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知っトク? こんな事〜患者・家族のお役立ち情報【第8回】転ばぬ先の杖 検査のススメ
2015.5.28
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お医者さんに行くと「今度はエコー検査をしましょう」とか「副甲状腺の数値が上がっているので検査をしましょう」とよく言われませんか? こう言われると渋々ながらも検査を受けるわけですが「この検査って何の意味があるの? 」と思いながら、バリウムを飲んだりしている今日この頃です。
透析患者の多くが定期的な血液検査で「リンの数値が高い」とか「カリウムの数値が高い」と言われ、検査結果に一喜一憂。なんだか学生時代の通信簿を受け取って怒られているような気分になってきますね。オンラインHDFや長時間透析のように「しっかり透析」を受けていたとしても、透析由来のさまざまな合併症が出るリスクは常にあります。その合併症発症のリスクを早めに発見し、悪化を防ぐために患者はさまざまな検査を受けます。今回はそんな検査のお話です。
慢性腎不全患者の場合よく行われる検査としては、定期的な血液検査、ドライウェイトを決めるために行う胸部レントゲン撮影、心臓や腹部、シャントなどのエコー検査(超音波診断検査)やシャントなどの造影検査(造影剤を使用したレントゲン撮影検査)などがあります。この他にも病院によっては運動機能の検査や下肢静脈瘤の検査など、多種多様な検査が行われているそうです。
主な検査としては、以下のようなものがあります。
- エコー検査
- 心臓エコー(心臓の周りに水が溜まっていないか、弁の石灰化はないかなどの確認)
- 腹部エコー(腎臓の萎縮などの確認)
- 甲状腺エコー(副甲状腺腫の確認)
- シャントエコー(シャント内の異常などの確認)
- 心電図検査(心臓の動きに異常がないか確認)
その他各種造影検査
患者の状態に合わせてさまざまな検査が行われますが、ご自身に必要な検査を知るには、まずは主治医と相談してみることが第一歩ではないでしょうか。 私の場合はシャントのエコー検査を2ヶ月に1回のペースで定期的に受けて注意を払っています。知り合いの患者などには「神経質だなぁ」とよく笑われたりしますが、かつては半年に1回のペースでシャント閉塞が起こり何度もシャント再建手術をしました。最後にはシャント自体が感染を起こしてしまい、血管ごと切除することになり、それ以来転ばぬ先の杖として、用心のために医師やスタッフの方から勧められる検査は時間の許す限り受けるように心がけています。「日々の透析で病院に行くだけでもしんどいのになんで他の検査のために仕事を休み、家族との時間や自分の時間を削って検査しなくてはいけないのか? 」という不満を耳にすることもよくあります。実際に私もそう思わないといえば嘘になります。
私自身透析歴が10年を超え、覚悟はしていましたが一昨年ぐらいから身体のアチコチで異常が出てきました。頭部のMRI検査で出血痕が見つかったり、エコー検査では腎臓の萎縮や心臓や血管の一部に石灰化を指摘されたりと、さまざまな異常が見つかりましたが、これ以上の悪化を防ぐためにも定期的な検査は必要不可欠なことだと思っています。
悪化してから嘆く前にメンドクサイと言いつつも検査に行って、帰りにいちご大福とお茶を楽しむ。こんな生活もいいんじゃないでしょうか?
基礎知識「透析患者さんの検査」も合わせてご覧ください。
透析がうまくいっているか、生活習慣の管理と食事療法などで水分や塩分のコントロールができているか、健康の状態などは定期日の血液検査から知ることができます。自分の状態を知ることは、合併症の防止、QOL(生活の質)の向上にも役立ちます。
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