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【第3話】結婚そして妊娠
2019.7.22
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移植後、気持ちや身体は一変
能天気な私は、透析をそれ程苦痛には感じていなかったものの、旅行に気軽に行けないことや週3回の拘束をただただ不便に思っていました。
しかし、移植後はまず気分が違いました。気持ちは明るくなり、食べ物ももちろん美味しく、水分も果物も普通の人と同じように摂ることができます。そして身体も軽く感じ、「今まで本当は疲れていたんだ!」と気づかされました。普通に食べて、普通に毎日を過ごせる、ただそれだけのことが尊いことなんだ、とつくづく感じたのです。
移植で変化したことは、ム―ンフェイスと言われるように顔が丸くなったこと、体毛が濃くなったこと、手足の筋肉が減り細くなってしまったことなどでした。これら変化(副作用)は薬が減らされていくことで、それなりにだんだん治まっていきました。
そうして退院から5ヶ月後、職場復帰してからは週5日働き、月1回通院する日々を送りました。
交際相手と共に通院
話は遡りますが、私には透析導入前からお付き合いをしていた男性がいました。透析を導入した頃に働いていた会社の同僚です。その会社では25歳〜27歳位まで2年半程働いていました。入社した頃は、慢性腎不全保存期で徐々に体調が悪化し、上がっていくクレアチニンの値に気を揉んでいた時期です。
月に1度の通院日は会社の定休日を使っていたので、休みを貰うこともなく通院できていました。
ある時突然「今度、一緒に病院に行ってもいい?」と言ってきたのが、今の夫であるO君でした。普通に同僚として社内で良く話をしていたとはいえ、少し驚きましたが一緒に病院に行くことにしました。
通院の当日は、検査終了から診察までの長い時間一緒に待っていてくれました。もう28年も前のことなので何を話したか等は記憶にありません。病院の後はせっかくだからと映画を観たのですが、これもまた何を観たのか残念ながら忘れてしまいました。
その後は自然な流れで私とO君のお付き合いが始まりました。
病状が悪化し透析導入になった時も、O君が病院まで車で送ってくれました。O君は腎不全や透析等について詳しくは知らなかったと思うのですが、私の病気を自然に受け入れてくれていました。
透析導入後も、それまでと変わりなく仕事、透析、そして休日には2人でいろいろな所に出かけていきました。
そして移植のため入院した時にも、毎週お見舞いに来てくれて、外出できるようになったら一緒に買い物に行ったりもしました。
相手のご両親にも迎え入れてもらい結婚
こうしてお付き合いが続き、移植した翌年の8月に入籍、10月に親族だけで挙式しました。結婚するにあたり、O君のご両親は私の病気を気にすることもなく、賛成して迎え入れてくれました。私としてはやっぱり病気を引け目に感じていたので、本当に有難かったです。
入籍後は、引続き週5日仕事、月1回通院の日々に新たに家事が加わり、忙しい日々を送りました。結婚前は実家暮らしで、母に甘えて家事をあまりしていませんでした。母のありがたみがまたしても身にしみていた時期でした。
結婚した翌年の7月頃、妊娠がわかりました。妊娠がわかった時は本当に嬉しかったです。
透析が始まった時には命を繋ぎとめてもらえたことに感謝し、母から腎臓をもらった時には自分の身体で再び生きることができて、今度はそんな自分が次に命を繋げていけるなんて、有難い経験です。
無理をしないで大切に育てようと思い、お世話になったクリニックの仕事を辞めることにしました。
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