慢性腎不全
別名:
略号:CRF
慢性の腎臓病のため腎臓の機能が低下し、機能が正常時の30%以下程度に落ちた状態を慢性腎不全といいます。腎臓が尿を作って老廃物、水分、電解質などを排泄することで体内の恒常性が保たれているので、腎臓に障害が起きるとさまざまな病態が現れます。慢性腎不全は何年もかかって進行するため、障害の程度によって症状の現れ方、治療法も異なります。
高カリウム血症や代謝性アシドーシス、低カルシウム血症、高リン血症や、血中ビタミンD産生障害、骨・ミネラル代謝異常、水・ナトリウム調節異常による高血圧、腎性貧血、浮腫、免疫系異常、糖・脂質代謝異常、中枢・末梢神経障害などの病態が現れます。原因としては、糖尿病で高血糖状態が続くことによって糸球体の細い血管が障害される糖尿病性腎症、高血圧が長時間続き全身に動脈硬化が起こり腎臓の血管にも動脈硬化が起こる腎硬化症、糸球体疾患、尿細管・間質疾患、腎尿路系腫瘍、尿路閉塞などがあります。治療は原疾患に対する治療に加えて、蛋白制限食、減塩、血圧管理を基本に、脂質、貧血、ミネラル、電解質などの管理や経口吸着薬による尿毒症対策、透析療法などが行われます。