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【第32回】
透析不足が原因? 肌のかゆみ! どう対処?
2018.3.19
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寒かった冬から、徐々に春の気配が感じられる季節になってきました。私が病院への道中でも梅の花が咲き始め、桜の便りを心待ちにする今日この頃です。
血液透析患者に多い悩み「かゆみ」
人工透析、特に血液透析の患者さんに多いとされるのが肌のかゆみです。私の透析生活も今年で16年目に入りますが、地味に肌のかゆみと乾燥に悩まされています。
起きている時もイライラしますが、寝ていてもかゆみで起きてしまうなど、以前から私のところにもかなり悩み相談がありました。透析患者さんのかゆみ対処法としては、皮膚科を受診してクリーム等を処方してもらうことを思い浮かべがちですが、ちょっと待ってください! ご自分の透析条件を見直してみませんか?
透析不足から起きた私のかゆみ体験
これは私自身の体験でもあります。2011年の東日本大震災の際、メーカーの備蓄倉庫倒壊により、オフライン(ボトル型)HDFに使用する補液薬剤が全国的に不足しました。当時私の病院ではHDFのコンソールが少なかったこともあり、高齢の患者さん優先で使用することになったため、私を含む50歳代以下の患者はHDFを離脱、私も5時間HDFから通常の4時間HDに移りました。
そうして2週間程経った頃から、それまで感じたことがなかった肌のかゆみに悩まされ始め、腕や背中をかきむしるようになりました。後になって知ったことですが、透析効率が落ちたことで出現したかゆみだったようです。
肌にいいと聞いた石鹸に変えてみる、スキンクリームを塗って寝る等、かゆみを抑えようと自分でもいろんなことを試してみました。
しかし透析中は持ち込んだ孫の手でバリバリガリガリとやっても落ち着かず、ついにはレストレッグス症候群まで出てきて、自分の肌のかゆみと足の唐突な痙攣で眠れずに、とうとう不眠症気味になりました。
ところが4年前にオンラインHDFに変更してからは肌のかゆみが徐々になくなり、血液ポンプの回転量も上げた今ではほとんどかゆみを感じなくなりました。
基本的なことの改善で、かゆみは軽減します
この経験から、自分の生活を守るために必要なことの1つは、少しでも透析条件を上げることだと強く感じました。
それを実現するためには、医療者の方とよく話し合い、患者自身も自分の治療をお任せにせず、積極的に参加するべきだと考えています。
いきなり「透析条件を上げて欲しい」と行動を起こすのは難しいかもしれませんし、最近では肌にいいローション等もたくさん出てきました。それでも、まずは自分の生活を見直し、改善してみる、ストレスを減らして充分な睡眠をとる等の基本的なことを改善していくだけでも、肌のかゆみはかなり軽減しますよ。
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