アミロイド
別名:
略号:
アミロイドは炭水化物と結合した繊維状のグロブリン型親水性蛋白質で、特に網内系組織に多い物質です。アミロイドーシス(アミロイド症)とよばれる疾病の場合に、アミロイドが全身の臓器の血管や組織に沈着します。アミロイドは肝臓、脾臓、腎臓に沈着することが多いですが、心臓、骨髄、皮膚、甲状腺などに沈着することもあります。光学顕微鏡では均一にみえますが実体は不均一な線(繊)維状の沈着物です。
アミロイド繊維は径8〜10nmで、βシート構造をとりやすいため、非常に分解されにくく、水に溶けません。アミロイドA蛋白(AA蛋白質)は、感染症や炎症性疾患などによって生じたサイトカインの刺激により肝臓で合成される血漿蛋白の一種で、炎症の程度を評価するための指標となります。アミロイドL鎖蛋白(AL蛋白質)は免疫グロブリンのL鎖に由来するアミロイド蛋白で、体内に沈着するアミロイド―シスにおいて細胞や組織間に沈着して線維化し、種々の臓器障害の原因となり、アミロイド腎症の中で最も重要とされています。予後が悪い原発性および多発性骨髄腫に伴うアミロイド―シスは、アミロイドL鎖蛋白質の沈着で生じます。