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出掛けよう!私たちの世界は広い。【第5回】
花の都 〜パリで旅行透析編
2018.5.21
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- 【第1回】地中海に浮かぶ美しい島。マルタ共和国〜紹介編〜
- 【第2回】地中海に浮かぶ美しい島。マルタ共和国〜マルタ透析レポ編〜
- 【第3回】日常を抜け出そう〜透析患者さんの旅行準備編〜
- 【第4回】聖ミカエルの島へ 〜モンサンミッシェル編
- 【第6回】おまけのドバイ編
前回は旅の話の始まりとして、モンサンミッシェルを訪れたお話をしました。
続いて今回はメインの滞在地でもあり、透析の拠点でもあったパリでの事をお話しします。
ロケーション重視で選択、愛らしい素敵なホテルに滞在
花の都と謳われるパリ。エッフェル塔や凱旋門、或いはルーヴルやオルセーなどの美術館、セーヌ川のほとりで語らう恋人たち、繊細ながら濃厚なキュイジーヌ…。思い起こすものはそれぞれでも、多くの人を惹きつける魅力の尽きない美しい街。
パリの中心部は、セーヌ川の中州でありパリ発祥の地ともされるシテ島を中心に1区〜20区が渦巻き状に配置されており、その形状から「エスカルゴ」とも呼ばれます。
滞在中の時間を最大限有効に使いたいから、パリではロケーション重視で二つ星のプチホテル Hotel des Arts に滞在。オペラ座やプランタン、ギャラリー・ラファイエットなどのデパートも徒歩圏内でメトロ駅も近く、近隣にはグロッサリーストア等もあってとても便利。
観光にも勿論便利だったんだけれど、パリでの「暮らし」をちょっと体験できるような、内装も愛らしい素敵なホテルでした。
あえて英語で透析施設を予約
透析をお願いできる病院も、大都市パリには複数存在します。中には日本人のコーディネーターを置いて、日本人透析患者の旅行透析を積極的に受け入れている病院も。
私が今回病院選びで重視したのは、立地と時間帯。日中の時間を有効に使いたいから、準夜帯で透析を実施している病院をピックアップしてメールでコンタクトを取りました。
今回も自力で。検索のしかたなど「第2回:マルタ透析レポ編」でも少し紹介していますのでそちらも良かったら参考にしてください。
フランスですが、検索も連絡も敢えて英語で。英語のホームページがあったり、英語で予約完了までのやり取りができるところなら、少なくとも英語を解すスタッフはいるはずなので安心です。だって私はフランス語なんてカタコトともいえないレベル。透析の際の条件等の最低限の意思疎通は英語でできれば安心だもの。
何軒かは満床で即お断りされたり、無視状態で返信も貰えなかったりもしたのですが、なんとか無事にパリ中心部での準夜透析の予約ができました。
メール連絡で最低限の患者情報を添えて日程のリクエストを入れ、仮予約ができたら英文の紹介状と血液検査結果(B型肝炎、C型肝炎、HIV検査結果含む)とバイタルデータ、直近2回の透析レポート等を提出し、旅程と宿泊先を伝えて予約確定。ちなみに今回は3ヶ月前くらいから現地病院を探し始めて、予約を確定できたのは1ヶ月前でした。
パリの透析施設事情
今回お世話になったのは、B.Braun Avitum Paris ANDRAさん。透析クリニックは郊外が多い中、こちらはエスカルゴ圏内で立地も便利。支払いは現金のみ、1回302ユーロでした。料金については国によって街によって病院によって本当にまちまちなので、予約の際に金額と支払方法は必ず確認するようにします。
また、ESA製剤(エポジン等の造血剤)は持ち込み使用可の病院もありますが、ESAは要冷蔵の製剤であり輸送時に変質の恐れがあるためとのことで、こちらでは持ち込み不可でした。
18時〜22時の4時間透析を2回。海外では多くがそうですが、リクライニングチェアで着替えずそのまま透析を受けます。軽食のサービスと、フリーWi-Fi、タブレットの貸し出しもありました。そしてさすがは透析先進国? 自己穿刺もさほど珍しがられることもなく。
海外で透析をする際は一旦全額を支払いますが、帰国後に健康保険の国内実施相当額程度の払い戻しの手続(海外療養費給付制度)ができますので、忘れずに還付申請に必要な書類(診療内容明細書・領収明細書 等)を事前に準備し、透析を受けた医療機関で記載してもらいましょう。
写真で紹介、美しい街パリ
さて、主に透析のお話となりましたが、美しい花の都のことも少しご紹介させてください。
パリの美しさを紹介するには…言葉を連ねるよりも、写真をみて戴いた方が早いかな。
オペラ・ガルニエ。ファントムが地下に棲む、かしら。
宝石店が軒を連ねる、ヴァンドーム広場の雨上がりの夕景。
オランジュリー美術館、モネの「睡蓮」。やわらかな色の織りなす静かな世界。
ルーヴル美術館、ミロのヴィーナス、モナリザ、そしてサモトラケのニケ。
ラングドン教授の姿を探したくなる、ルーヴルのピラミッド。
ノートルダム大聖堂の壮麗な薔薇窓と、空に響く鐘の音。
夜のエッフェル塔のシャンパンフラッシュ。
エッフェル塔の展望台から眺める、宝石のようなパリの光。
冬のパリの朝焼け。
朝陽を浴びて桃色に染まるノートルダムの後塵。
サント・シャペルの、一瞬言葉を失う一面のステンドグラス。
それから勿論、美食の国ならではの目にも舌にも美味しいお料理。
ホテルの目の前には、パリで一番の人気店だという大衆食堂「シャルティエ」も。パリっ子も並ぶという珍しいお店で、本当に夜遅くまでいつも大行列。
私たちも滞在中に一度、ランチタイムとディナータイムの間の中途半端な時間を狙って出掛けてきました。それでもやっぱり小一時間並んだんだけれど。名物のエスカルゴや鴨のコンフィ、リーズナブルで美味しい!
面白いのは紙のテーブルクロスに直接オーダーを書き込んで、最後はそこで筆算で精算(笑)。
パリで過ごした濃密な時間。
そう、この花の都は一度訪れたなら誰もが恋してしまう、そんな街。
Au revoir, Paris. きっとまた逢いにくるよ。
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