with Kidney調査
回答者の属性等
G1〜G2 | G3 | G4 (保存期腎不全) |
G5 (透析をしている) |
糖尿病 (1型・2型とも) |
計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
~20代 | ― | ― | ― | ― | 9 | 9 |
30代 | 1 | 2 | 1 | 2 | 6 | 12 |
40代 | ― | 3 | 4 | 9 | 1 | 20 |
50代 | ― | 11 | 5 | 23 | 11 | 50 |
60代 | 1 | 1 | 1 | 13 | 2 | 18 |
70代 | ― | 1 | 3 | 3 | 1 | 8 |
80代 | ― | 1 | ― | ― | ― | 1 |
4 | 20 | 11 | 50 | 33 | 118 |
回答者の年齢とCKDステージ
この調査でわかったこと
2020年の内閣府の世論調査では全体のお薬手帳の利用率は約7割ですが、慢性疾患をもつ方を対象とした本調査では9割以上の方が利用しています(Q1)。
かかりつけ薬剤師がいる方は、2020年の内閣府の世論調査では7.6%であったのに対して、本調査では約4割(Q3)でした。なお、内閣府の調査では健康意識が高い方は薬局を決めている傾向にあり(26%)、本調査でも7割近くの方が薬局を一箇所に決めています。
お薬手帳に腎臓病を含む全ての持病を記載している方は2割に満たず(Q2)、かかりつけ薬剤師に自分の体に関わることをつまびらかにしていると仮定しても、薬剤師に腎臓病以外の病気・怪我などの情報を共有している方は6割未満ということになります。
かかりつけ薬剤師・薬局を選ぶ際の決め手として最も多かったのは、医療機関や自宅からの近さで、次いで能力の高さや魅力という回答、3番目に多かったのは医療機関の連携薬局や紹介でした(Q3-1)。また、かかりつけ薬剤師がいる方はそのメリットをしっかり感じているようです。
かかりつけ薬剤師や行きつけの薬局を決めていない理由は、ほとんどの方が近隣の薬局で問題がないとの回答でした(Q3-3)。
Q2:調剤の際の、腎臓病や糖尿病その他の病気やケガなどの体の状態の伝え方(複数回答)[n=118:回答数=143]
かかりつけ薬剤師なので薬剤師が私の持病を把握している | 48 |
口頭で伝えている | 32 |
お薬手帳に腎臓病を含む全ての持病を記載している | 20 |
お薬手帳にCKDシールを貼ってある | 4 |
処方せんから推測できるだろうと考えている(そのため特に自分から伝えていない) | 3 |
初回の問診票に持病は全て記載したため伝わっていると考えている | 1 |
伝える利点が分からないため伝えたことがない | 4 |
意識したことがない | 28 |
分からない、その他 | 3 |
Q3-1:かかりつけ薬剤師・薬局を決めている方 かかりつけ薬剤師・薬局を選んだ理由およびそのメリット
選んだ理由(抜粋)
医療機関または自宅の近隣
- 門前薬局の、積極的に学会に参加されていて知識も広範囲に及ぶ薬剤師に決めました。
- 病院に近い薬局の薬剤師に「かかりつけ薬剤師を希望する」と言われたため。
能力の高さや魅力
- 何でも相談できる薬剤師だから。
- たまたま入った薬局の薬剤師さんが感じ良かったから。
- 薬剤師が同じ病気なので気持ちを理解してもらえる。
- たまたま数回担当していただいた薬剤師さんは、薬の説明が非常に丁寧で、作用機序まで説明してくれました。また、薬の変更に伴う体調の変化や検査数値を細かくチェックし、疑義が生じた際には迅速に確認してくれます。他では見られないきめ細かい対応と専門性の高さから、ぜひこの方に任せたいと感じたためです。
その他
- 大手のほとんど欠品がない薬局を選んだ。
かかりつけ薬剤師・薬局のメリット(抜粋)
薬の配達
- 薬を病院に配達してくれる。
- 透析中にベッドサイドまで薬を届けてくれるので、自分で薬局に行く必要がない。不明な事はその場で対応してもらえる。
薬の飲み合わせリスクの予防など
- 初訪問の病院で、腎臓の機能が低下している場合は避けた方がよい非ステロイド性抗炎症薬を処方されている場合など、すぐに気付いて対応してくれる。
- 歯科など他科受診時も透析患者向けに減薬などの調整をしてくれる。
- サプリメントについてや服薬方法の変更などを相談できた。全ての使用中の医薬品を把握しているため相互作用など気付いてもらえる。
- イレギュラーな薬を処方された際には後日体調を確認してくれる。
- 担当医が代わった場合、インスリンの不足などに気付いてもらえる。
コミュニケーション
- 継続して通っているため経過を把握してくれている。
- 不要な説明がいらない、話が早い。
- 薬剤師さんが顔を覚えてくださって話しやすい。
- いつも同じ薬剤師が対応してくれるため、安心して話せたり質問できること。
- 市販の薬の飲み合わせをLINEでも確認できる。月に1回LINEで体調確認が入るためコミュニケーションが取れる。
Q3-2:かかりつけ薬局はあるが、かかりつけ薬剤師は決めていない方 かかりつけ薬局を選んだ理由およびかかりつけ薬剤師を決めていない理由
その他の回答
- 知人がいるため。
- 更生医療制度を利用するために薬局を指定する必要があった。
- 通勤で使用する駅前にあって当時22:00迄営業していた。
- 薬の一括管理ができるから。
その他の回答(抜粋)
- こじんまりとした薬局で、薬剤師全員がかかりつけのような感じなので。
- 大手調剤薬局のため薬剤師の移動頻度が高く、担当薬剤師が変わる可能性が高いため。
- 料金がかかるため。
Q3-3:かかりつけ薬剤師や薬局を決めていない理由
その他の回答
- 腎臓移植後に必要な免疫抑制剤を調剤してもらった駅前の薬局では過敏性腸症候群の調剤は断られました。在庫を置きたくないとの理由からです。
過敏性腸症候群は近所の医院で受診し、その近所の薬局で調剤を受けています。しかし、以前その薬局で調剤ミスがあり、信頼できないと感じています。本当は、勉強熱心で信頼できる薬剤師さんがいる駅前の薬局に他の薬の調剤もお願いしたいです。 - 糖尿病は院内処方、他の科を受診した場合もさまざまな事情でバラバラの薬局を利用せざるを得ないため、かかりつけ薬剤師を決めることが難しい状況です。
- 複数の持病があるため大病院で複数診療科受診しています。院内処方が可能で、かつ院内薬局からの勧めもあったため、院内処方を選択しています。
Q4:調剤薬局に求めていること(複数回答)[n=118:回答数=278]
処方薬・市販薬ともに服用している全ての薬をまとめて管理し、薬の重複や副作用を確認して欲しい | 67 |
かかりつけ医やかかっている医療施設と連携して服薬と健康に関して幅広く相談に乗って欲しい | 49 |
薬の飲み合わせなどに関して相談に乗って欲しい | 43 |
余ってしまった薬に関して相談に乗って欲しい | 24 |
市販薬やサプリメントなどを適切に選ぶために相談に乗って欲しい | 18 |
営業時間外の電話などによる相談に対応して欲しい | 17 |
緊急時の営業時間外の調剤に対応して欲しい | 16 |
薬の飲み忘れを防ぐ薬の管理に関して相談に乗って欲しい | 9 |
お薬手帳の使い方を教えて欲しい | 7 |
私の病気についての知識を持ってほしい | 1 |
特にない | 27 |
Q5:さまざまな医療者と接する中で、薬剤師はどんな存在か(自由記述)
いただいた回答(抜粋)
- 血糖値の調整に苦労しているときなどは気持ちを理解してもらえて助けられています。何かあった時は頼りになる存在です。
- 話しやすくて頼りになる。薬の飲み合わせを確認してくださり助かってます。
- たまに処方が間違っていることがあり、それに気がついてくれるので助かっている。
- 病院の後に訪ねるため、医師には聞けなかった・聞きにくかった事を聞ける。調剤の待ち時間で聞きたいことを思い出すことが多いので、最終確認ができる感じでありがたい存在。薬の副作用、効果などを分かりやすく説明をしてくれるのは助かる。不安解消にも繋がる。
- 飲み合わせの間違いをチェックしてくれる最終ゲート。
- 医師とはまた別のチャンネルで薬について教えてもらえる存在。
- 23年間お世話になった薬局が閉局になりました。密接に相談にのっていただき、医師には聞けないことも教えてもらい、飲み合わせ、副作用なども聞けて心強かったです。新しい薬局はこれから信頼関係を構築していけたらと思います。
- お医者さんより相談しやすいと思います。お医者さんはどうしても自身の専門のお薬に知識が偏ってるので、他科の受診で処方が出た時などは薬剤師さんがとても頼りになります。お薬の効能も詳しく教えてもらい、服薬への意識が高まりました。
- 医師がアレルギーを見落とした時、薬剤師が気づいて医師に問い合わせてくれた。頼りになる。
- かかりつけの医師と同じ考え・方針であって欲しい。
- 副作用に苦しめられたことがあるため、副作用に注力してほしい。
- 医者に言われた事と同じ事を繰り返されて苦痛な時がある。質問すると「医師に聞いてくれ」という対応には困る。
- 医師より遠い存在。
- いつも大量の薬の処方で申し訳なく思っている。
- 薬剤師さんの後押しで転院を決意できた。