世渡りナビ(就業・社会生活)腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
慢性腎臓病(CKD)と仕事①:
働き続けるための知恵のリンク集
2023.11.13
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がんの診断を受けて仕事を辞めてしまう人は、2〜3割いるそうです。しかも、治療開始前に辞めてしまう人はそのうちの5割以上にのぼります。
自覚症状のないまま慢性腎臓病(CKD)と診断された方はがん程ではないかもしれませんが、ショックを受けて辞めてしまう人も少なからずいることでしょう。
仕事を辞めずに働き続けても、不当な配置換えや昇進、差別などを受けて辞めたくなってしまうこともあるかもしれませんが、収入の減少は生活の質(QOL)の低下にもつながります。
そこで、皆さんが働き続けるために大切なこと、必要なことを丁寧に取り上げ、QOLを底上げするための連載をスタートします。初回は知恵を身に付けるリンク集です。
腎臓病は、見た目では分からない「内部障害」
障害とは、「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態」に置かれる原因を指します。障害の分類には「身体障害」「知的障害」「精神障害」があります。身体障害の中にも細かい分類があり、腎臓の機能が低下した状態を含む見た目では分からない体の中の障害は「内部障害」とされています。
内部障害は見た目で分からないため、電車やバスの優先席に座れない、体調不良もサボりだと思われてしまうなど誤解や無理解に苦しむことも多く、周囲の人の理解や配慮が求められています。
内閣府「公共サービス窓口における配慮マニュアル -障害のある方に対する心の身だしなみ->障害種別の特性>内部障害のある方」(pdf)
絶対に知っておいて欲しい「合理的配慮」と「労働の権利」
合理的配慮とは、内部障害を含む障害がある人が障害のない人と平等になるようにする「必要かつ適当な変更及び調整」です。もし病気や障害が理由で不平等な扱いを受けることがあったら「病気はどうせ理解してもらえない」「自分がわがままなのかもしれない」と わきまえて しまう前に、この合理的配慮という言葉を思い出してください。
厚生労働省パンフレット「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です。」(pdf)
憲法ではすべての人に生存権を保障しています。その一環として働く「権利」も保障されています。病気や障害を理由にその権利を奪われることはあってはなりません。
e-Gov法令検索「日本国憲法第二十七条一項(すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。)」
治療と仕事の両立で悩んだら
今後の労働力の高齢化と、医療の進歩でかつての不治の病が「長く付き合う病気」に変わり、ますます病気を持ちながら働く方の治療と仕事の両立への対応が必要となる場面が増えると考えられています。
厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ ポータルサイト」
採用や賃金条件で差別を受けたら
病気や障害を理由とした不当な差別的取扱いは禁止されていますし、病気や障害に関係なく均等な機会を与えられるべき、と定められています。
病気を理由に対象から外されていたり条件が悪いなどの求人は禁止されています。
厚生労働省「雇用分野における差別禁止・合理的配慮」
不当な配置換えや待遇、差別などを受けたら
改正障害者差別解消法の2024年4月からの施行に伴い、適切な相談機関と調整し、取り次ぐための窓口が今年(2023年)10月に開設されました。職場などで不当な扱いを受けた場合で、相談先が思いつかない場合は連絡してみても良いかもしれません。
働く上で役立つ支援や制度が知りたい
治療と仕事の両立について、労働者が利用できる支援制度・機関の一覧です。
厚生労働省「治療と仕事の両立に関する支援制度・機関」(pdf)
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