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我が家の透析導入と海外透析

【第1話】自己紹介〜透析への経緯1〜

2014.1.23

文:ミヨシ

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はじめまして。海外透析予約代行「えがお」外部サイトへを運営しておりますミヨシと申します。
今回はSNSで話題のじんラボさんにご縁を頂き、何回か連載を持たせていただく事となりました。つたない文章ですが、お付き合い頂けますと幸いです。

まずは、自己紹介をさせて頂きます。
私、ミヨシは現在35歳。今年40歳になる主人と結婚10年目で、ゴールデンレトリーバーの愛犬と2人+1匹家族です。
主人は血液透析を導入して7年目に突入しました。

おかげさまで現在は楽しく毎日を過ごしておりますが、透析導入時は落ち込んだり、悩んだりと葛藤の日々でした。今でもその頃の事を鮮明に覚えています。
これから2回は私どもの透析に至った経緯をお話させて頂こうと思います。


イメージ

主人は子供の頃から腎臓が悪かったのですが、私と出会った頃は仕事が忙しく定期健診などせずに何年も放っておいていた状態でした。
最初に異変を感じたのは、サラリーマンをしている頃風邪をこじらせて地元の医院へ診察に行った時。

初診だったので、既往症の欄に『中学生の頃、腎生検をした』と記入したら先生が血液検査をしてくれました。
風邪で点滴を受けている間、血液検査の結果が出てきて先生に「腎機能が低下しているので、専門医を受診してください」と紹介状を書いてくれました。
しかし、忙しい事を理由に専門医を受診しませんでした。

それから紹介状は封を開けられる事も無く、引き出しの奥にしまってしまい、何年かすると紹介状の事すら忘れてしまいました。

その後転職し、自営業となったのですが、サラリーマン時代より生活が不規則になり、家にはお風呂と睡眠に帰ってくるという生活が続きました。

ある時、何日かの出張をしました。
出張を終え帰宅すると、疲れ切って寝ました。
翌日も「身体がだるい」と寝ていました。
私は、疲れと風邪のせいだと思い、食事を作り、2人で食事を食べ、また横になりました。

何時間かして、主人が突然「気持ち悪い」と言いだし、トイレで嘔吐してしまいました。
その後2回目の嘔吐があり、ベッドに戻る際に主人は「明日病院に行く」と言いました。

翌日、地元の総合病院に行くと待合室は座るところも迷う程の大混雑でした。
予約も紹介状もない私たちは、順番が来るのを待ちました。

2時間ほど待った頃「もう限界だ」と主人が言い、座って待つのが辛いと言いました。
私は窓口に行き、状況を説明すると処置室で待って下さいと言われ、処置室のベッドで横になり順番が来るのを待ちました。看護師さんがベッドまで採血に来てくれました。
採血の結果が出ると医師が走って来ました。

医師は「風邪により細胞が脱水症状を起こしています。それにより腎機能の低下も見られますので、入院して様子を見ましょう」と緊急入院になりました。
主人は私に力なく「やっぱり入院だって」と笑いながら言いました。

その日から24時間点滴が入れられ、翌日から体温・血圧・血液をはじめ、レントゲンや尿・大便・CT・MRIとあらゆる検査が行われました。

私は入院してから、何年か前に書いてもらった引き出しの奥の紹介状を思い出しました。紹介先は違う病院でしたが、急いで担当医に渡しました。

一通り検査の結果が出た頃、担当医から呼ばれ病状の説明を受けました。
医師の話によると、腎臓が委縮してしまい毒素を濾過出来ずに、身体に毒素が溜まっている状態との事でした。

紹介状の記入された当時は、クレアチニンが3.0程度だったのが、今回の検査では15.8と5倍になっていました。

心臓や他の内臓には特に疾患は無く泌尿器科医が木曜に来るので、その時話しましょうと言われました。当時住んでいた静岡の地方の病院は、医師不足なので週に2日だけ診察に来る泌尿器科の医師でした。
最後に病状説明についてのサインを書き、話は終了しました。

木曜になり、泌尿器科の診察日に呼ばれました。
外来が終わり静まり返った診察室は薄暗く、桃色のカーテンが引かれていました。

泌尿器科医は、開口一番「この血液データを見ると透析が必要です。つきましては、腕に血管をつなげる手術をしなければなりませんが、右利きですか」と一気に話しました。

主人の腕の血管を触りながら「じゃあ、左腕のこのあたりに手術する事になりますかね。え〜っと、手術の日にちなのですが。。。」とカレンダーを見始めました。
私は何の事か状況が掴めないまま話が進み、医師の言葉をさえぎるように聞きました。
人工透析って、一生やるのですか?!」と。

医師は、薄暗い診察室で冷静に感情なく「はい。基本的には一生です」と返答しました。

私は、突然の“人工透析”と言う聞きなれない言葉に戸惑い、「すみませんが、ちょっと考えさせて下さい」と逃げるように診察室から病室へ戻りました。

病室に着くと主人は「もうしょうがないから透析受ける」と言い、私は「一生の事なんだよ」と反対しました。

「じゃ、どうすればいいんだよ」と主人。
「ちょっと考えさせてよ」と私。
次第に会話はヒートアップし、喧嘩になりました。

帰宅後私はインターネットで腎臓の専門医がいる病院を探しました。
家から35キロほどの病院に“腎臓内科”を発見し、医師が多くおり、県内でも実績のある腎臓内科だと分かりました。

次回は転院してから透析導入までを書かせて頂こうと思います。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。

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ミヨシ

ミヨシ
埼玉県在住。1974年生まれの主人が2007年6月8日に血液透析を導入しました。快適な毎日が送れるように試行錯誤の日々です。
外国へ渡航する際に不安で苦労した実体験を基に透析が必要な方とご家族のお手伝いができればと《海外透析予約代行「えがお」》を2009年に立ち上げました。

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