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腎臓病・透析をしている方は知っておきたい
~猛暑を快適に過ごすための工夫
2022.7.4
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群馬県伊勢崎市で観測史上初めて6月に40℃超えするなど、2022年は例年より一足早く危険な暑さが全国を襲っています。梅雨入りしたばかりの頃は肌寒い日が続いたこともあり、急な猛暑に体調が優れない方も多いかもしれませんね。特に透析をしている方は汗をかきにくく、暑さに気づきづらいため、暑さ対策を万全にする必要があります。
夏を元気に過ごしていただくために、この記事では夏に取り入れてもらいたい、暑さ対策について解説します。
2022年から全国運用「熱中症警戒アラート」をチェック!
外出する予定がある日は、気温だけでなく環境省と気象庁による「熱中症警戒アラート」もあわせて確認してください。
熱中症警戒アラートは、「湿度」「日射・輻射など周辺の熱環境」「気温」の3つの要素をもとに算出された暑さ指数(WBGT)を活用し、危険な暑さが予想される場合に熱中症への警戒および熱中症予防行動を促すアラートです。2022年4月から全国で運用が開始されています。
暑さ指数の予測値が33℃以上になった地点がある対象都道府県などに対して、前日の17時頃と当日の5時頃に発表され、気象庁や環境省のウェブサイト、テレビやラジオなど各メディアで伝えられます。
外出する機会がある日は、あらかじめ熱中症アラートを確認して暑さが厳しくなる時間帯を避けて行動したり、暑さ対策を万全にして出かけましょう。
メール配信サービス(無料)に登録するともれなくアラートをキャッチできます。今年2022年は4月27日(水)から10月26日(水)まで配信される予定です。
※このサービスは環境省ではなく外部(バイザー(株))によるものです。
LINEアカウントがある方は、「環境省(@kankyo_jpn)」を友だちに追加することで熱中症警戒アラート・暑さ指数を受け取ることができます。
環境省「熱中症予防情報サイト LINEアプリを活用した熱中症警戒アラート・暑さ指数の情報配信」
暑さを避けるためのポイント
我慢せずエアコンを稼働! 室温は28℃にとらわれず自分が快適と思う温度に
東京都監察医務院の「令和2年夏の熱中症死亡者の状況【東京都23区(速報値)】」によると、2020年に熱中症で亡くなった200人のうち、約9割が65歳以上の高齢者で、屋内で亡くなっていました。また、その半数以上がエアコンがない、またはエアコンを使っていない状況でした。
エアコンは贅沢品ではなく、猛暑には欠かせない生活必需品です。暑いと感じたら無理せずエアコンを活用しましょう。
なお、環境省は適正な温度について「夏は28℃、冬は20℃」を推奨していますが、この温度は「エアコンの設定温度」ではなく「室温」を指します。エアコンの設定温度は必ずしもその室温になるわけではないので、自分が快適と感じる温度に調整しましょう。
扇風機は保冷材などと組み合わせて使用する
35℃以上の高温下での扇風機のみの使用は、かえって体を温めてしまうため逆効果だとされています。室内であればエアコンと組み合わせて、冷えた空気を室内に効率よく循環させることができますが、屋外での携帯扇風機などは使い方に注意が必要です。
対策としては、首に濡れタオルやタオルで包んだ保冷剤を巻き、その上から携帯扇風機を当てるのがおすすめです。
湿度が高くなりすぎないよう意識する
エアコンを稼働させてもいまいち快適にならない場合は、湿度が高すぎる可能性があります。室温が28℃の場合、快適に過ごせる湿度は55~65%とされています。
湿度が上がると体感気温も上がるため、部屋に湿度計を設置し、除湿器やエアコンの除湿機能を使って湿度にも気を配りましょう。
以下の「室内用のWBGT簡易推定図」を温度計・湿度計の近くに貼って確認できるようにしておくと便利ですよ。
室内用のWBGT簡易推定図Ver.3.1
衣類の色と素材選びのポイント
色によって服の表面温度は大きく異なります。色の異なる同素材のポロシャツ9枚を気温30℃の屋外に並べ比較する実験では、「黒、紫、青、深緑、緑、赤、黄色、グレー、白」のうち、白と黄色が最も低く、その次にグレーと赤が続く結果となりました。表面温度45℃を超えた範囲が最も多かったのは黒と深緑、緑で、次いで青や紫も高い結果となりました。
素材に関しては、遮熱・遮光素材や通気性が高いもの、涼感素材など、最近はさまざまな選択肢がありますね。サイズ感は服の中に風が通るゆったりとした熱がこもらないものが良いそうです。
暑い日は、白や黄色、グレーなど表面温度が上がりにくい色の服を選び、素材や風通しなどにも気を配ってみましょう。
マスク着用時の工夫
新型コロナウイルス感染症対策でのマスクの着用について、最近ではほとんど会話を行わない場合は屋内外問わず必要ない※とされていますが、透析をしている方にとってマスクを外すことに抵抗がある方は多いでしょう。その場合は、以下のような対策がおすすめです。
※屋内では、他者と身体的距離が確保できて会話をほとんど行わない場合以外はマスクの着用は推奨されています。
①通気性の良いマスクを着用する
布マスクやウレタンマスクは、不織布マスクと比べて飛沫の飛散や吸い込みを防ぐ効果は低くなりますが、蒸れや暑さは軽減されます。会話をしない場合は、適宜、通気性の良いマスクに切り替えるとよいでしょう。
加えて、夏向けのマスクを取り入れるとより快適に過ごせるでしょう。夏向けのマスクには冷感タイプ、吸湿速乾、通気性が高いもの、息がしやすいよう空間をキープするものなどさまざまあります。
②インナーマスクなどを利用して通気性を確保する
樹脂製の「インナーマスク」「マスクフレーム」などと呼ばれているものをマスクの内側に装着すると口元とマスクの間に空間ができ、息苦しさを改善できます。
③マスク用冷感スプレーやハッカ油をマスクに吹きかけて清涼感を出す
マスク用の冷感スプレーやハッカ油スプレーをマスクの内側に吹きかけることで、清涼感が得られます。効果は一時的なので、外出時は携帯サイズのスプレーボトルを持ち歩いて定期的に吹きかけるといいでしょう。メントール系の刺激に弱い方は、はじめは短時間・少量で問題がないか確認してから取り入れてください。
厚生労働省の「熱中症を防ぐために知っておきたいこと 熱中症予防のための情報・資料サイト」もぜひチェックしてください。
熱中症の総合情報サイトです。
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