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透析者が就労し、働き続けるために
【第1回】今一度整理!透析者の就労をはばむ壁
2013.9.2
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第3回となる今回より何回かに渡り、透析者が働くにあたってもう少し具体的に、どうしたら就労出来るのか、また働き続けることができるのかということについて、他の方のインタビュー・ご意見も交えて考えていきたいと思います。
まず今回は、様々な所で論じられていることだと思いますが、改めて透析者が就労するにあたっての課題・問題を整理してみます。
大きく5つに分けてみました。
1. 透析による時間的な制限
これは施設透析の方にとっては当然最大の問題だと言えるでしょう。
最低週3回、1回4時間以上(私は週3回、1回5時間)かかる透析時間に移動を加えると、透析に費やす時間は6〜7時間に及びます。この時間的拘束は就労にあたってとても大きな障壁となります。
2. 体調の問題
年齢、透析歴、体力、他の持病等により日々のコンディションは違います。また、翌日も含めた透析後の疲労感も人それぞれの感じ方があるでしょう。
身体だけではなく精神的なストレスの状態もしっかり勘案する必要があります。
3. 通院の問題
例えば正社員として働いていると、平日は就労後の夕方頃から透析を開始するいわゆる「夜間透析」をすることになる場合が多いと思います。
夜間透析をしていて、かつ距離的に通院できる施設が必ずしもあるとは限りません。
就労をしていくにあたっては、自宅、職場、透析施設、この3ヶ所の位置関係をしっかりと考える必要があります。
4. 企業側の問題
企業側の問題として、「透析者を採用しない」という現実があります。
また入社してから透析導入となった場合、仕事を継続していくことが様々な面で難しくなるケースもあります。
これは、まだまだ透析への理解が進んでいないということが大きな原因かと思われます。
企業側に理解を深めていただくため、現在患者会では企業向けのパンフレットを作成し、啓蒙活動に積極的に取り組んでいます。
5. 透析者自身の問題
これはどういうことかというと、正直に言って私自身も「病気に甘えてしまう」ことがあったのではないかいう反省があり、挙げさせていただきました。
もちろん透析という辛い治療をしているわけですし、また健康な人でもそんな時もあるとは思います。
透析をしながら働くことは、特に体調管理という面で難しいことではありますが、「無理せず、甘えず」という気持ちを持って日々生活することがとても大切なことではないかと思うのです。
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