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透析になって改めて知った食事の大切さ

【第1話】蛋白尿を軽く見ていたら

2023.10.23

文:美峰

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尿検査イメージ

みなさんはじめまして。美峰(みほう)といいます。
このペンネームは以前お花を習っていた時に付けたもので、「綺麗な名前だな」と自画自賛しています。学校栄養士として働いていた私が慢性腎炎から透析となり、改めて実感した食事の大切さについて、数回に分けてお話ししていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。


学校栄養士の私が腎臓病に

私が初めて腎臓病と診断されたのは、専門学校を卒業し、学校栄養士として働き始めた頃でした。
何だか体がだるくてしょうがない。
最初は、慣れない一人暮らしや栄養士としてのプレッシャーから来る疲れだと思っていました。食事を食べ過ぎないように意識したり、クリニックで疲労回復の点滴をしてもらったり、休日は体を休めたりしました。それでもなかなかよくならないので、総合病院で診てもらったところ、蛋白尿と血尿があり、慢性腎炎と診断されました。
その時「専門学校の頃、なんか検査で引っかかっていたような気がするなぁ…」と薄っすらと記憶がよみがえってきました。健康診断で尿蛋白が指摘されていたのですが、学生時代の私は蛋白尿を軽く見ていて、病院には行っていなかったのです。今思えば、人の健康を食で支える勉強をしてきたのに、一番身近な自分の体のことを理解しようとしていなかったんですよね。浅はかだったなと思います。

慢性腎炎と診断されたので、仕事を続けながらこの病院に通院するのかと思っていましたが、学校栄養士は転勤のある職種です。仕事に合わせてあちこちの病院にかかるよりは、地元に戻って治療した方が良い、という先生の勧めもあり、せっかく就いた仕事でしたが退職して地元に戻り、腎臓専門医のいる病院にお世話になることにしました。


通院と投薬で気が緩み…

地元では新しい仕事に就き、定期的に病院に通って薬を飲みながら腎炎と向き合うことになりました。薬のおかげでだるさはいくらか軽減され、立ち仕事もでき、生活に困るほどではなくなりました。
しかし、通院して薬も飲んでいるという安心感と、栄養士の仕事から離れたこともあってか、段々と食事を意識することが少なくなっていき、濃い味付けに好きな物ばかり選んで食べることが増えてきました。そんな食事をしていても、血液検査の結果は悪いながらも安定していたので、気が緩んでいたのかもしれません。
外来で量るたびに体重が増えていたりして、主治医からは「ダイエットと、減塩すること」の指導を受けていました。ですがそれもどこ吹く風で、「これからずっと経過観察が続くなんて面倒くさいな」と思ってすらいました。

この時の私は、慢性腎炎の先に「透析」があるなんて全く考えていませんでした。

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美峰

美峰
新潟県在住。透析3年目です。
栄養士の資格を取り、学校栄養士として働いていましたが、慢性腎炎が判明。地元で治療に専念する為に退職し全く違う仕事をしていましたが、両親の介護が続いて急激に悪化して2020年に透析になり、その仕事も退職。現在は食生活改善推進員や福祉ボランティアをしています。音楽が好きなのでピアノやドラムを習っています。

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