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移植者からみた最近の移植事情とは?【第3回】
移植後に気を付けるべきことはなにか?
2016.12.26
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今回は、移植後に気を付けるべき点をお話ししたいと思います。 移植後、基本的に何もなければ2〜3週間で退院することが出来ます。 退院後は1週間に2・3回の通院がありますが、徐々に1週間に1回、2週間に1回、1か月に1回と通院の間隔が長くなっていきます。何年かすると2ヶ月に1回の通院でも問題なくなり、1年に6回しか通院しなくて良いのですから本当に楽です。
ただし気を付けるべきことももちろんあります。
1. 急性拒絶反応
移植後半年以内に起こる拒絶反応です。最近はあまり拒絶反応を起こす方がいなくなってきましたが、10%ぐらいは起こるようです。
私が移植した時代は、具体的な数字は分かりませんが周りのほとんどの方が拒絶反応を起こしていたような感じでした。金曜日に退院して翌週月曜日に拒絶反応でまた入院とか、笑い話みたいなことがあったのです。
かくいう私も移植70日後に拒絶反応で入院し、大変辛い治療を受けました。結局3回も拒絶反応が起きて1か月半ぐらい入院していました。
とはいえ、あまり心配する必要もありません。急性拒絶反応は比較的抑えることが出来るようになってきました。急性拒絶反応で移植腎がダメになるケースはあまりありませんので、根気よく治療を受ければ大丈夫です。
2. 感染症
移植直後はまだ免疫抑制剤の服薬量も多く、感染症は腎機能に大きなダメージを与えることがあります。
泌尿器がらみの感染症や、ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)、帯状疱疹、インフルエンザなども注意が必要です。
移植直後は外出時にマスクをした方が無難です。私は3年連続で腎盂腎炎2回とインフルエンザを発症してクレアチニンが3.5ぐらいまで上昇してしまい、ビビりまくった経験があります(笑)。しかも2年連続で年越し入院でした。
また帯状疱疹は移植年齢にかかわらず罹る方がいます。私は移植後16年で罹り、会社を1週間も休んでしまいました。私の周りでも帯状疱疹に罹る方は結構いるように感じます。気を付けたいですね。
3. メタボリック症候群にならない
よく「移植腎を長持ちさせるにはどうしたら良いか?」という話を先生方にご講演いただきますが、結局は「適度な運動と太らないこと」に尽きます。
ただ移植後は保存期や透析期に比べて元気になりますので、どうしても太る方が多いです。
私などは主治医から「19時以降絶食!」と言われていますが、もちろん守れていません(笑)。これらの話が出るといつも周りから笑われてしまいますが、これでももうすぐ22年になります。ただ今後が非常に心配です。
4. 免疫抑制剤の副作用
最近は服用する免疫抑制剤の量も以前に比べれば大幅に減ってきていますので、副作用の事例を聞くことが少なくなってきたような気がします。ただしやはり白内障や大腿骨壊死などの副作用が出てくる方はいるようです。
眼科と整形外科の診察を定期的に受けた方が良いでしょう。
移植後に気を付けるべきことについて、自分の経験や周りの患者さんの事例から簡単に書いてみました。もちろんこれらは気を付けるべきことですが、あまり神経質になっても仕方がありません。頭の隅にいれておき、自分の体は自分で守るようにしたいものです。
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