CKDに伴う骨ミネラル代謝異常
別名:慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常
略号:CKD-MBD
腎臓は、ミネラル代謝調節に大きな役割を果たしています。CKDの進行にともなって起こるミネラル代謝異常を現す全身性疾患を、CKD(慢性腎臓病)に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)と言います。
血中のカルシウムとリンは相互にコントロールし合っています。カルシウムの濃度は副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンDによりコントロールされています。腎臓の機能が低下すると、この相互関係がうまく機能しなくなり、PTHが過剰に分泌され骨が溶け骨折しやすくなったり、骨や関節が痛くなったりします。PTHの過剰分泌によって骨から溶け出したカルシウムがリンと一緒になって血液の壁に付着し、血管の石灰化を引き起こします。血管の石灰化は心血管系合併症の原因にもなり、生命予後に影響を及ぼします。
CKD-MBDの基本的な管理は、まずは血清リン、血清カルシウム濃度、血清アルブミンを定期的に検査し、リンと補正カルシウム濃度、PTHの一種であるIntact PTHを目標値に管理します。