尿毒症
別名:
略号:
正常なら尿中から毒性物質が排泄されますが、血液から尿を濾過する糸球体の機能が10%以下になる末期腎不全の状態で毒性物質が血中に蓄積し、症状が出始めるのが尿毒症です。尿毒症性物質としては、蛋白代謝老廃物(尿素窒素、尿酸、クレアチニンなど)、副甲状腺ホルモン、活性酸素などが考えられています。腎臓には老廃物を排泄する以外に、水、電解質(ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、リンなど)のバランスや酸塩基平衡の維持、ホルモンの産生および不活性化の機能などがあります。尿毒症では、これらの腎臓の機能すべてが阻害されています。
高窒素血症、体液量の過剰、電解質異常、代謝性アシドーシス、意識障害・痙攣・知覚運動障害・精神異常などの脳神経系障害、心筋症・動脈硬化などの心血管系障害、肺浮腫・胸膜炎などの呼吸器系障害、口内炎・味覚異常・嘔吐・消化性潰瘍・胃炎・腸炎などの消化器系障害、瘙痒症・乾皮症などの皮膚系障害、網膜症・白内障など視覚系障害、貧血、細胞性免疫能低下・易感染症などの免疫系障害、腎性骨症など多彩な症候が見られます。食事療法や薬物療法では回復させることができず、透析療法が実施されます。