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【第4話】透析専門の病院との良き出会い
2025.4.7
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元旦のハプニング
令和6年の元旦、朝から発熱があり、味覚が完全に喪失していました。元旦にも関わらず透析曜日であったので、透析のために病院へ出掛けました。看護師に体調を伝えると、早速、新型コロナウイルス感染症の抗体検査をし、陽性と診断されました。既に新型コロナウイルスは5類感染症の扱いとなっていたので陽性でも隔離入院は不要で、代わりにベッドの周囲をカーテンで仕切った隔離状態で対応してもらい、それまで通りマイカーでの通院透析が出来ることとなりました。
ウイルスの増殖を阻害し、抗ウイルス作用があるというカプセルを朝・晩各4錠、5日間でなんと40カプセルを飲み切りで服用しました。お陰で熱も下がり、味覚も完全に戻り後遺症もありませんでしたが、感染経路が全く不明でした。妻は私と同じベッドにも関わらず、免疫力があったようで感染せずに済みました。
元旦の透析を終えて帰宅し、家族みんなで談笑しながらおせち料理を食べていると、突然、烈しい振動が家を揺らしました。みんな床に身を伏せ、揺れが収まるのを待ちました。数分が、数十分に思えました。
私の住む富山県では滅多に無い震度5強の強い地震で、隣の石川県では大勢の死傷者、家屋の倒壊など大きな被害をもたらした、能登半島地震でした。
幸い、私の家族や家屋の被害は無かったのですが、予期せぬ事態が続き心の休まらない年明けとなりました。
透析専門の病院との良き出会い
シャント作製から透析導入の入院までを行った病院は県の基幹の総合病院で、継続的な透析は専門の他院へ転院することになっていたので、インターネットや実地で探索し始めました。
探索の条件は、これから一生付き合うだけに、出来るだけ自宅に近く設備が整っており、ベッド数が多く、透析の経験が豊富で、患者には丁寧に寄り添う病院としました。
市内にあるいくつかの候補の中から、事前の施設見学も行い、透析ベッド50床を抱え、当地で歴史のある病院に転院することにしました。基幹病院での透析導入の入院から既に4ヵ月が経過していました。
これから残された我が生涯を託すと思うと、特別な親しみを感じるものです。病院では、医師、看護師、臨床工学士、補助者など、いくつかの職域に分かれてそれぞれが分担し、皆さんプロ意識と患者目線重視で、使命感を持ち丁寧な仕事をされており、安心して任せられる施設です。
透析は、午前9時、午後1時半、夕方4時半開始の3コースとなっています。私は午前9時のコースで8時半には受付を済ませ、体重測定後、ベッドで待機します。毎朝、担当看護師が患者の体調を伺い、体調の変化を伝えるとその情報は担当医師に伝えられ、その後、医師がベッドに伺いにやってきて、適切に対応してくれるのでとても安心です。
この施設では透析可能なベッド数は50床、透析患者数は現在150人。大半が60・70代で80代も数名、まるで高齢者施設のようです。半数以上が男性、高齢の車椅子の方も数名おられます。
この病院では定期的にさまざまな検査が行われ、患者の容体をしっかりと管理しています。
- 毎月1回の透析前の採血(6・12月は透析の前後の採血)
- 腎臓のサイズ(特に嚢胞腎では腎臓は次第に肥大する)や腎臓の腫瘍の有無等を調べるための腹部CT(年に1~2回)
- 両手首・両足首の血圧と脈から下肢動脈の硬さと詰まりの程度を調べる動脈硬化度検査(半年毎)
- 心胸比(CTR)を知る胸部レントゲンや心電図(3ヵ月毎)
- 足の末梢血管の血流状態を測定する検査(半年毎)
- 心臓のエコー検査(年1回)
このように身体の健康状態のチェックと共に、透析に伴う合併症の早期発見にも注力がなされています。
県外に出掛ける場合は病院に予め届け出ると、「透析救急カード」が発行されます。透析条件等が記載してあり、万が一、出先で透析が必要となった場合に対応できるようになっています。実際、自身も「透析救急カード」を携行し、新幹線とレンタカーを利用して1泊2日で県外の霊園まで出掛け、コロナ禍で遠のいていたご先祖のお墓参りを5年ぶりにすることができました。
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