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看護師さんに聞く! 透析看護の現場【3】
2014.5.21
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透析医療の現場は、医師、看護師、臨床工学技士、管理栄養士等さまざまな専門家によって支えられています。
その中でも、患者さんにとって最も身近な透析看護師さんとは、いったいどのようなお仕事なのでしょうか?
透析看護のお仕事内容について、4人の看護師さんにお話をうかがいました。
3人目は、腎内科クリニック世田谷の准看護師M.Mさんです。
腎内科クリニック世田谷
M.Mさん
日本全国どこでも、年齢に関係なく働ける経験になる
「日本全国どこでも、経験者なら年齢に関係なく雇ってもらえるのよ」
すでに透析看護師をしていた友人から聞いたこの言葉が、自分の将来を見据えて透析看護師になろうと思ったきっかけでした。
例えば旦那さんの転勤で仕事を辞めても、透析経験があればすぐに復職できる。他科の場合は年齢制限があったりするけれど、透析は経験があれば年齢に関係なく雇ってもらえる。これはとっても魅力的でした。
実際に、以前の職場には75歳でも働いている看護師さんがいたんです。
命がなくなっていく人の看護から生き続ける人たちの看護に
OLから准看護師になり、在宅看護(訪問看護の前身)を4年勤めました。在宅看護は看取り、緩和ケアが中心でした。命がなくなっていく人の看護から、透析という命に関わるけれど、生き続ける人たちに向けての看護に変わって14年が経ちます。
看取りを中心とした看護の経験から、生きることを選んだ透析患者さんには「透析は延命治療なんだから、ちゃんと(自己管理を)やっていこうよ」と正面から向き合っています。
もどかしいこともあるけれど、「透析の生活設計」は楽しい
実は、患者さんへの指導は大抵上手くいかないんです。お年寄りには「難しいことはわからない」と言われてしまうこともあります。
指導を理解してもらえず、例えば水が溜まって緊急入院なんて時はとても辛いです。患者さんの家に行ってまでの指導はできないのでもどかしいこともあります。逆に、患者さんの指導が上手くいったときは一番うれしいです。
患者さんの状態やデータを看て、患者さんがどうなっていくのかを見越して「透析の生活設計(看護計画)」を立てるのはとっても楽しいし、上手くいけば患者さんの希望も叶えられます。だから、話のわかる患者さんには「こうだったら、こうしたらいいんじゃないの?」って自分の考えを伝えます。
透析看護はゼロからのスタート
透析を介すると循環器の見方も変わるので、透析は経験を積み勉強する必要があります。今までの看護師経験を最初は全く活かせず、ゼロからのスタートです。とても大変なことですがそれを乗り越えると、今までの経験プラス透析になるのですごいキャリアになります。
友人には、透析経験を買われて大学病院へ転進された人がいます。
初めて透析看護を覚えた施設の先生に言われた一言
初めて透析看護を覚えた施設の先生に言われました。
「透析患者さんは血圧ひとつとってもひとそれぞれ。200ある人もいれば60位の人もいる。それを理解してから臨まないと透析看護はできないよ」
「本当は薬を飲んでいないのに飲んだとか、患者さんは医者には本当のことを言わないけれど、看護師には本当のことを言うんだ。本当のことを言えるような親しみのある看護師になって欲しい。そしてちゃんとした治療のためにそれをひろって医者に伝えて欲しい」
今でも心に残り、実践している言葉です。
「あの看護師さんは面白い」と自宅に帰った患者さんが家族に話をしたくなるような、親しみのある透析看護師を目指しています。
これから透析看護師を目指す方へのメッセージ
同じ施設に3年、最低でも2年はいてほしいと思います。
季節によって患者さんの水の増え、血圧のコントロール、食事等の状態が変わります。いつもと違うと思ったら季節の変わり目だったりするのです。だから1年を通して看てほしい。2年目になると今度は1年前と比較してわかることが出てきます。
さらに3年目になったら他の患者さんにも応用できます。
透析看護はとにかく積み重ねです。
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