with Kidney調査

第6回 当事者アンケートこころの健康について 調査結果

調査目的

慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease、以下 CKD)の治療と生活に関わるドキュメントや情報を全てマネージメントするための、カスタマイズして長期にわたって使える管理のしくみ「患者と医療者がつくった腎臓病とのつきあい方ガイド」を構築するにあたって、今現在のストレスや悩み、どんなことが不安なのか、それらにどう対処しているかなど、腎臓病と診断された皆さんのこころの健康に関してのアンケートを実施しました。

調査概要

調査方法Webアンケート
調査対象腎臓病の方、透析をしている方、移植経験者など腎臓病当事者
調査期間2023年9月1日(金)~ 9月28日(木)
有効回答数102名
病気とこころの健康

ストレスが病気を引き起こしたり、病気でのストレスが病状を悪化させるなど、ストレスと上手に付き合うことが療養生活の鍵を握っていることは疑いようがありません。
病気をもつ方々のストレス対処に関しては、ストレスと付き合う術を知っているか、自分の手に負えなくなったら専門家に頼ることができるか、などの当事者自身の課題と、医療者や医療施設が「体」だけではなく「こころ」も気にかけて相談環境などを整えているのか、というふたつの側面があります。
この両側面の実態を調査し、病気をもつ方がこころの健康をなるべく保ちながら生活するためのヒントを考える材料とします。

回答者の属性等

G1〜G2 G3 G4
(保存期腎不全)
G5
(透析をしている)
総計
女性 1 10 10 21 42
30代 2 2
40代 1 2 4 7
50代 1 8 5 9 23
60代 1 3 6 10
男性 4 6 9 40 59
20代 1 2 3
30代 2 1 3
40代 1 1 4 7 13
50代 2 1 17 20
60代 1 2 10 13
70代 1 3 2 6
総計 5 16 19 62 102
回答者の年齢とCKDステージ
Q1:腎臓病が分かってからのストレスや悩み、不安や落ち込みなどのこころの負担に対して対処できているか[n=102]
Aうまく対処している方だと思う17
Bほどほど対処できていると思う54
Cあまりうまく対処できていない23
D全く対処できていない7
Eストレスや悩み、不安を感じたことがないので対処は必要がない1
Q2:通院している施設のメンタルケアの相談環境[n=102]
A特に相談できる環境はない68
B気にしたことがないから分からない12
C心療内科や精神神経科の専門医がおり、診療・相談ができる7
D院内スタッフによる相談窓口がある7
E院内カウンセラーがいて相談できる体制になっている4
F提携しているメンタルクリニックがある1
Gその他3
その他の回答
  • 信頼できる看護師に相談している。
  • 他の病院の精神科に行ってます。
  • 鬱病があるので神経内科に通ってる。
Q3:腎臓病が分かってから今まで(透析をしている方は透析導入前まで)に感じてきたストレスや悩み(複数回答)[n=102:回答数=653]
A食事を制限せざるを得ない67
B治療のために生活習慣を変えざるを得ない63
Cこれまで通りにできないことが増える61
D病状が悪化することへの恐怖59
E体調不良のつらさ42
F家族への負担に対する申し訳ない気持ち38
G自分が病気であるという現実を受け入れられない31
H病気に関して人から傷つくことを言われたり、心無い態度をとられた31
I家族や友人、勤務先に病気のことをどう伝えるべきか悩んだ27
J金銭面で生活が苦しい26
Kうつ状態になったり、「消えてなくなりたい」と思ってしまった26
L通院や転職などによる環境の変化25
M相談する人がいない、孤立した23
N意識の混乱(幻覚、物忘れがひどい、注意力の低下、興奮する、眠れないなど)が起きた22
O仕事や職場、職種を変えざるを得なくなった22
P病気になった自分を責める気持ちを抑えられない21
Q治療や生活改善の結果がなかなか出ない19
R治療にうまく取り組めていない、またはそんな気がする18
S病気が原因の家庭不和9
T税金、ローンなどで支払いが滞納した8
U暴飲暴食、飲酒など誤った行動に走ってしまった7
Vストレスや悩み、不安はない4
W借金せざるを得なくなった4
その他の回答
  • 毎月検査しているが、この先どのように進行していくのか不安。
  • 同じ腎臓病者でも個々に程度や状況が違うので、ふとした言葉にイチイチ傷つく。敏感になっている。
  • 精神科と透析病棟でたらい回しにされて、なお解決しない問題がある。
  • 今は車で通院してるが運転ができなくなったらと不安。
  • ステロイドのせいでの睡眠障害が続くことと、新型コロナウイルス感染症と合わさり安静の指示が3年間続き、解除された後、体力、筋力がステロイド筋症の影響で中々戻らない。年齢的なものもあるかもしれないが、初めての経験で精神的にイライラすることが多くなった。
Q4:ストレスや悩み、不安を感じた場合に真っ先に相談する人[n=102]
A家族・配偶者またはパートナー36
B誰にも相談しない26
C友人・知人12
D通院先の医療従事者10
ESNSなどに書き込む8
Fメンタルヘルスの専門家、専門クリニック4
G患者会以外で同じ病気をもつ人3
H患者会1
I勤務先の産業医や心理士、カウンセラーなど1
Jオンラインカウンセリング(チャット、メールなど)や電話相談サービス1
Q5:Q4で「誰にも相談しない」と答えた理由[n=26]
A話しても分かってもらえないだろうから7
B口にすると余計につらくなるから4
C話を聞いてもらっても何も解決しないと思うから4
D誰かに相談する以外の自分なりのストレス解消法があるから4
E悩みやストレスがありすぎて何から話せばいいのか分からないから3
F愚痴を他人に話すことに抵抗があるから2
Gその他2
その他の回答
  • 自分で消化するしかないから。
  • 相談する相手がいないから。

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第12回:腎臓病や糖尿病の方のお金に関する実態調査
腎臓病・透析患者の方、糖尿病の方、腎臓移植経験者 + 当事者のご家族の方
~2024年8月29日

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  • 病院に行く前に
  • 病院にかかる心得
  • 生きることは選択すること
  • 治療の決定
  • 病状を具体的に伝える表現