Intact PTH
別名:副甲状腺ホルモンintact、PTH-intact
略号:PTH-INT
血中のカルシウムが低くリンが高い状態が長く続くと副甲状腺がだんだん大きくなりホルモンを必要以上に分泌するようになります。この状態になると過剰に分泌された副甲状腺ホルモンによって骨が溶け骨折しやすくなったり、骨や関節が痛くなったりします。また骨から溶け出したカルシウムがリンと一緒になって血液の壁に付着し強い動脈硬化を引き起こしたり、血管、心臓の弁、関節などに付着し重大な心血管系合併症の原因になります。
血中のカルシウムが低くリンが高い状態が続かないように、カルシウムが低い場合は薬(主に活性型ビタミンD製剤)で調整できますが、リンをコントロールするには透析量の増加、リン吸着薬の使用、食事での制限が必要です。
IntactPTHは副甲状腺から分泌されるホルモンの一つです。甲状腺から分泌されるカルシトニンというホルモンやビタミンDとともに、血中や体液中のカルシウム濃度を一定に保っています。常に血中のカルシウムの値を監視していてカルシウム濃度が低下すると分泌が高まり、骨に含まれているカルシウムを取り出し腸からのカルシウムの吸収を促進することによって血中のカルシウムを増やす働きをします。