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4つのステージ〜笑顔と涙と闘いと〜

【第2話】スタートラインのココロ

2013.6.14

文:はこ

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自由の身でいられるのもあと数日。まもなく私は入院して透析になるんだ…そんな時に思ったことがありました。
「これから先、もし寝たきりになったらいけないから、パソコンを買おう。そうすれば家にいてもなんでもできるから。」
でもパソコンど素人の私にはどうすれば使えるようになるのかさっぱりわからず、ネットに繋がっていないただの箱のまま入院支度の荷物のひとつになりました。

長い間(本当は短期間だったのかもしれない)ひたすら透析に怯えて、耳を塞いていた私。知るのが怖かった。でも本当は知らないでいる方がもっと怖いんだ!と気づいたのは随分後になってからです。

浮腫みきった顔と身体が透析をするとかけて何と解く?その心は、エステサロンの広告。
初透析の後は自分でも驚くほどに「使用前、使用後」そのものでした。着ぐるみを脱いだように体が軽くなり、病室へ戻るのに車いすを用意してあったのも断ってスキップで戻れました。こんなことならもっと早くしていればよかったのかも…。

この日が私の2つ目の誕生日になりました。

入院してから微熱が続いていたために、シャントを造る手術が導入に間に合わず、脚の付け根のカテーテルを使っていました。そのため、しばらくは穿刺の痛みを感じないで済んでいたので、透析は痛いもの、苦しいものという印象はありませんでした。

その頃の透析中はCDプレーヤーを持ち込んで好きな曲を聴いていました。でも何の曲を聴いても涙が溢れるのです。
透析を受けるようになったことと、透析を受け入れられることとは全く別の話です。「透析をしなければ死んでしまう」と頭では分かっていても、納得できるまで待つほどの時間はない。透析中の涙は、精神的に見切り発車の導入だったと感じます。「これでもう大丈夫」と気持ちにしっかり折り合いをつけたつもりでも、何かのきっかけで気持ちは行ったり来たりしていました。
「○年過ぎれば納得して落ちつく」

人の心はそんなに単純なものではないのだと…。

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はこ

はこ
治らない病気の存在をまだ知らなかった10歳でIDDMを発症し、30年近く経って透析を導入しました。ひそかにインスリン50年賞を狙っていたのですが、ある日突然膵腎同時移植の順番が…11年の透析生活では透析条件でかなり苦悩しましたが、人に恵まれてなんとか過ごすことができました。
今は移植した臓器と末永く歩いて行けるように頑張っています。

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