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全国透析施設めぐりの旅7 広島編・前編
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2016.1.7
今回は4泊5日の長旅です
まだ暑さの残る9月16日、大阪での仕事の後に臨時透析。17日の午前にも仕事をこなし、午後は車中で昼食をとりながら岡山へ移動しました。岡山では以前からお世話になっている方にお会いし、強行軍で倉敷観光。夜は美味しい食事とおしゃべりを楽しみ、翌朝広島へ向かいました。
岡山県から広島県へ
岡山駅から新幹線に乗れば40分ほどで広島駅に移動できますが、今日の行先は呉市ということで、約3時間にわたるローカル線の旅を楽しむことにしました。ツマが鉄子(鉄道好きな女性)のごとく調べ上げた「瀬戸内海を見ながら呉線を楽しむ旅」の始まりです。
まずは山陽本線で三原駅へ。そこから呉線に乗り換えます。
呉線とは、広島県三原市の三原駅から広島県安芸郡海田町の海田市駅に至るJR西日本の鉄道で全線単線。瀬戸内海とそこに浮かぶ島々を眺めながらのんびりと移動できる路線です。
この日はとても天気が良く、前評判通り車中から見える空と海がとても綺麗でした。
旅のメイン、臨時透析です
お昼過ぎに目的地である「広(ひろ)駅」に到着。急いでランチをした後は、今回の取材と臨時透析でお世話になる中央内科クリニックに向かいました。
まずは取材です。
透析室のナースステーション奥にある個室で、広島県、特に呉市近辺の透析医療の状況等をスライドを使って詳しく説明いただきました。
呉市は人口15万人以上の都市の中で一番高齢化率が高く、30%にのぼるそうです。
そしてかつての海軍の街らしく、旧海軍で働いていた人のための病院が数多くあります。
中央内科クリニックに関しても詳しくお話をうかがいました。
患者数は210名で、そのうち瀬戸内海の島々から1時間半〜2時間かけて通ってらっしゃる患者さんが30〜40名いらっしゃるそうです。交通の便の悪い島の方々のための送迎もされているとのこと。
またご高齢の方が多く、食事がしっかり摂れない方の栄養状態の管理が課題だそうです。
特長としては個人透析装置を導入し、個々の状態に合わせた透析を行なわれています。
お話の後は施設の中を案内いただきました。
まず見せていただいたのが「栄養相談室」。管理栄養士さんからしっかりとしたサポートが受けられます。また患者さん向けの試食会を開催したり、製薬メーカー主催のレシピコンテストで賞を取られるなど、精力的に活動されている様子がうかがえます。
続いて炭酸浴室や車いす用の浴室、長い廊下を抜けて入院病棟へ。
どの部屋も広くてきれいなお部屋ばかりです。
在宅透析のトレーニングに使う個室もありました。
開放的なロビーを抜けた先にはリハビリテーション室もあり、さまざまな要因で生じた機能低下に対してリハビリを行っています。
川合先生とのツーショットの後はいよいよ臨時透析です。
間接照明で目にも優しいフロアに案内され、透析条件もいつもと変わりなく5時間の血流350mL/minでスタートしました。
ベッドは約80台ありますが、ベッド間隔はゆったりとしています。
透析中も少し川合先生とお話をさせていただきました。
普段透析中にテレビは見ないのですが、その土地の地元色を感じられる番組は実はなかなか面白いので、旅行先での臨時透析の場合は見ることもあります。今回も楽しみました。
それと改めて感じたことは、テレビはオーバーテーブルに置いてある方が観やすくて良いですね。
最近は背後からアームで取り付けられているテレビも多くありますが、それだと私のように透析中に頭を起こして過ごす患者にとっては、顔と画面が近すぎてとても観にくいですし、テレビは前方に置かれている方が自然で観やすいと思います。
いつも通りに時間を過ごすことができ快適に透析も終わり、呉港近くのホテルに宿泊。ゆっくり休んで次の日のために英気を養いました。
>>次ページ観光三昧の1日、スタート!
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