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知っトク? こんな事〜患者・家族のお役立ち情報
【第20回】
日々の良い生活は足元から?
〜自分の足で歩けること、自分の足で立てること〜
2016.8.4
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梅雨も明け、日々の仕事で汗だくになりながら働いております。
私の仕事は透析室の看護助手なので、何かと言うと透析室を歩き回っています。一日でおよそ1万歩越えるか越えないぐらいの歩数になりますが、よく筋肉痛になるので湿布を貼って誤魔化しています。
最近では、Ingress(イングレス)というお散歩アプリをベースにしたポケットなモンスターの出るゲームアプリがリリースされて、世界中のあちらこちらで、歩きながらモンスターをゲットしている人が見られるようになりました。歩くことは認知症予防に役立ち、体力の低下を防ぐと言われています。また、私のような透析患者の場合自力で立ち、自力で歩くことはQOL(生活の質)維持のためにも重要なことです。
今年の4月に人工透析関連の診療報酬が改定されました。その中で新しく設定された項目があります。「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」といい、慢性透析患者(特に原疾患が糖尿病性腎症の方)の下肢末梢の血流障害を定期的かつ適切に評価して、治療または足病治療を扱う専門病院の紹介を行っている施設は、診療報酬が得られるというものです。かんたんに言うと、医療機関の領域の垣根を超えて「透析患者さんの足を守るしくみ」が制度化されたわけです。
現在、全国各地の透析施設において、高齢者の方が装具をつけていて透析ベッドに寝るのも一苦労するといったことが増えています。また、足の指などを切断したことで歩きづらくなり、車椅子に頼った生活をされているという事例もどんどん増えています。
足の末梢部の血行障害や爪の切りすぎで出来た傷、足をぶつけるなどで出来た傷が進行してしまい、さらに患者ご本人が軽く考えて放置していたことで悪化していき、不幸なことに切断を選択しなくてはならないという事例を私自身も見てきました。自分の足で歩けること、自分の足で立てることは本当に大事なことです。
こんな状況だけを紹介するのでは不安ばかりかき立ててしまいますね。最後にアスペクト比P流の簡単ウォーキングをご紹介したいと思います。
ウォーキングと言うと距離を歩かなきゃいけないとか、毎日やらなきゃと思うかもしれません。私の場合、毎回の透析時や出勤の際にちょっと早めに家を出て、目的地まで歩いていきます。その道すがら、綺麗な花や暖かい日差しの中で居眠りしている猫を見たりしながら、気に入った風景を探して、スマートフォンでパシャリと撮る。気楽にいつものコースをちょっと遠回りして、ちょっと時間をかけて歩いて行く。たったそれだけのことです。やらなきゃいけないと考えるよりも、いつもの買い物や通勤の際に歩く距離を少しずつ増やしていくなどのやり方のほうが、ずぼらな私には合っているようです。
いつもの道を歩いてちょっとだけ遠回りしてみたら、いつもの風景が変わって見えてくるかもしれませんよ。
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