品としている患者がいるのである。

さて、こうした最新技術と似合わぬものは何のために使われているのか、答えは身近な透析患者に聴けば良い。ところで、そうした命に直結しないような「不快症状」は有効な対策法が優先的には開発されないようだ。L-カルニチンが保険適用になっても、エビデンスがありそうもない芍薬甘草湯の服用もいまいちの効果のようだ。血液の中に、ブドウ糖や生理食塩水を注入するのはどうかだって? 体重が減らない時もあるしね。濃い食塩水を注入するのは血管が傷みそうだし。

何かうまい方法が開発されないであろうか。水分管理をしっかりやれば発生率が減少する、この自己管理責任を傷みと結び付ければよいのか。「乾燥体重の管理をまじめにやりなさい」か。透析室に相応しい運動器具のことは噂には聞くのでありました。さてさて「あらまほしきものは……」

※あらまほし:あることが望ましい

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とっぺい

とっぺい
私、とっぺいは、高校生の時に学校の尿検査で慢性腎臓病が判明してから長い保存期を経て、1999年の末頃に透析導入と相成りました。従って透析
歴は今年で13年目ということになります。
現在は、週3回の5時間透析を行っています。社会の縮図である透析患者の世界の中で生きていきながら、色々な視点から透析のことを考えています。患者運動に関わりながら、透析文化の可能性を考えています。再生医療の進歩により、いずれは透析が必要とされない世の中が意外と早く来るかもしれません。その日に出会えるかはわかりませんが、仲間と一緒に透析を理解しながら、しっかりとした治療を受けて一日でも長生きすることで歴史的転換点をこの目で見たいと希望しています。その間には、透析技術も進歩していくでしょう。
透析をするために生きているのではなく、人間らしく生きるために透析を受けているということを意識しながら、元気で長生きしましょう。

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