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【第2話】食生活の工夫、透析ライフを受け入れいかに楽しむか
2018.9.10
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皆さんは透析ライフをどのようにお過ごしでしょうか。
「穿刺が痛い」「シャントの閉塞が怖い」「PTA手術が痛い」「長時間寝ているのがつらい」等、嫌なことを挙げたらきりがないですよね。
そんな中で、唯一の楽しみが「食事」という方も多いのではないでしょうか。ただ食事や食事療法も「食べれば水分摂取量も増える」「おいしいものは糖でできている」「リンが溜まる」等、悩みや問題点を挙げればきりがないですね。
そこで、食生活を送る上での私のやり方・考え方についてお話しします。
糖尿病食と透析食の違いに愕然とした3年半前
皆さん、透析導入の際に「食べ物や飲み物は必ず『計り』で計ってから食べましょう。」と教育を受けたと思います。でも、どれだけの方がきちっと計っているのでしょうか。そんな食べ方ではちっとも美味しくないですよね。しかし、この「食生活」を自分のものにできれば、透析ライフが少しでも前向きに過ごせるのではないでしょうか。
かくいう私も透析を導入した約3年半前、糖尿病食から透析食へ変えるために栄養指導を初めて受け、自信を無くしたことを覚えています。食べ物の成分や摂取方法を勉強しながら「できるかな?」と愕然としたものです。
本格的な栄養指導を受けて、数値が安定し診察回数が減る
もともと体格が良く、好きなものを食べたいだけ食べてきた病気をする前の私は、食べ物の節制などとは程遠い食生活を送っていました。ところが最近、栄養指導の先生に「血液検査の数値も安定して、食事制限も成功している。少しバランスが崩れても自分で修正できている」と褒められました。毎月1回本格的な栄養指導を病院で受けていましたが「もう、簡単な栄養指導の確認だけで良い」と言われたのです。
同時に、「血糖値も安定しているから、この状態ならば大丈夫」と、毎月1回の糖尿病外来も隔月の診察で良くなりました。眼底検査も「血糖値が安定して出血が止まっているので、半年に1回程度の診察で良い」と言われました。3年半程前には考えられなかったことです。いったい何が変わったのでしょうか。
食べ物の特性を知り、食べ方を変える
食事の内容を変えたことが、病状が安定した一番の要因です。では、具体的にどうしたらいいでしょうか。 まずは食べ物の特性を知りましょう。蕎麦はリンが高いからうどんにしてみる、でも塩分には気をつける。血糖が気になる方は「ベジファースト」で先に野菜を食べる、でもカリウムの値に気をつける。栄養士の先生の言葉を思い出しながら、自分なりに分かりやすく分析してみましょう。私の場合は、そういう癖をつけたため食事の前に野菜を食べないと口の中が気持ち悪くなり、自然と野菜に手が伸びるようになりました。
料理を楽しむようになったら食物と水分の摂取が適量に
そうしているうちに料理に興味が湧き、より食べやすく、美味しくするにはどうすればよいかを考え始め、高校生の娘と相談しながらの料理を楽しむようになりました。不思議なもので、自分で料理をし始めると、作っているときの匂いや味見などで食欲が上手く削がれ、おのずと食物の摂取量が適量に収まりました。合わせて水分摂取も増えないという相乗効果が生まれました。
「つらいこと」を「どうすれば楽しめるか」に変える
同じ透析を受けていてもさまざまな原疾患や既往症があると思います。まずは自分の健康状態や病気の特性を把握しましょう。それに合わせて、無理のないように生活習慣を変えていくと良い結果が出てくると思います。
かなり前ですが私は喫煙者でした。もともと意志は強い方でしたが「タバコを吸う習慣」から「タバコを吸わない習慣」へ考え方を変えることで、全くつらい思いをせず一発で禁煙を達成しました。
このように「とてもつらいこと」をあるがまま感謝して受け入れ、知識とアイデアで「どうすれば楽しめるか」に変えてしまうことが大切だと考えています。
なりたくて病気になったわけではありません。しかし、自分が抱えている病気や障害がどのようなものかを正しく理解・探求し、困難な道の中にも「不幸中の幸い」を導き出すべきではないでしょうか。
これは、病気の有無に関わりなく「自分で人生を勝ち取ること」だと思います。食事を変えるだけで長生きできるかもしれないのです。これほど見返りが大きいことはあるでしょうか。
これらの私のやり方や考え方は、あくまで私個人に特化したものです。一概に全ての患者さんに当てはまるとは言えません。1つの例として参考にしていただけると嬉しく思います。自分を客観的に観察し、特性を知り、自分のため、さらには家族や周囲の方達のためにも「透析ライフを受け入れ、いかに楽しんでいけるか」を皆さんで頑張りましょう。
次回は「仕事との両立について」です。
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