じんラボ所長室腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
全国透析施設めぐりの旅3 福島編
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2013.9.20
全国透析施設めぐりの旅第3回は初のドライブ旅、福島県/郡山です。
前回の松江腎クリニック院長、草刈万寿夫先生からのご指名で、第3回は福島県郡山市にある鈴木一裕院長の「援腎会すずきクリニック」にうかがうこととなりました。
鈴木先生とはこの旅以前に東京でお会いし、一緒にお酒をいただいたことがあるので安心して(?)うかがうことが出来ました。
福島県は母の出身地で何回か訪れたことがあり、親しみのある所です。
そして東京から3時間程度ということもあり、今回は車で旅をすることにしました。
訪問クリニック
援腎会すずきクリニック
院長 | 鈴木一裕(すずきかずひろ) | |
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所在地 | 〒963-8071 郡山市富久山町久保田字伊賀河原12 TEL:024-925-0860 FAX:024-925-0861 http://www.enjinkai.com |
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ベッド数 | 50床(一般ブース:ベッド30床、個室ブース:ベッド20床) | |
透析時間 | 月・水・金 2クール
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クリニック・院長先生のポリシー
教えてもらったことや他施設の良いところは取り入れて貪欲にやっていく
クリニックの透析方針・特徴
- 透析時間延長(平均4.8時間)
- 血流量増加(平均血流350ml/min)
- オンラインHDFを、“しっかり透析”として頑張っています。
特筆すべきサービス
長時間の透析時間を快適に過ごして頂くために、平成25年7月に準個室の透析ルーム、
20床の個室透析センターを開設いたしました。
希望される方には週4回透析も提供しています。
好きな言葉
「一期一会」
腎臓病患者さん・透析患者さんへの一言
透析に対して、出来るだけ貪欲になって欲しい。
透析していても一般の方と変わらない生活はできます。
それを選択するかどうかです。
ご紹介いただいた次回の訪問先
宮崎県の「森のクリニック」
これからの透析医療は
透析医療も限りある医療資源を有効に使っていかなければ存続できなくなると思います。
今までの恵まれ過ぎた状況から、透析者の皆さんも自立していく事が要求されるでしょう。
地域の患者会
福島県腎臓病協議会
住所:〒964-0891
二本松市大壇9 インターグリーンハイツⅠ101号
TEL:0243-23-4721
FAX:0243-23-4015
Email:fjk@viola.ocn.ne.jp
福島県腎臓病協議会の活動の特色
福島県腎臓病協議会は昭和44年からの設立で、すでに45年の活動を継続してきました。
福島県難病連との活動の協力や毎年県担当課への要望、県議会への要望と、その他移植推進の要望など制作活動に力を入れています。現在は原発災害の被害者への損害賠償活動を行っていますが、実態の理解がなかなか得られず、苦慮しています。
透析患者さん、家族へのメッセージ
現在透析療法は大変発達して、世界一の技術を有しています。しかし、それを本当に活かせるのは自己管理という土台があってこそです。
自己管理をしっかりして最善の透析治療を受けることで健常者と変わりない生活ができることが本当に幸せなことです。
またご家族の皆様は食事管理に大変ご苦労されていますが、何でも食べられる、量の制限は患者本人が自分でできます。それが長続きするコツでしょう。
透析医療に携わる医療者へのメッセージ
現在透析患者は自立支援医療、特定疾病、重度心身障害者医療制度などで自己負担がほとんどない治療を受けさせいていただいています。
この制度が崩壊すると、新しい薬の処方、新しい治療法の適用が難しくなります。患者本人の支払い能力によって主治医が治療を躊躇するような時代が来ることはなんとしても患者会が阻止していきます。
その土台の上で、先生はその中でそれぞれの患者に最適な透析医療の提供をお願いしたいと願っています。
「じんラボ」へのメッセージ
このような新しい視点からの旅行、施設の紹介は大変斬新かと存じます。
本人が実際そこで透析を受けその情報を提供していくことは、患者さんにとって安心して臨時透析を受けたりする選択肢としては大きな存在になるかと思います。また透析患者さんが旅行、出張などどうしても臨時透析を必要とする場合には、適切なアドバイスを期待しています。
福島県の魅力
福島県は原発事故によって様々な観光や食品の信頼度が低下しています。
しかし、原発に関係ない「会津地域」は現在NHKの大河ドラマでも取り上げられ、八重の郷として会津文化を理解していたただく様々な事業が行われています。また福島市、伊達市などでは「果物王国ふくしま」としてすべて検査済みの果物を提供しています。これから「もも」「なし」などが最盛期になります。皆さんで食べに来てくなんしょ。
福島県腎臓病協議会より
現在どこの県腎協も会員の減少で苦慮していると思います。しかし、やらなければならないことは「何時でも、どこでも、誰もが安心して透析を受けられる」体制を堅持することです。
このことを貫いていけば、いつかは理解者が現れて活動が継続されていきます。私たちはその信念で活動しています。
会員の多寡にかかわらず信念を通していけば、必ず医療、行政様々な他の支援者は存在します。そこから新しい県腎協の形、方向性、そして活路が開けていくと思います。
>>次ページ震災について学んだ1日目
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