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食生活研究室

腎臓病・透析患者の食事療法を支える
~栄養バランスや免疫力等の悩みに寄り添う“患者の声から生まれたパートナー”

2021.4.12

文:s.yuri

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緑の文字の用語をクリックすると用語解説ページに移動するよ。

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悩みが尽きない食事療法

腎臓には、尿を作って老廃物や余分な水分・塩分を排出するほか、血液を弱アルカリ性に持つ、血圧を調節する、ホルモンを生成するなどの働きがあります。
腎臓の機能が低下すると、それまで排出されていた余分な水分や老廃物が体内に蓄積されるようになり、むくみや尿量の低下をはじめ、倦怠感や貧血、高血圧といった症状が現れます。

急性の場合を除き、腎臓病で低下した腎臓の機能は元の状態に回復することはできません。しかし、食事療法を適切に行うことによって、腎臓病患者さんは腎臓の機能を保ち透析導入を遅らせることができますし、透析患者さんは体調を安定させることができます。食事療法で少しでも腎臓の負担を減らすことはとても重要なのです。

その一方で、食事療法に関する悩みを抱えている方は少なくありません。腎臓の機能の低下に伴い、蛋白質や食塩などの摂取をコントロールしつつも、栄養バランスや食べる内容に気を配る必要があるためです。

じんラボは食事療法の悩みに関するアンケートを実施し、回答をいただいた77名のうち9割以上の方が食事療法に悩んでいることが分かりました。

具体的な悩みとして(複数回答)は、「リンを制限できているか不安(32名)」が最も多く、次いで「生野菜や果物などカリウムを多く含むものをたくさん食べたい(31名)」、「カリウムを制限できているか不安(26名)」、多くの方がリンやカリウム制限への悩みを抱えていることが分かりました。また、食事制限による「栄養不足が心配(12名)」と回答した方も一定数おり、厳しい食事制限と栄養補給の両立を心配する声も見られました。

食事療法に関して悩んでいることは何ですか?(複数回答)

食事療法に関する悩みグラフ

  • 気づくと肉、魚、卵など充分に摂れていないことがあれば、逆に食べ過ぎて身体がだるくなることもあります。とても自己管理が大変ですし、自己嫌悪に陥ることも多いです。(50代女性/東京都/CKDステージG4)
  • カリウムの薬をなるべく飲みたくない(便秘になる)けれど野菜や果物が好きなので2日空くときは特に食べないようにしています。薬以外にこれといった対策がないことが多く、我慢しかないのだろうかと思うことがあります。(60代男性/宮崎県/透析歴6~10年)
  • 野菜は必要だと思うが、カリウム値が高く薬の量も増加し、どの程度食べていいのかわからない。(70代男性/北海道/透析歴11~20年)
  • 食べない様にしていたら身体が弱って食事がきつくなり歩けなくなった。口が開かないし食べたら具合が悪く、ある程度は食事はしないといけないと思った。(40代女性/長崎県/透析歴1~2年)

患者の声から生まれた「カルフェロ」

「食事療法に関する透析患者さんの悩みを少しでも軽減させたい」と、ベータ食品(本社・大阪府)は透析専門医と透析患者さん向けの栄養補助ドリンクの共同開発に着手し、1999年に「カルフェロ」を開発・販売しました。透析患者さんに特化した栄養ドリンクとしては、当時の日本では初めてでした。

「カルフェロ」は、水分量を抑えつつ透析患者さんに必要な栄養素をしっかり凝集した栄養ドリンクですリン商品リンとカリウムの含有量はゼロ、そしてL-カルニチンをはじめとするアミノ酸が豊富に含まれているのが特徴です。今ではベータ食品の看板商品として医師や透析患者さんらに幅広く支持されています。
さらに患者さん一人一人の悩みに応じて、L-カルニチンなどの栄養素を補給する「カルフェロシリーズ」と、アミノ酸とビタミン類などを補給する「アルブミアップSP」を展開しています。

カルフェロシリーズ、アルブミアップSP

スーパー30プラス(カルフェロシリーズ)30mL、オレンジ風味

エネルギー作りに深く関わるL-カルニチンを500mg、吸収性の優れた水溶化コエンザイムQ10を20mg含有。いずれも加齢とともに摂取しづらくなるため、年を重ねても元気に活動したい方や倦怠感が気になる方に。

カルフェロ50プラス(カルフェロシリーズ)50mL、ブドウ風味

レタス1.2個分の食物繊維(2.7g)と善玉菌の栄養源となるオリゴ糖を500mg配合し、腸内環境をサポートします。必須アミノ酸に加え、非必須アミノ酸も配合しているので、食の細い方におすすめです。

アルブミアップSP 50mL、チェリー風味

筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)を贅沢に1500mg配合。リンが気になってなかなか蛋白質が摂れない悩みや、アルブミン値が気になる方にぴったりです。

現在ベータ食品はカルフェロシリーズだけでなく、透析患者さんが陥りやすい合併症対策の商品など幅広く手掛けています。蛋白質やアミノ酸を効率よく摂取できる商品が多いため、透析患者さんだけでなく、透析導入前の保存期の方にもおすすめだそうです。

ベータ食品に関する記事は以下よりご覧ください。


透析で除去され不足しがちなアミノ酸とビタミン類

ベータ食品がアミノ酸にこだわる理由。それは、腎臓病・透析患者さんは日々の食事療法で不足しやすく、アミノ酸不足による体力や筋力の低下、そして健康寿命への影響が懸念されるためです。
特に透析療法は、余分な水分や老廃物だけでなく分子量の小さいアミノ酸やビタミンC・B群、葉酸のような水溶性ビタミンも除去してしまうため、低栄養状態に陥る透析患者さんは少なくありません。とりわけアミノ酸由来の物質L-カルニチンは多く除かれるため、その欠乏が深刻な問題だと言われています。
腎臓病・透析患者さんが不足しやすい成分を具体的に見てみましょう。


L-カルニチン

L-カルニチンは肉の赤身や乳製品等に多く含まれるアミノ酸由来の物質で、脂肪酸を燃焼してエネルギーを生産する重要な役割を担います。体内では必須アミノ酸のメチオニンとリジンから合成されます。
もともと日本人は平均的に摂取量が少なめです。さらに腎臓病・透析患者さんは蛋白質の摂取制限がある上に、1回の透析で血漿中のL-カルニチンが70~80%除去されるといわれており、 よりL-カルニチンが不足しやすいのです。不足により、筋肉量の低下や疲労、倦怠感、貧血、脚のツリ、心疾患を招く恐れがあります。


ビタミンB群

ビタミンB群は、主に糖質や脂質、蛋白質などの代謝に関わる重要な役割があることから“代謝ビタミン”と呼ばれています。
多くの透析患者さんは、茹でこぼしや水にさらすといった下処理で食品中のカリウムを減らしますが、その下処理によってビタミンB群のような水溶性ビタミンも減少します。さらにビタミンB1やB2、B6はL-カルニチンと同様、透析によって特に除去されやすいため、透析患者さんは慢性的に不足しやすいのです。

栄養不足を防ぐポイントはしっかり食べて栄養を補給することですが、食事制限がある腎臓病・透析患者さんは健康な人よりも栄養補給が困難です。
このような状況を踏まえて開発されたカルフェロシリーズのドリンクには、L-カルニチンをはじめとするアミノ酸やビタミンB群のほか、透析患者さんが不足しやすい食物繊維も含まれています。

カルフェロシリーズ・アルブミアップSP成分表

ドリンク名
(内容量)
スーパー30プラス
(30mL)
カルフェロ50プラス
(50mL)
アルブミアップSP
(50mL)
こんなお悩みに
  • L-カルニチンやコエンザイムQ10を積極的に摂って活発に活動したい
  • できるだけ水分を抑えたい
  • 食物繊維やオリゴ糖を摂って腸内環境を整えたい
  • 免疫力の低下が心配
  • アルブミン値が低く、栄養状態が気になる
  • リンが気になり、肉や魚、豆類、乳製品などの良質な蛋白質が摂れていない
エネルギー 10.2kcal 11.5kcal 15kcal
蛋白質 0.5g 0.4g 1.3g
L-カルニチン 500mg 300mg 50mg
ビタミンB群計 39.3mg 33.8mg 31.6mg
必須アミノ酸計 134mg 193mg 1500mg
非必須アミノ酸計 0mg 18.4mg 0mg
鉄 5mg 4mg 2mg
亜鉛 3mg 3mg 3mg
食物繊維 1.8g 2.7g 0.45g
クエン酸 150mg 272mg 300mg

※リン・カリウム・脂質はいずれもゼロ。食塩相当量はアルブミアップSPが0.02g、スーパー30プラスとカルフェロ50プラスが0.03g。

※以前の記事「日本初の栄養ドリンクで透析患者を支える~ベータ食品の思い」でご紹介した「マルチ元気」は販売終了。


水分量が少なく低蛋白質でカリウム・リンはゼロ!
腎臓病・透析患者さんの食事療法をサポート

カルフェロシリーズやアルブミアップSPは、食事療法に悩む透析患者さん向けに開発された栄養補助ドリンクなので、体に無理なく、効率よく栄養補給ができます。


①食塩・水分

尿量が減少すると体内に水分が溜まり、むくみや呼吸困難、心不全などをきたす恐れがあります。逆に水分の摂取量が少なすぎると脱水によって腎臓の働きが低下するため、過度な水分制限は禁物です。

食塩の摂りすぎはむくみや高血圧を招き、腎臓に大きな負担をかけます。また喉の渇きを招き水の摂りすぎにもつながります。

じんラボの「食事療法の悩みアンケート」より

食事療法の悩みに関する質問(複数回答)で、「水分制限が厳しい」「塩分を制限できているのか不安」と答えた方はそれぞれ77名中22名でした。

水分量を調整するのが大変です。(40代女性/大阪府/透析歴3~5年)

ベータ食品からのおすすめポイント

ベータ食品の看板商品「カルフェロシリーズ」「アルブミアップSP」は、水分量がわずか30~50mLで、塩分量は0.02~0.03mgに抑えられています。腎臓病患者さんは合併症により味覚が落ちている場合が多いため、特に塩分量には注意が必要です。
「スーパー30プラス」は30mLと最も水分量を抑えつつ、加齢とともに摂取が難しくなるL-カルニチンやコエンザイムQ10を効率よく摂取できます。


②蛋白質

蛋白質は体内で分解された後、尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物として血中に溜まりますが、腎臓がそれらを濾過して尿中に排泄しています。腎臓の機能が低下した状態で蛋白質を多く摂ると腎臓の負担が増えるため、摂取量を抑える必要があります。

しかし蛋白質を制限すると、蛋白質に多く含まれるアミノ酸も摂取量が減り、エネルギー(カロリー)不足による体調不良を招く可能性があります。
アミノ酸には、筋肉やホルモンの生成、成長促進、神経伝達物質の作成などを担う重要な役割があり、不足すると筋肉量の減少や意欲の低下、不眠などの症状が現れやすくなります。またエネルギーが不足すると、体は筋肉を分解してエネルギーを確保します。筋肉が分解されると蛋白質やカリウムが作り出され、尿毒症や高カリウム血症を引き起こす恐れがあるのです。

じんラボの「食事療法の悩みアンケート」より

食事療法の悩みに関する質問(複数回答)で、「肉や魚介など、蛋白質やリンを多く含むものをたくさん食べたい」と答えた方は77名中21名、「蛋白質を制限できているのか不安」と答えた方は11名でした。

気づくと肉、魚、卵など充分に摂れていないことがあれば、逆に食べ過ぎて身体がだるくなることもあります。とても自己管理が大変ですし、自己嫌悪に陥ることも多いです。(50代女性/東京都/CKDステージG4)

ベータ食品からのおすすめポイント

腎臓病・透析患者さんは蛋白質量を制限する必要がありますが、蛋白質を制限するとアミノ酸の摂取量が減ってしまいます。「カルフェロシリーズ」「アルブミアップSP」は蛋白質を抑えつつ、アミノ酸をギュッと凝縮。特に「アルブミアップSP」はエネルギー源として欠かせない必須アミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)を1500mg配合しており、筋肉・体力つくりをサポートします!


③リン/カリウム

腎臓病が進行すると腎臓でリンやカリウムを濾過しきれず尿として排出されにくくなり、血中に溜まります。

蛋白質が多い食品にはリンも豊富なため、蛋白質を控えることでリンの摂取量も減りますが、インスタント食品や加工食品(ソーセージ、練り物など)、菓子パン、清涼飲料水などには食品添加物の無機リンが多く含まれています。無機リンの体内吸収率は90%以上のため、加工食品の摂りすぎには注意しましょう。リンの摂りすぎは高リン血症を招きます。
カリウムは野菜や果物、海藻に豊富に含まれます。カリウムは水に溶ける性質があるので、茹でこぼしたり水にさらしたりすることで摂取量を抑えることが可能ですが、カボチャやトウモロコシなど、茹でこぼししてもカリウムが多く残ってしまう食材もあります。

じんラボの「食事療法の悩みアンケート」より

食事療法の悩みに関する質問(複数回答)では、「リンを制限できているか不安」が最多の32名。次いで「生野菜や果物などカリウムを多く含むものをたくさん食べたい」が31名、「カリウムを制限できているか不安」が26名で、多くの方がリンやカリウム制限の悩みを抱えていました。

野菜は必要だと思うが、カリウム値が高く薬の量も増加し、どの程度食べていいのかわからない。(70代男性/北海道/透析歴11~20年)

ベータ食品からのおすすめポイント

市販の栄養ドリンクにリン/a>やリンを多く含む商品があります。「カルフェロシリーズ」「アルブミアップSP」はリンとカリウムの含有量が全商品ゼロで、カリウムやリンを気にせず、必要な栄養素を効率よく摂ることができます。
透析患者さんは水分やカリウムの多い野菜・果物の摂取制限があるため食物繊維が不足しやすいのですが、「カルフェロ50プラス」は透析患者さんが不足しがちな食物繊維をレタス1.2個分(2.7g)配合。さらに善玉菌の栄養源となるオリゴ糖500mgを配合し、腸内環境をサポートします。


免疫力のサポートとして注目を集める「グルタミンα」

芥川さん

ベータ食品の看板商品は「カルフェロシリーズ」と「アルブミアップSP」ですが、最近は「グルタミンα」というサプリメントも人気を集めているそうです。詳しいお話をベータ食品運営統括責任者の芥川哲さんに伺いました。
「グルタミンαの主成分であるグルタミンは、人体に最も多く存在する遊離アミノ酸です。免疫機能を担うリンパ球の栄養分となり、腸管免疫を高めるために意識して取り入れたい栄養成分です(芥川さん)」。

小腸には免疫を担うリンパ球の60%以上が集中していることから、人体最大の免疫器官といわれています。そのため体内のグルタミンが不足すると免疫力が低下してしまい、体内に細菌やウイルスが侵入しやすくなります。

グルタミンは体内で合成できる非必須アミノ酸ですが、風邪などの発熱や無理なダイエット、手術や外傷などで身体がストレスを感じている条件下では、大量に消費され体内での生成が間に合わない場合があります。そのため、グルタミンは食品から積極的に摂りたい“準必須アミノ酸”でもあるのです。

グルタミンα

グルタミンα

「表現方法は悪いですが、透析療法もまさに身体がストレスを感じている状況に当てはまります。ストレス下では、筋肉を崩してグルタミンを作ろうとするので、食事などでしっかりと補わなければ大切な筋肉が崩壊する恐れがあります」と芥川さんは警鐘を鳴らします。

日本透析医学会の「わが国の慢性透析療法の現況(2019年12月31日現在)」では、透析患者さんの死亡原因は最多の心不全(22.7%)に次いで、感染症(21.5%)で亡くなる方が多いことが報告されています。
充実した透析生活を送るためにも、グルタミンは積極的に摂りたい成分の一つ。グルタミンαにはグルタミンのほかにも免疫細胞の活性化を助けるL-アルギニンや、乳酸菌も豊富に含まれるため、「元気になった」と実感している声が多数とのことです。


“患者さんの声から生まれたドリンク”の元祖として

カルフェロは1999年の誕生以来、悩みを抱える多くの透析患者さんの健康と生活を支えてきました。透析45年を迎えられる方や、歩行器なしで杖で歩けるようになった方、リハビリへの意欲が向上した方などから、多くの声が寄せられているそうです。

「ベータ食品では現在、透析困難者症の方向けの商品開発も行っています。クリアーしなければならない課題は多いものの、一人でも多くの方の症状緩和のため、継続して商品化を進めています。また栄養補助ドリンクはさらなるパワーアップと、おいしさを求めたリニューアルを行います。透析をされている方専用の栄養ドリンクを販売する「元祖」を自負し、多くの透析患者さまのお役に立てるよう、今後も透析専門医と透析患者の方々のご意見をいただきながら〝皆さまのお声でつくった専用ドリンク〟という切り口で商品展開を進めて参ります(芥川さん)」

腎臓病と向き合うことは、食事療法と毎日向き合っていくことでもあります。向き合うほどに辛いと感じることがあるかもしれません。そんなときは頑張りすぎず、頼れるパートナーの力を借りてみませんか?

ベータ食品のお問い合わせ先

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s.yuri

s.yuri
じんラボのライター。大学卒業後、地元紙で主に教育や警察、司法、スポーツ、地域ネタを追いかける社会部記者として働き、その後夫の転勤に伴いゆるいフリーランスでライター・編集者として活動してきました。
学生時代から医療福祉に関する執筆に関わりたいと思っていたのが、十数年の時を経てじんラボでご縁をいただました。透析や腎臓病の勉強を重ね、少しでも元気の出る情報をお届けします。

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