シャント
別名:
略号:
血液透析を行うためには、大量に血液を透析器に送り込むためのバスキュラーアクセスが必要です。ほとんどの患者さんが、動脈と静脈をつなぎあわせて静脈を太く丈夫にしたシャントを手術で上腕に作ります。
シャントには人工的な素材でを用いた外シャントと、自身の血管を用いた内シャントがありますが、外シャントには挿入部の炎症や感染症などの不具合があり、現在では最初から内シャントが作られます。しかし、内シャントにも長期の透析で狭窄や閉塞が起きることがあり、再手術を繰り返すこともあります。その他、血栓性静脈炎、過剰なシャント流量による膨瘤、静脈高血圧、スチール症候群などの障害が起きることもあり、これらバスキュラーアクセスの合併症(シャント不全)でも再手術などでのシャントの修復が必要となります。
シャントは透析患者さんにとっての命綱と言われます。管理が不十分な場合は、その分シャントの寿命は短くなります。血流が確保できない場合はシャントそのものに不具合があるのか、穿刺の問題なのか、透析の回路の折れ曲がりなのかなどをチェックし、血流不良による透析量の不足が起きないように気をつける必要があります。