私は蘇る腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
【第5話】再度の透析、生き抜く決意。
2018.12.25
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大学病院を退院して、自宅に帰る際の高速道路。
あいにくの雲で見えませんが、道(人生)の先には決然とした富士山の勇姿があります。
移植から33年後に腎機能が低下
「人生いろいろ…」という演歌もありましたが、病歴ばかりが長くなり、父から頂いた腎臓は移植から33年経ったところで機能が低下してしまいました。
「次の選択肢は血液透析か、腹膜透析か、腎臓移植」と主治医から示された時のショックと絶望感は、実は最初の病気の告知よりも大きかったです。
「ああすれば良かったのかな?」「こうすれば良かったのか?」「何をしていればもっと長く生着したのだろうか?」と。また父に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
治療で治る病なら希望もありますが、治らないと分かっていてする治療の選択に大いに悩みました。
深い悩みの中、腹膜透析を選択
最終的に、既に腹膜透析をしていた友人からの勧めで再度透析を選択しました。
彼女はとても活動的でした。腹膜透析をしていると知らされなければ、透析患者だとわからない程でした。彼女は「周囲にも腹膜透析を勧めているけど、穴の開いたお腹のビジュアルや、自分で手技をしなくてはならないことを嫌がる人が多い」と残念がっていました。
この時の私は、そもそも血液透析は最初から眼中にありませんでした。
最初の透析導入でシャント手術を失敗されていたこと、透析センターの環境が悪かったこと等から心身共に深く傷ついていたため選択肢に無かったのです。腎臓移植については可能性すらないと考えていました。
結果、深い悩みの中で腹膜透析の選択を決意しました。
私の腹膜透析ライフ
マイ透析室には和室を使用しました。客間でもあったので来客の際は本当に困りました。飲み食いは極力しないようにしながら対応していました。また猫も絶対に入って来ないように細心の注意を払っていました。
自宅の透析室で腹膜透析を快適に過ごせるように工夫しつつ手技も上手になると、腹膜透析を選んで良かったと思うようになりました。手技が慣れと共に精神面も安定してきたからだと思います。
トラブルもなく、家族の協力もあって、割と快適な腹膜透析ライフを過ごすことが出来ていました。透析液は「命水(メイスイ)」、透析機器などは「相棒(アイボウ)」と命名していました。
しかし腹膜透析は永遠に継続できる訳ではなく、上限は10年と聞いていました。ならば悔いのないよう腹膜透析ライフを頑張って生き抜こうと思い、透析液のセットを持ち運びながら、家族との旅行や遠方にもどんどん出かけていました。
家族も協力してくれていたので心強かったです。使い切った透析液の廃液パックや段ボール箱を捨てるのは夫の役目、とても感謝しています。
考え方を変えたら、気持ちが楽になる
大きな絶望を経験してから、「悔いのないよう頑張って生き抜こう」と考え方を変えただけで気持ちがとても楽になっていくのを感じました。
それまでの後ろ向きな考え方も、腹膜透析をするようになってからは返って前向きになりました。逆境に遭遇したのに、前向きな考え方を持てるようになるなんて不思議ですね。
「腹膜透析の次は、血液透析をしていくしかないだろうな」と思いつつ、念のため献体腎移植の登録をすることにしました。
この登録がきっかけで人生が大きく旋回し始めました。
次回は最終回「再移植」についてお話しします。
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