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酸塩基平衡

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体内の酸と塩基が緩衝物質、肺、腎臓の作用で調節され水素イオン濃度(pH)が一定に保たれていることを酸塩基平衡といいます。細胞内の化学反応の多くは一定のpHの環境で起こるため、ホメオスタシスの一環として食事や代謝で生じた酸と塩基を排泄して調節します。緩衝物質は血中の水素イオンが多すぎても少なすぎてもある程度中和してpHを元の値に戻します。肺は血中の水と反応して水素イオンを生成する二酸化炭素を放出することによって血液のpHを調節します。また腎臓は余分な酸や塩基を排出します。蛋白質の代謝でリン酸や硝酸、リン脂質の代謝でリン酸、糖代謝で乳酸や焦性ブドウ酸などが産生されますが、これら非揮発性の酸を排泄できるのは腎臓だけです。

細胞の代謝産物は酸性が多いので体液は酸性に傾きそうですが、これら調節系の働きでpHは7.40±0.05の弱アルカリ性に維持されています。6.8以下または7.8以上になると死につながります。pHが正常範囲を超えて酸性に向かう状態をアシドーシス、アルカリ性に向かう状態をアルカローシスといい、いずれも病的状態です。代謝性アシドーシスの原因としては腎不全や糖尿病が挙げられます。

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