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東京ネクスト内科・透析クリニック 第1回在宅血液透析患者会参加レポート
2014.8.7
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2014年5月24日(土)に、東京の日暮里にある「東京ネクスト内科・透析クリニック」で在宅血液透析(HHD)を実践されている患者さんたちの第1回在宅血液透析患者会が開かれました。この患者会のメンバーの方からのお誘いで、「じんラボ」所長の宿野部と、私、よしいなをきが参加してまいりました。
会場は、日暮里のホテル・ラングウッドの地下1階にある和食料理の店「天心」でした。
約束の11時30分にお店に到着すると、「東京ネクスト内科・透析クリニック」で看護助手をされている熊澤紀子さんをはじめ、看護師長である川畑さん、3名の臨床工学技士の方々、患者さんとその家族の方々12名が集まっていました。午前中の診療がまだあるとのことで陣内彦博院長は、少し遅れての参加です。
初めてお会いする方々ばかりだったので最初は緊張しましたが、自己紹介を終えてから少しずつ周囲の方々と話をしていきました。この日参加された患者さんは全て在宅血液透析をされている方、もしくはその介助をされている家族の方でした。私の隣の席は看護助手の熊澤さんで、彼女もご自宅で在宅血液透析をされています。
お料理を口にしながら談笑しているところへ陣内先生の登場です。
全員が揃ったところで乾杯した後、陣内先生が患者さん一人ひとりに声を掛け、在宅血液透析導入のエピソードを訊かれていました。そこで語られたエピソードを簡単にご紹介します。
「施設透析では、なかなか自分の望んだ透析が受けられず、色々な病院、クリニックを巡り巡って『東京ネクスト内科・透析クリニック』にたどり着きました。ネクストでの在宅血液透析への取り組みの話を聞いて、自分が望んでいるのはまさにこれだと思いました!」
やはり週3回、1回4時間の透析では、中2日空きのだるさや辛さがあるとのことで、在宅透析を選んだという患者さんが多かったです。
最初の施設から長時間透析を受けていた、という方もいました。
「最初に透析を始めたのが長時間透析やオーバーナイト透析で有名なクリニックだったんです。昼間は普通に働いて、一旦家に戻って支度後、夜クリニックに行って一晩オーバーナイト透析を受けていました。翌朝、クリニックからまっすぐ仕事場に向かうという生活をしばらくしていましたが、これが結構大変で、同じ条件で透析をするのであれば在宅血液透析しかないと始めました」
また、透析導入時にたまたま陣内先生に「あなたは在宅血液透析向きじゃあないか」と声を掛けられて始めたという方もいました。その方は「施設透析ってどういうものか知らないんですよ」と笑っていらっしゃいました。
一緒に食事をしていると、本当に皆さん顔色が良くて元気だということが分かります。その日は土曜日でしたので、私は少しセーブしつつ飲食するのですが、他の皆さんは遠慮なく飲み物のおかわりをしていました。少しぐらい飲み過ぎても家に帰れば、すぐに透析できて除水できるからなんですね。
「食事だって自由にしっかりと摂りたいし、その分仕事だって十分にこなしたいです。少しくらい飲み過ぎても、オーバーナイトで時間をかけて除水するから、血圧が下がったりすることもありません」ある患者さんはおっしゃいました。その方はオーバーナイトで9時間、隔日で透析をするので中2日空きは無いそうです。
在宅血液透析に関して、私と所長が一番気になることは自己穿刺でした。常々我々が口を揃えて言っているのは「人に刺してもらうのでも直視できないのに、自分で刺すのってものすごい勇気がいる」ということです。在宅血液透析を受けられる方は、最初に専門のクリニックで自分のシャントに穿刺をする自己穿刺のトレーニングを受けます。在宅血液透析を受けるには自己穿刺ができることが必須です。
「自己穿刺って大変じゃないですか?」と訊いてみました。
「人に刺してもらう方が痛いですよ。自分だったら刺していくうちに痛くない場所って分かるじゃないですか。基本はボタンホール(決められた位置にずっと針を刺し続けること)なので、感覚的な痛みは無くなっていきます」
なるほど。その方は、旅行中に施設で透析を受けなくてはいけない時でも自己穿刺をされるそうです。
「人に任せたら本当に痛いんで…。でも、地方の施設で自己穿刺をしていると、珍しいのかクリニックの全スタッフがベッドの周りに集まって見学されたのには困りました」
「在宅血液透析を普段されていて困ることってありますか?」とさらに尋ねてみました。
「まあ、ちょっとした非常事態があってですね、そうしたときは救急車を呼ぶこともあるんですが、救急隊員の方が自宅に透析装置があることを珍しがって、『これは何ですか?』って質問攻めにあったんです。後でゆっくり説明してあげるから、早く処置して下さいって感じで…(笑)」
また、臨時で施設透析を受ける際、長時間透析を受け付けてくれる施設はまだまだ少なく、時には「食べすぎだ」とか「蛋白質の摂りすぎだ」と怒られてしまうこともあるそうです。
在宅血液透析のメリットを訊くと、やはり以下のような答えが返ってきました。
「中2日空きを作らないので、透析不足は勿論、体がだるくなるようなことはありません」
事故の心配については、
「全く無いとは言えませんが、上手く動かないなどということが起こった時は、その日は無理に透析をやらないと決めています。すぐにクリニックに相談できる体制になっているし、いざという時は『東京ネクスト内科・透析クリニック』で施設透析を受けることができます」
とのことでした。
陣内先生の「東京ネクスト内科・透析クリニック」では在宅血液透析のサポート経験豊富なスタッフが揃っていて、在宅血液透析に取り組む患者さんを心身両面に渡ってサポートしていることがよく分かりました。
食事会を兼ねた今回の患者会も、在宅という性質上、普段は直接顔を合わせることができない患者さんたちのことを想って陣内先生が企画されたものでした。今後も患者さん同士の絆を強くするため、こうしたイベントを定期的に続けていきたいそうです。
【じんラボ特別研究員:よしいなをき所感】
坂井瑠実クリニック理事長の坂井瑠実先生に続いて、陣内先生からも在宅血液透析を勧められました。これも何かの縁なのかなと思います。うちは公共の賃貸住宅なので水回りの改築が難しいのですが、いずれ取材も兼ねて自己穿刺トレーニングを体験してみようかと考えています。
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