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今、私たちが医療のためにできること
2020.4.27
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今、新型コロナウイルスの感染拡大で日本のみならず、世界中で大変な状況となっているのは皆さんご承知のとおりです。
日本では全国を対象に、5月6日まで「非常事態宣言」が発出。不要不急な外出を控えるよう呼びかけられたことで、さまざまな業界が大打撃を受け、先行きが見えない大きな不安が日本全体を覆っています。
個人的には2011年3月11日に発生した東日本大震災以来の衝撃です。私たち腎臓病患者は免疫力が低く感染すると重症化するリスクがあるため、恐怖感すら覚えます。
医療現場の悲鳴…医療崩壊を食い止めるために
一方で大変心配なのは、私たちになくてはならない「医療」のことです。
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、これまで以上に「医療崩壊」が叫ばれる今、ひっ迫した現状は現場にいる医療者からも多く発せられています。
「医療崩壊」とはすなわち「私たちがいつでも安心して治療が受けられる状況ではなくなる」こと。
それは私たち透析患者にとって、毎月の診察のみならず週3回の透析を受けることすら危うい状況になってしまうことを意味し、命にかかわる重大な問題です。
では、そのような「医療崩壊」を少しでも食い止めるために、私たち一人ひとりに何ができるのでしょうか?
まずはしっかりと予防措置をとり感染しないこと、そして他人にうつさないことが第一なのは言うまでもありません。 それについてここで改めて詳しくは書きません。以下をご参照ください。もう散々言われていることです。
首相官邸「新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~」
この新型コロナウイルスは、感染していても症状が出ない「無症状」というケースが少なくないのが大変怖いところです。無症状の方が普段通りに生活することで、無意識のうちに免疫力が低い方にうつしてしまい、感染者が大幅に増える恐れがあるのです。
他に重要なポイントとしては、感染が疑わしいと思われる症状があった際も、すぐに医療機関に“赴かない“ことも挙げられます。
軽症者が医療機関に殺到することで、本来は重症患者に注力すべき医療者の負担が増えるだけでなく、非感染者までもが感染し院内感染につながる危険性があるからです。
感染が疑われたら、まずは主治医、かかりつけ医の指示を仰ぎ、そして不安な場合には各都道府県の「帰国者・接触者相談センター」に相談しましょう。
厚生労働省「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」
私たち一人ひとりが考えるべきこと
命を助ける医療者の命が危ぶまれているこの状態を、私たち一人ひとりが反省すべきだと今強く思います。
当たり前の話ですが、医療者はスーパーマンでもなんでもなく、家族がいてそれぞれの生活があります。その当たり前のことを忘れてしまっているような気がしてなりません。
そして、この「医療崩壊」という状況を、どこか遠い世界での事、または自分のせいではなくそれは政治家や行政のせいだと思ってやしないでしょうか。
しかしその政治家を選んでいるのは、誰あろう私たち国民です。
政治家や行政のせいにするのではなく、私たち国民一人ひとりがこのような状況にしているのだということをしっかり自覚すること。そして一人ひとりの立場で何をするべきか、何をせざるべきか、じっくり考えたうえで行動することが、今こそ求められているのではないでしょうか。
私はこれまでほぼ人生のすべてを医療のお世話になり生きてきました。
私自身反省すべきことも多くあります。
今でこそ「患者協働の医療」という考え方をテーマにして、さまざまな活動や自身の透析と向き合っていますが、かつては治療における多くを医療者にお任せして負担をかけていたことを猛省しています。
この新型コロナウイルスの感染拡大が契機というのは全く本意ではありませんが、「医療崩壊」という状態が現実味を帯びてしまった今を直視し、私たち自身の反省も踏まえ医療に向き合う行動について考え直してみませんか。
それは普段からの医療との向き合い方です。
これまで掲載した以下の記事を、ぜひ読んで参考にしていただけたら幸いです。
- 「患者協働の医療」の実現を目指して
- 医療者と患者 共に幸せな透析施設を考える
【第2回】医療者編イベントレポート - 医療者と患者 共に幸せな透析施設を考える
【第3回】患者編イベントレポート - 医療者と患者 共に幸せな透析施設を考える
【第4回】医療者&患者編イベントレポート
本当に「医療崩壊」が起きた時、人と社会は死にます。
皆さまが、家族やまわりの大切な人たちと、また笑顔で安心して暮らせる日が戻ることを心から願っています。
共に乗り越えていきましょう。
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