重複障害者からの福祉サービスへの願い腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
【第1話】重複障害の透析患者になって
2018.11.26
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皆さまはじめまして。
この度じんラボでの執筆の機会を得て、目の病気を患い重度の視覚障害の私が透析導入し、病院選びの際に体験したことおよび問題提起を連載形式でお伝えします。
生まれつきの弱視で、盲学校に通った学生時代
まずは私の自己紹介から始めます。
私が透析導入したのは昨年(2017年)ですが、もともと先天性緑内障という目の病気を持っていたため生まれつき弱視で、幼い頃からほぼ毎月大学病院の眼科に通っていました。目の手術は10回近く行い、視力は矯正が効かなかったため裸眼で0.1程度でした。
両親が決めたため小学校から盲学校に通いました。先天性緑内障は普通の緑内障に比べて病状が進行するスピードが速く、裸眼でも0.1程度の視力しかないため、黒板や教科書の文字が読みにくく勉強についていけなくなることを危惧したためです。
盲学校では小学部、中学部、高等部、そして専攻科と10年余りを過ごしました。寮生活だったこともあり、自分の学生時代、青春時代のほとんどすべての思い出がここでできました。
さて視力ですが、両親が心配したとおり学年があがるにつれて少しずつ悪くなりました。入学当初は拡大写本が読めたのですが、卒業する頃には普通文字での読み書きができなくなり、杖なしでは歩けなくなっていました。
「字が読めないのにどうやって執筆しているの?」と思われた方もいるかもしれませんが、それについて説明すると話が脱線してしまうので、今回は省略します。
急な体調不良から緊急透析導入
そんな私でしたが、卒業後は地元の福祉事業所に就職も決まり働き始めました。それから数年、仕事にも慣れてきて私生活も充実し、毎日を楽しく過ごしていましたが、昨年夏に急な体調不良からあっという間に透析患者にもなってしまったのです。
2017年6月、高熱と体のだるさで近所の内科医院を受診し、風邪という診断で風邪薬をもらって帰宅したました。しかし何日経っても良くならず、体のふらつきやめまい、腹痛その他、むしろ日に日に具合が悪くなっていきました。再度病院に行き血液検査をしてもらったところクレアチニンがまさかの10.5 mg/dL、すぐに眼科で通っている地元の大学病院への紹介状を持たされ、翌日受診→入院→緊急透析となってしまったのです。
透析導入と並行して原因を調べたのですが、糖尿病や高血圧の既往もないし、自己抗体その他を調べてみてもどれも陰性で、はっきりとした原因は結局わからずじまいでした。
次回はこの緊急透析導入となった入院生活についてです。
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