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【第44回】
みんなで実行! 新型コロナウイルスの感染予防徹底で
第二波を防ぐ
2020.5.25
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昨年の今頃、「来年は世界中で新型の感染症対策でとんでもないことになって、オリンピックは延期されるよ」と言ったら、「小説や漫画じゃないんだから」と笑われていたのかなぁと、職場での感染対策や消毒作業で肌荒れを起こした指を見ながらこの原稿を書いています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で、多くの方々が不安な毎日を過ごしていることでしょう。特に高齢者基礎疾患のある方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方、私たちのように人工透析が必要な慢性腎不全患者は重症化しやすいと言われています。さらに、緊急事態宣言による自粛自粛の毎日で、心配のタネは尽きずストレスも溜まりやすいため、思わず食べすぎた! 飲みすぎた! なんてことも…。あ、それは私だけ? 申し訳ないです…。
改めて押さえておきたい
透析患者が気を付けるべき感染予防策
さて、徐々に感染者数は減少してはいるものの、引き続き感染対策の重要性が呼びかけられています。慢性腎不全患者はどんなことに気をつけて生活すればいいのか、職場でもらった感染対応などの資料を読んでまとめてみました。
- マスクの着用(飛沫感染の防止)
- こまめな手洗い(接触感染の防止)
- 日々の生活ペースを守って過ごす(体力の低下予防・免疫力低下の予防)
- 人ごみの中に長時間いないようにする
- 日々の検温・体調の変化の記録
マスクに関しては常識じゃないか! と思われる方もいるかもしれませんが、COVID-19やインフルエンザを含めたウイルス性の感染症は、飛沫感染が大きな感染ルートとの分析もあります。咳エチケットが広く広報されている現状を考えても、透析時・通院時を含めて外出時にはつけておくべきでしょう。不織布マスクがなければ昔ながらの布マスクでも顔へのウイルスの付着を防ぐという点で無意味ではありませんし、最悪タオルや手ぬぐいで口と鼻を覆うだけでも大丈夫です。
手洗いに関しては、手洗い用のハンドソープやアルコール消毒剤が手に入らない! という話をよく聞きます。確かにアルコール消毒剤も必要ですが、きちんとした方法で手洗いをしないと、いくら使っても効果は半減してしまいます。ハンドソープがなければ、固形石鹸をしっかりと泡立ててから手を洗い、流水でよく流すということを習慣化しましょう。外から家庭にウイルスを持ち込まないことは、家族間での接触感染予防の大事な対策の一つです。
これ以外には、ストレスによる暴飲暴食や睡眠不足にも注意が必要です。体力低下を誘発するため、ただでさえ低いと言われている慢性腎不全患者の免疫力を下げてしまう恐れがあります。
日々の体調や体温の記録を取ると異常を見つけやすくなるので、透析ノートや「とうせきくん(じんラボの透析管理Webアプリ)」などをうまく利用して、体調記録を習慣化しましょう。
第二波の恐れも…今後気をつけたいこと
日本の多くの地域で緊急事態宣言が解除されていますが、中国や香港、韓国では経済活動の再開後に集団感染が報告されており、COVID-19“第二波”の心配が高まっています。また、COVID-19はインフルエンザのように、終生免疫を獲得できないウイルスなのではないかとの見方もあり、油断は禁物です。
しかし、きちんとした対策をおこなえば、感染のリスクを減らすことができます。これから梅雨を経て夏がやってきますが、窓を閉め切らず、冷房を使っていても定期的に換気するよう心掛けましょう。
自分やご家族、大事な友人を守るためにもみんなで感染対策! というお話でした。
「感染したかも」と思ったら…
おっと、大事なことがもう一つ! もしも高熱をはじめ、味覚異常、嗅覚の異常、強い倦怠感、息苦しさなどといった症状が出た場合は、かかりつけの透析施設に必ず電話連絡し、指示を受けてから行動してくださいね。発熱したからと連絡もなしに病院に行ってもすぐに受診できるとは限りませんし、COVID-19は指定感染症のため、医療機関もそれ相応の対応が求められています。また、防護服やフェイスガードの着用などの対策を行ってからではないと病院は受け入れができないのです。
異常な状態で心細い中、電話連絡を行うのはしんどいことかもしれませんが、感染拡大予防のためにも、もしものときの心構えとして覚えておいてくださいね。
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