補正カルシウム濃度
別名:
略号:cCa
血中のカルシウムの約半分は血中の蛋白質(特にアルブミン)と結合しています。残りの半分は生理的作用を持つイオン化カルシウムです。
血液検査で測定しているのはカルシウムの総数なので、アルブミンが低値の場合はアルブミンと結合したカルシウムが減り測定結果のみでは低カルシウム血症と判断されますが、生理的作用を持つのはイオン化カルシウムだけなのでイオン化カルシウムの値が正常であれば見かけ上の低カルシウムを気にする必要はありません。
透析患者さんは食事制限や透析によってイオン化カルシウムが喪失したり、また高齢者は食事量が少ないためアルブミンが低値となることがあるため、血液検査で測定されたカルシウム値をアルブミンで補正した補正カルシウム濃度の値が用いられています。透析前の補正カルシウム値が高いほど生命予後が悪いことがわかっています。低カルシウムでは筋けいれん、つり、神経症状、不整脈など、高カルシウムでは血管の石灰化や動脈硬化の原因となります。