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家族全員で病気と向き合うことが大切です

2013.4.1

文:所長

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もし、ご家族のどなたかが慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease、以下 CKD)と診断され治療が必要になったり、透析療法をしなければならなくなったら、家族としてどのような配慮が必要なのでしょうか。

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CKDの治療においては食生活が大きく制限され、透析療法においては週3回の通院など、時間的拘束も加わってきます。そして、基本的に一生その病気と向き合っていかなくてはならない、長くつらい道のりとなります。

ご本人の苦労やストレスは計り知れませんが、それを少しでも和らげ、安心して治療に向き合ってもらうために、そして家族みんなが幸せに生活できるように、家族全員で病気と向き合うことが大切です。

食事管理

CKD患者さんの場合は、主にたんぱく質、塩分、カロリーの制限、透析患者さんの場合は、主に塩分、水分、リンカリウムの制限が中心の食事管理が必要となります。必要摂取量の指導を栄養士から受け、指示に従いましょう。

工夫しながら外食を取り入れることも、QOL向上に有意義なものとなります。

患者と共に病気と向き合う

病気のこと、例えば検査結果の見方や薬のことなどは、主治医、薬剤師から。身体障害者手帳取得、医療制度、年金等に関しては病院・施設にいる医療ソーシャルワーカーや市区町村の担当課から随時、患者さんと共に説明を受けるようにしましょう。緊急事態や災害の際に役立つことも多くあります。

家族が共に自分の病気と向き合ってくれているということは、何よりも心強く、また安心感をもって治療に向き合う力となります。

メンタル面のフォロー

腎臓機能は一度低下すると基本的に回復しないため、CKD保存期の場合は、いかに進行を遅らせるか、透析患者の場合は合併症を防ぎ、しっかりと透析生活を送ることが治療の目的となります。

そして、患者は長期的に腎臓病・透析と向き合い過ごしていくこととなり、必然的に精神的なストレスは大変強いものになり、「不眠」「うつ状態」に陥る方も多くいらっしゃいます。

ご家族である患者さんに精神的落ち込みなど、以前と異なる様子が見受けられた場合は、早めにご本人と話しをして、まずは主治医との面談に同席し、メンタルクリニックでの診察をご相談されることをお勧めします。

家庭内での雰囲気づくり

CKD、特に透析患者さんは基本的に最低週3回透析施設に通院することとなり、時間的拘束も長いため、必然的に病気のことを考える時間も長くなります。

もちろん病気のことを考え、学び、自己管理に繋げることはとても大切なことですが、家庭で過ごす大切な時間において病気のことばかり考えてしまうような傾向が長くなると、精神的にも悪い影響が出てきます。

外出をする、何か趣味を楽しむ等、気分転換が出来るように促すことや、家族で家庭内の雰囲気が明るくなるようにするなどの何気ない気遣いはとても大切なことです。

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所長

所長
一般社団法人ペイシェントフッド代表理事。社会福祉士。透析歴31年。
14年間勤めた一般企業を退職後、福祉職を経て、2010年9月に株式会社を設立し、2018年4月からは一般社団法人ペイシェントフッドに法人格を変更。
長い年月にわたり「治療を受ける」という「受け身の立場」で医療と関わってきましたが、腎臓病を経て、透析を受ける当事者として、その経験・想いを「腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために」役立てられないかと一念発起し、起業しました。
「じんラボ」はみなさんと一緒につくりあげていくコミュニティです。
「ひとり一人の「生きる力」が、医療を支える、希望ある社会」の実現に皆さんと共に歩んでまいります!どうぞよろしくお願いします!

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