二次性副甲状腺機能亢進症
別名:腎性副甲状腺機能亢進症、腎性副上皮小体機能亢進症
略号:
続発性副甲状腺機能亢進症とも言われ、慢性腎不全において副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される疾患です。慢性腎不全になると、リンの排泄が低下して高リン血症が現れPTHの分泌を促進します。腎障害でネフロン数が減少することにより、PTHや繊維芽細胞増殖因子23によるリン利尿効果が不十分となり、血清リン濃度が上昇するので二次性副甲状腺機能亢進症が進展します。リンの蓄積と腎組織の障害で活性型ビタミンDの産生が障害されることにより、腸管からのカルシウム吸収が低下し低カルシウム血症が見られ、PTHの分泌を促進します。さらに腎不全が進展すると、副甲状腺細胞のカルシウム感受性受容体やビタミンD受容体が減少してネガティブフィードバックが作用しなくなることも影響します。軽度なら無症状ですが、皮膚瘙痒症、結膜炎、腎性貧血、高血圧および低血圧などの症状があります。
PTHの過剰な分泌は、骨から血中へのカルシウム吸収を引き起こし、骨がもろくなり骨痛や骨変形・病的骨折の原因となります。また、血中のカルシウム濃度が高くなると異所性石灰化が現れ、動脈硬化や心臓弁膜症、重篤な不整脈、関節炎などを引き起こします。