高リン血症
別名:高リン酸血症
略号:
腎臓の機能が低下している腎臓病患者さんは、糸球体濾過値の低下で腎臓からのリンの排泄量が減少してしまうため、血中にリンが溜まります。血中のリンが5.0mg/dL以上になると高リン血症と診断されます。
高リン血症になると、カルシウムがリンと結合して動脈に石灰化して溜まり、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まります。また副甲状腺ホルモン(PTH)というホルモンが分泌されてリンやカルシウムが骨から溶け出て骨が弱くなったり、腎臓の機能がさらに悪化したりする原因になります。また、長い間透析をしていると骨強度や骨密度が低下することがありますが、その骨を守る筋肉を維持することも重要です。そのため、高リン血症の透析患者さんは、透析量の増加、リン吸着薬の使用、食事での制限が必要です。