じんラボ所長室腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
製薬企業で講演を行いました
2013.10.25
2013年10月10日(木)、エルメッド エーザイ株式会社様の社員研修にて、じんラボ所長であり、株式会社ペイシェントフッド代表の宿野部武志が講演会を行いました。参加されたのは15名で、製薬の研究開発や商品企画などに所属される方々でした。
まずエルメッド エーザイ株式会社のご担当者様より、本研修の趣旨説明が行われ、「患者様の意見を直接聴くことで、それぞれが何らかの気づきを持ち帰り、業務の中で役立ててもらいたい」とお話がありました。
続いて宿野部の講演です。
講演タイトル『腎臓病・透析とともに生きて』
- 自己紹介
- 腎臓病・透析について
- 国内の透析患者の現状
- 透析患者を取り巻く医療費助成制度や社会保障制度
- 透析患者の生活
- 透析患者のキモチ
- ワークショップ
- 医療に関わる皆様へのお願い
「1. 自己紹介」では、長い闘病生活の中での医療・福祉との関わりから生まれた、宿野部の「医療」における当事者としての思いなどを語りました。
「2. 腎臓病・透析について」では、自身の経験にひも付けながら、慢性腎炎、慢性腎不全、透析導入と病気の進行について、また透析とは、シャントとは何かを説明しました。医療業務に携わる方々でも普段なかなかシャントを目にすることは無いと思います。シャントの構造を知るとともに、実際のシャントに触れ、人工透析がどのような治療であるかを確認しました。
「3. 国内の透析患者の現状」では、患者数や平均年齢、主要原疾患等についてデータを用いて説明しました。
「4. 透析患者を取り巻く医療費助成制度や社会保障制度」では、透析患者を支える制度の説明に宿野部が実際に使用している医療券や受給者証等を用いました。
「5. 透析患者の生活」では、一般的な就労している透析患者の生活サイクルを例に透析治療による時間的制限と、水分・食事制限について説明しました。
「6. 透析患者のキモチ」では、透析患者のたどる心理プロセスを宿野部自らの体験も交えて説明しました。
透析を受けなくてはならないという「ショック」、まさか自分がそんなはずはないという「不信」「否認」、これからどうなっていくのだろうという「不安」「いらだち」、そして現実に透析を受けるようになってからの「不安」「受容」という流れです。しかし、現実には「受容」へとは向かわず、もうこれ以上治療は受けたくないという「透析拒否の心理」に陥る人もいるという話しに至ると、多くの参加者の方がショックを受けた様子でした。
「7. ワークショップ」では、4チームに別れ、次の2つの課題についてディスカッションを行いました。
課題
- あなたが今、透析患者になったら、生活がどう変わりますか?
- 一緒に住んでいる家族が透析をするようになったら、家族にどのような変化があるでしょうか?
参加者の皆さん一人一人が、患者や患者の家族の立場に立ち、透析治療に向けての生活や、今後の生き方など真剣に議論を交わしました。時には宿野部もその会話に交じりお互いの考えを確認しながら進めました。最後にチーム毎のディスカッションの内容をまとめ、発表することでその場全体の共有を行い、最後に宿野部からのメッセージを読みあげ講演は終了です。
参加者の皆さんからの感想
- 自分の業務を通じてどのように患者様の役に立てるかという視点を得ることができた。
- これまでは映像からみた透析治療のイメージしかなく、具体的な説明が聴けてよかった。
- 患者様の声を直接聴く機会がなかなか無く、本研修を通じて貴重な体験をすることができた。
所長・宿野部から医療の現場に身を置く方々へのメッセージ
私が医療の恩恵を受け生きてきた患者の一人として、「体験」、「想い」をお伝えすることで、患者の生活や気持ちを知っていただき、医療に携わる一員として考え、感じていただきたいと思います。また、患者のニーズを満たすような気づきや新たな取り組みのヒントを得るきっかけにしていただきたいと考えています。
それが、私にできる患者、家族、医療の現場に身を置く方々への貢献の第一歩であると確信しています。
株式会社ペイシェントフッドでは、
医療関連企業向け、また医療スタッフ向けの
講演会などを承ります!
新人研修や、社員向けの集合研修など、
ご検討の企業様、医療施設様は是非ご相談ください。
当社研修のメリット
(1) | 透析患者の生の声を聴くことができます。 患者にとって医療サービスや医療製品がどのように役に立っているかを知ることで、就業モチベーションの向上や新入社員の意識付けが行えます。 |
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(2) | 患者が自らの透析経験から学習した言葉で説明します。 患者が理解した言葉で、透析治療に関する説明しますので、非常に分かりやすく新人研修などにもご活用頂けます。 |
患者の生の声を聴くことで、製品開発のヒントや自身の業務の振り返り、気づきなどが得られます。ぜひご検討ください。
ご相談は以下のメールアドレスまたはお電話で。
株式会社ペイシェントフッド問い合わせ先
メールアドレス: | |
TEL: | |
担当: | 宿野部(しゅくのべ) |
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